太陽磁極の逆転を追う ➡ まずはOpenMHDを動かす!
* という訳で、磁気流体力学の勉強は並行して進めるとして、ダウンロードした神戸大学都市安全研究センターSeiji Zenitani先生公開の [OpenMHD コード] を動かしてみます。
・ 動作環境は、Linux/Ubuntu18.04、gfortran7.4.0(7.4.0はgccのバージョン、gfortranのバージョンは出て来ない)、python3のバージョンは3.6.7、メモリ8Gbyte
・ シングルとパラレルと二種類のコンパイルが用意されているが、シングルを選択。 理由は、私のノートPCでパラレル走行させてもあまり早くならないのと、何と言ってもメモリ8Gbyeでどこまで走るのか?が一番気になっているので、遅くなってもメモリを最大に有効利用できるシングルを選択。
・ OpenMHDは一次元、二次元の取扱いで、内蔵されている例題を走行させた結果の幾つかを示す。
・ 途中、コンパイルのMakefileとプロットのpython3で多少けつまずいたが、以下の結果が得られた。
* 一次元例題:リーマン・ソルバの結果、処理時間数秒
そもそも OpenMHD は、セル境界でリーマン問題を考慮するリーマンソルバーを採用しているわけですから、リーマン問題はコードの精度に直結する最重要テスト問題です。
という事だそうで、無事、同じ結果が得られました。
* 二次元例題:Kelvin-Helmholtz不安定の結果、処理時間約10分
これも同じ結果が得られました。
Wiki [ケルビン・ヘルムホルツ不安定性 - Wikipedia] によれば:
密度や移動速度が異なる流体が接触している海面では、密度と渦度が不均一になり重力波を発生させる。界面でのこの波動が撹乱として成長すると、流体の運動が不安定化する。
海面は界面の誤りでしょう。 波雲の例として、以下が挙げられています。
しかし、ここでも重力波という言葉を使うのですね、知りませんでした。
* 二次元例題:磁気リコネクションの結果、処理時間約30分
上記二例題は流体そのものでしたが、これは磁気流体の問題です。
宇宙空間プラズマ中で磁場が反転する電流層では、 磁力線が激しくつなぎ変わる「磁気リコネクション」が起きます。 理想 MHD 近似では磁気リコネクションは起きませんが、 オームの法則に電気抵抗を取り入れた抵抗性 MHD 近似では 磁気リコネクションを取り扱うことができます。 リコネクション点からは高速のプラズマジェットが吹き出して、 周囲のプラズマにぶつかっていきます。
だそうで、この辺りは研究の最先端のようです。
Wiki [磁気リコネクション - Wikipedia] によれば:
磁気リコネクションは高い伝導性を持つプラズマ中で磁場のトポロジーが再配置され、磁場のエネルギーが運動エネルギーや熱エネルギーに変換される物理過程である。 磁気リコネクションが起こる時間スケールは磁気拡散の時間とアルヴェーン波の伝搬時間の間である。
だそうで、イメージとして以下が挙げられています。
要するに、宇宙ジェットの構造と言えます、面白いです。
* OpenMHDは二次元までしか扱えませんが、私の目標は、
二次元ですので、まぁ何とかなるのでは?と思っております。
最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。