なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

6月度その6:地球の地形不思議シリーズ ➡ De Beers社とダイヤモンド鉱山の採掘跡!

地球の地形不思議シリーズ ➡ De Beers社とダイヤモンド鉱山の採掘跡!

 

 

 De Beers社とは何か?

Wiki [デビアス - Wikipedia] より:

De Beers社は、南アフリカ共和国ヨハネスブルグに本社を置くダイヤモンドの採鉱・流通・加工・卸売会社。資源メジャーの一つで、現在はアングロ・アメリカン社の子会社(85%)。

De Beers社の株85%を保有するアングロ・アメリカン社って何だ?という疑問が生じますが、後で出て来ます

1876年、英領ケープ植民地(現在の南アフリカ共和国)のキンバリーでは98の小シンジケートが3600ものダイヤモンド採掘地を持っていた。1880年セシル・ローズとチャールズ・ラッドはDe Beers鉱山会社を設立した。

その後、ロスチャイルド家の援助を受けて事業を拡大、1888年にはダイヤモンド生産の世界シェアを9割ほど握った。

 

 セシル・ローズの台頭と失脚: 

ここでアフリカのナポレオンと呼ばれたセシル・ローズについて簡単に触れたい

彼は、英国で牧師の息子として生まれ、南アフリカに渡り、キンバリーでダイヤの坑夫としてスタートし、1880年にDe Beers社を起こし、1888年には世界ダイヤ生産の9割を独占し、この経済力をバックに政界へ進出、1890年には首相まで上り詰めた、そしてイギリス本国政府の要人を買収して、征服地に対する警察権・統治権をもつイギリス南アフリカ会社を利用してボーア人居住区に遠征軍を派遣し、イギリス本国の4倍半にも相当する広大な土地を奪って南アフリカ会社の統治下に置いた。会社はこの地を、征服者ローズの名にちなんでローデシア命名した。

ローズは首相として数々の政策を行ったが、それらは全て大英帝国の下に南アフリカに広大な統一された植民地、南アフリカ連邦を建設することを意図して行われたものであった。

「神は世界地図がより多くイギリス領に塗られることを望んでおられる。できることなら私は夜空に浮かぶ星さえも併合したい」と著書の中で豪語した。

その後、ローズは別のボーア人居住区を征服しようと南アフリカ会社の会社軍を派遣したが失敗、会社軍は全員ボーア軍の捕虜となった

この事件はボーア人の怒りを買うとともに、広く世界中の世論の非難を浴びることとなった。この世論に押されてイギリス政府もローズを助けなかったため、ローズは1896年、首相と南アフリカ会社を辞めざるを得なくなり、完全に失脚した。

イギリスは世論の沈静化を待って、2つのボーア人の国に対する本格的な戦争・第二次ボーア戦争南アフリカ戦争・1899年~1902年)を開始した。勿論、イギリスは勝ったのだけれども、ローズは健康を害し1902年・48歳の若さで死亡した

イギリスはアヘン戦争もひどかったけれども、ボーア戦争もひどかった、のである

 

 オッペンハイマー家の台頭と販売カルテルへの変身:

その後、De Beers社は、ドイツ勢やベルギー領コンゴで発見された新鉱床との競争に明け暮れた

ここで、1917年ドイツ系ユダヤオッペンハイマー家のアングロ・アメリカン社(本社ロンドン)が、南アフリカでダイヤモンド・ビジネスを開始した。これに対抗して、De Beersは未だ入手していなかった主要鉱山であるプレミア鉱山を傘下に収めた。ビジネス競争が激化したのである。

しかし、ローズ亡き後、ビズネス競合の結果、オッペンハイマー家がDeBeers社の支配的株主となり、1929年には会長となった、そして、1930年の世界恐慌がシステムを変更させたように見える

即ち、1930年、世界恐慌への対応として新たな合弁会社を設立、これにはDe Beers他多くの生産者が出資、オッペンハイマー家は合弁会社の会長となった

1932年、De Beersは全所有鉱山を閉鎖した。戦略は生産カルテルから販売カルテル性質を変えていった。1934年、合弁会社の子会社(Diamond Trading Company)が設立されたのである。DTC は(参加者から原石を買占めた上で)世界中の加工センターから慎重に相手を選び、原石の品質を分類してカテゴリーごとに量を決めて原石を販売したが、その流通機構全体は中央販売機構(Central Selling Organization)として世に知られた。

その後はオッペンハイマー家支配の下、アングロ・アメリカン社の子会社となり、アメリカから独占禁止法による告訴を受けたりして(巨大になれば、そうなるのだ)、それはそれなりにビジネスを拡大させたように見える

De Beersは1930年代に積み上げられた在庫の山を1952年に売り切った。

これは大変に面白い記述である、中央販売機構が設立されたのは1934年で、その後、第二次世界大戦が起こり、戦争中は工業用ダイヤの需要は膨らんだのだが、30年代に膨らみ始めた在庫の山を掃くのに、大戦後7年もかかったのである

これには二つの見方が出来るように思える、第1は30年代からダイヤは生産過剰となっており大戦をもってしても掃き切れる在庫ではなかった、第2は中央販売機構の立場からして何しろ他人には売らせないコンセプトなのでメンバーが持ち込んだダイヤはすべて買い取るシステムであったから在庫が膨らんだ、いずれにせよ、新需用である新市場を開拓する必要があったのである

しかし、ここで、大英帝国国粋主義者ローズに率いられるよりは、ユダヤオッペンハイマー家のビズネス感覚に率いられた方が、De Beersにとっては幸せであったように思える

 

 マーケティング

De Beersは第二次世界大戦の直前から「ダイヤモンドは永遠と愛の象徴」として、婚約・結構指輪の理想であると宣伝した

このキャンペーンは、ただダイヤモンドの理想的な永遠の価値を表現するという点で、後年長く模倣される新しい広告形式であった。このキャンペーンは成功し、アメリカのダイヤ市場を復活させた。それによって高価な贅沢品という印象が弱まったことによって、以前は存在しなかった販路を開拓することに成功した。(アメリカでは給与所得2ヶ月分(日本では3ヶ月分)がダイヤモンドの婚約・結婚指輪に妥当な額、と宣伝しまくった、手の届く距離感であるとの印象を与えた)

スローガン『A Diamond is Forever  ダイヤモンドは永遠の輝き』は20世紀のマーケティングの歴史の中において最も成功したスローガンのひとつである。

 

* そして、ダイヤモンド鉱山の採掘跡!

ダイヤモンド原石を抱いて上昇するマントル起因の火成岩であるキンバーライトは、漏斗(ロート)状の形となって地表に現れる(山ではないが、これをダイヤモンド鉱山と称する)

ロートの形、By Donovan Govan

それを露天掘りで採掘するので、そこには次のような採掘跡が残る

 

南アフリカキンバリー鉱山跡、ビッグホールと呼ばれる

Open pit mine.jpg

Irene2005 - originally posted to Flickr as Big Hole, Kimberley

露天掘りと地下坑道の二タイプ、開山:1871年、閉山:1914年

ビッグホールは、幅463メートルある。この穴は深さ240メートルまで掘り進められたが、その後に瓦礫で部分的に埋まってしまい、215メートルの深さになった。それからさらに水が40メートルの深さまで溜まり、外見上、穴の深さは175メートルになった。露天掘りがあまりに危険かつ非効率的になってからは、キンバリー鉱山では坑道が地下1,097メートルまで掘られた。

 

ボツアナのオラバ・ダイヤモンド鉱山、露天掘り坑

Trucks hauling waste rock at Jwaneng.

オラバのホームページより、1971年採掘開始

ボツアナで採掘されるダイヤモンドは、世界の総生産量のほぼ4分の1を生産している。これは、ボツワナの経済成長に大きく貢献した。ダイヤモンド生産はボツワナGDPの3分の1、輸出の90%、政府歳入の50%を占める。これにより1966年の独立時には最貧国だったボツワナは、現在では中所得国となり、アフリカ大陸有数の豊かさを得るにいたった。

 

ロシア・シベリアのミール・ダイヤモンド鉱山、露天掘り坑

Mirny in Yakutia.jpg

By Staselnik

1955年鉱山発見、1957年採掘開始

1月の気温がマイナス30℃程度にも落ち込むほどの冬は厳冬となる厳しい環境にあるにもかかわらず、ダイヤモンドの採鉱のために大規模な露天堀り採鉱が行われてきた。深さは525mに達し直径は1200mにもなり、下降気流による吸い込まれ事故を防止するため上空をヘリコプター等で飛行することは禁じられている。

世界でも有数のダイヤモンドを産出する国家であるロシアにおいて、ロシア全域で産出されるダイヤモンドの99%をミールが産出している

1957年採掘開始段階で、スターリンは既に死んでいたが(1953年没)、シベリアで、と言えば誰が零下30°の中で採掘させられたのか分かる、と言うものである

 

ロシア・北極海近くのウダーチア・ダイヤモンド鉱山、露天掘り坑

By Stepanovas (Stapanov Alexander)

1955年鉱山発見、その後、採掘開始

ロシア最大のダイヤモンド企業アルローサ(ALROSA)が管理・操業しているが、露天掘りはすでに中止されており地下坑道での操業に移行する予定になっている。

 

最後に:

今回は、隕石クレータの地形から始まって、ダイヤモンド形成のステップを経て、De Beersの遍歴とダイヤ鉱山採掘跡に至った次第です

ホームページによれば、De Beersの2019年度売上は約USD4Bilionであり、これは約4600億円です 思ったより少ない、というのが第一印象です

ダイヤモンドの市場をもっと調べたい気持ちもありますが、増々「地形そのもの」から外れますので、ダイヤはダイヤで別途取り上げると致しまして、この辺で今回の「地球の地形不思議シリーズ」を終了とさせて頂くたく

 

お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です m(_ _)m

 

 

 

 

以上です

 

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

 

6月度その5:地球の地形不思議シリーズ ➡ 隕石クレーターにはダイヤモンドが、、、本来ダイヤモンドの形成とは!

地球の地形不思議シリーズ ➡ 隕石クレーターにはダイヤモンドが、、、本来ダイヤモンドの形成とは!

 

 

* 最初に隕石クレーターからダイヤモンドが発見されたのは:

Wiki [ポピガイ・クレーター - Wikipedia] より、

隕石クレーターから最初にダイヤモンドが発見されたのは、ロシアのポピガイ・クレーターである

 

ポピガイ・クレータ:ロシア極北シベリア中部の北極海に面する場所にあり、直径100km、地球上の衝突クレーターの中で、マニクアガン・クレーターとともに第4位の大きさであり、ユーラシア大陸にある隕石クレーターとしては最大

約3,500万年前に直径数kmの小惑星が衝突したことにより形成された。米国東海岸で近年発見されたチェサピーク湾クレーター (直径約90 km) と形成の地質年代が近いことが明らかになっており、2つの天体衝突の関連性や、相次いだ巨大衝突が生物相に与えた影響について、研究が進められている。

 

ちなみに世界最大は、南アフリカのフレデフォート・ドームで世界最大にして世界最古

フレデフォートのクレーター (上が北の方向)

隕石の衝突跡の直径は約190kmと世界最大、隕石の衝突跡は、中央のドーム(直径約50km)とそれを取り囲む外輪山(リング)からなる、約20億2300万年前に直径10kmから12kmの小惑星が衝突したと考えられている

世界で2番目は、カナダのサドベリー盆地

世界で2番目に大きい隕石起因の盆地構造、盆地の大きさから世界第2位の位置付けだが大きさは書いてない、すでに侵食によってクレーター構造は失われているが、生成時には200km〜250km程度はあったであろうと推測されている、18億5千万年前

世界で3番目は、メキシコのチクシュルーブ・クレーターで恐竜絶滅の原因となった、とされるもの

メキシコのユタカン半島北部にある約6604万年前(ここは特に細かい数字!)の小惑星衝突跡クレーター、地磁気異常、重力異常、およびセノーテの分布によって確認される、これらはいずれもきれいな円弧を描いており、この円の中心が衝突地点とされる、直径は約160km

 

話をロシアの ポピガイ・クレータに戻そう

ポピガイ・クレーターの形成は3570万年前だったと見積もられている。

この衝突構造は地表に露出しているにもかかわらず、僅かにしか侵食されていないため、衝突に伴う岩石がよく保存されていて貴重である。他の巨大クレーターは、堆積物で覆われていたり (メキシコ:チクシュルーブ・クレーター)、大きく変形していたり (カナダ:サドベリー盆地)、著しく浸食されている (南アフリカ:フレデフォート・ドーム)。ポピガイ・クレーターは特別な地質遺産の地として、ユネスコによって世界地質遺産 (ジオパーク) に指定された

そして、ダイヤモンドである

1972年にはポピガイの岩石から初めてダイヤモンドが発見された。最初は岩石試料を切断するあいだに非常に硬いものが含まれていることに気づく者がいて、ダイアモンド粒が偶然発見された。ダイアモンドが確認された衝突構造はポピガイが最初であるが、その後、他の衝突クレーターからも衝突ダイアモンドが発見されている。キンバーライト以外から天然ダイアモンドが産出したのもこれが初であった

従来、ダイヤモンドはキンバーライトと称される火成岩から採掘されるのである、ポピガイ・クレーターからは、豊富な衝突ダイアモンドが観察されている。通常直径0.5-2 mmで中には10 mmになる標本もある。無色であることは稀で、ほとんどは黄色、灰色、または黒色である。

であって:

ポピガイ・クレーター中のダイアモンド総量は、世界中の他のダイアモンド鉱脈の合計埋蔵量を超えると推定されている。しかし宝石の品質となるものは皆無で、ドリルやカッターなどに使う研磨剤としての利用が考えられている。

ここは気を付けましょう!

しかし、私は灰色や黒色のダイヤモンドであれば欲しい所、安ければ! それは、カッコいいから!

 

 そしてキンバーライトとは何か? ダイヤモンドは何から採掘されるのか?

私はこの記事を書くまでダイヤモンドは隕石の衝突で作られる、と思っていましたが、それは完全なる間違いでした

Wiki [ダイヤモンド - Wikipedia] より:

ダイヤモンドはマントル起源の火成岩であるキンバーライトに含まれる。

即ち、元々マントルの超高圧高温下でダイヤモンドは形成され、火成岩キンバーライトに含まれています、これはダイヤモンドを抱く母岩と言われます

キンバーライトの貫入とともにマントルにおける高温・高圧状態の炭素(ダイヤモンド)が地表近くまで一気に移動することでグラファイトへの相転移を起こさなかったと考えられている。

キンバーライトの貫入とは、火成岩であるキンバーライトが一気に地表に現れる事で(時速100kmで上昇と言われる)、この結果、ダイヤモンドからグラファイト(石墨、です)へ変化せずに地表近くにまで上昇した、という事です、これがゆっくりですとグラファイト(石墨)へ姿を変えてしまう訳です

グラファイト(石墨)

しかし、マントル起源の火成岩が一気に地表に上昇するとは! 現在のマントルはそんな浅い所には無いですし(ホットスポット以外は)、大陸地塊が出来た直後のマントルが今より浅い場所に在った時代に、キンバーライトはダイヤモンドを抱いて一気に上昇したのでしょうか、キンバーライトの年代測定結果があれば、と思って探したのですが、見当たりませんでした

ダイヤモンドの母岩であるキンバーライトは古い地質構造が保存されている場所にしか存在せず、すなわち安定陸塊に偏っている。

安定陸塊とは、ロシア・中国、アフリカ南部、オーストラリア、カナダ、といった地域です

ダイヤモンドの産出量が多い国(2011年)

う〜む、上の地図を見ると、アフリカ南部でダイヤモンドが発掘されるのであれば、南米南部(要するにアルゼンチン)にもダイヤモンド鉱山が眠っている可能性はありますね、2億年前に両大陸は同じ一つの大陸でしたから(ゴンドワナ大陸

所で、キンバーライトの名前は、1867年に現在の南アフリカ・キンバリー鉱山でダイヤモンドの鉱床たる母岩があると地質学者が突き止めた事から、この種の母岩をキンバーライトと名付けた事によります

このキンバリー鉱山の中からデ・ビアス(De Beers)社が産声を上げ、ダイヤモンドの世界市場を支配したのです

カナリー・イエロー・ダイヤモンド By Eurico Zimbres FGEL/UERJ

綺麗な黄色(カナリー・イエローなど)は価値が高い、ダイヤモンドとなるか?もう一つ上の写真の石墨となるか?は、キンバーライトの上昇速度に依存する、という事です

 

次回は、デ・ビアス(De Beers)社にフォーカスし、ダイヤモンド鉱山と称される地形をアップしたい、と考えています

 

 

 

 

以上です

 

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最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

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引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

 

6月度その4:地球の地形不思議シリーズ ➡ 隕石クレータを追う!

地球の地形不思議シリーズ ➡ 隕石クレータを追う!

 

 これから3回に渡って隕石クレータに関連した事項について書いてみたい、と考えており、お付き合い賜われますよう、よろしくお願い申し上げます

 

 まず、カナダ、ここは数多くの隕石クレータがありますが、私が特に気に入っているのは、[マニクアガン・クレーター - Wikipedia] で:

By NASA Earth Observatory

マニクアガン・クレーター、直径約100km、カナダ・ケベック州

同じカナダのセイント・マーティン・クレータ(直径40km)、フランスのロシュショール・クレータ(同23km)ウクライナオボロン・クレータ(同20km)アメリカのレッド・ウィング・クレータ(同9km)と合わせて、2億1400万年前に破砕した天体の衝突によって生じた連鎖クレータであると推定されている。

この天体衝突は、三畳紀後期の大量絶滅を引き起こしたという説がある。

知りませんでした、100kmというとカナリでかい、東京〜熱海間が100km程度

1970年にクレータ付近を流れるマニクアガン川をせき止めるダムが完成し、現在はマニクアガン湖というダム湖になっている。

なるほど〜

 

 続いて、誰でも知っていると思われる、アメリカ・アリゾナ州の [バリンジャー・クレーター - Wikipedia] である

バリンジャー・クレータ アリゾナ By D. Roddy

バリンジャー・クレーターは今から約5万年前に地球に衝突した隕石によって形成されたクレータであり、直径約1.2キロメートル、深さ200メートルである。クレーターを取り囲む周壁が特徴的で、周囲の平原からの高さは30メートルである。バリンジャー・クレーターを形成した隕石が衝突した時代、バリンジャー・クレーターが位置するコロラド高原は現在よりも寒冷湿潤な気候であり、マンモスや地上オオナマケモノが生息する草原地帯であった。

確かに、これで直径1.2kmであるのなら、マニクアガン・クレーターの直径100kmがいかに巨大であるかが分かる

5万年前というと新人類は現れていて(20万年前アフリカで)、既にアメリカ大陸に渡っていたのではなかろうか?

バリンジャー・クレーターを作ったのは直径約30 - 50メートルの鉄金属隕石である。衝突地点ではあらゆる物質が融解・気化し、高温高圧によって炭素からダイヤモンドが生成された。衝突によって生成されたダイヤモンドはクレーターのごく近くと、ディアブロ峡谷でのみ発見されている。衝突はマグニチュード5.5以上の地震を引き起こし、クレーターの外側にあった30トンの石灰岩の塊を突き動かした。

M5.5なんて、そんなに小さな数字? と思ったらM5.5以上と書いてありました、そりゃまぁ、そうでしょう

衝突地点から半径3キロメートルから4キロメートル以内の生物は、衝突と同時に死滅した。その後、衝突によって発生した巨大な火の玉によって半径10キロメートル以内のあらゆる物質を焦がし、時速2,000キロメートルに及ぶ衝撃波が半径40キロメートル近くまで広がり、半径14キロメートルから22キロメートルまでのすべてを何もない荒野に変えた。

でしょうねぇ

鉱山技師であったダニエル・モロー・バリンジャーは、1903年〜1905年にかけて調査を行い、このクレーターは隕石の衝突によって形成されたクレーターであるという結論を下し、米国地質調査所(何とUSGS!)に論文を掲載した。その後、衝突によって発生した高温高圧の痕跡がユージン・マール・シューメーカーの研究によって示され、バリンジャーの仮説が証明された。

宇宙からの飛来物の衝突によって形成されたことが証明された地形は、バリンジャー・クレーターが初めてである。

 なるほど〜

周辺から30トンもの隕鉄が発見されたことから、バリンジャーはクレーターの底からはより大量の隕鉄が発見できるものと考え、その総量を少なくとも1億トンと推定した。バリンジャーは仕事でアリゾナ州のツーソンを訪れた際、知人からこのクレーターの話を初めて聞いたとき、クレーターの地下に埋まっている巨大な鉄やニッケルを掘り出して大儲けしようと考え、現地を見もしないままクレーターを買い取っていた

何と、1903年〜1905年の調査以前に買い取っていたのですね?

その後、60万ドル(現在の貨幣価値で1000万ドル・12億円)を費やしながら1929年までの20数年間にわたって掘削を続けたが、小さな隕石の欠片は見つかったものの金になるようなものは出てこなかった。そんな状況の中、1929年に数学者のフォレスト・モルトンの研究によって、クレーターを形成した隕石が直径数十メートル程度だったという論文が発表された。資金繰りのため掘削資金を調達してくれていた投資家たちに掘削中止の電報を打った翌日、心臓発作によりバリンジャーは亡くなってしまった

隕石痕、金々亡者、夢の跡、ですな

今日、実際に衝突した隕石の直径は約30 - 50メートル程度しかなく、隕石のほとんどは衝撃のため蒸発してしまったことが分かっている

で、名前だけは残ったか、バリンジャー・クレーターとして、、、

 

バリンジャー・クレーター By Neil

 

 

 

 

以上です

 

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

 

6月度その3:木星衝合と巨大地震の相関シリーズ ➡ 2020/05/31 イタリア・中国・メキシコの状況を追う!

木星衝合と巨大地震の相関シリーズ ➡ 2020/05/31 イタリア・中国・メキシコの状況を追う!

 

月一回の「木星衝合と巨大地震の相関シリーズ」報告です

今回、5月中旬システムがクラッシュしたのを機会に、木星衝合のデータを、国立天文台の暦計算室さんのサイト [天象 - 国立天文台暦計算室] から求める方式に変更致しています、地震データはUSGSを使いますので、国立天文台さんの時刻表示(日本標準時)を世界標準時(UTS)に変換して解析しています

ちなみに、現在は「衝の前半部分に突入」しております:

[:"20200526", :NA, :衝_前半部_49日]  前半部が開始する日
[:"20200714", :"07:58", :衝]      次の衝の日、時刻はUTS時間
[:"20200901", :NA, :衝_後半部_49日]  後半部が終了する日

本日は、2020/05/31までの4年間における巨大地震発生と木星衝合の相関グラフを示しますが、過去2回分、03/31と04/30については再度データを取り直して、まとめてあります

尚、木星衝合の説明は一番下にあります

 

 

イタリア領域:

北緯35°〜北緯45°、東経10°〜東経25°、4年間をM5.8以上で測定

同日多発震なし、但し、イタリアでは非常に近い場所で3発震している

f:id:yoshihide-sugiura:20200507231950p:plain

内訳はイタリア4件、ギリシャ2件、アルバニア1件、合計7件のうち7件が衝合期間内の発震で比率  100% (先月04/30と同じで変化なし)

f:id:yoshihide-sugiura:20200606154405p:plain

このグラフでは7発震すべて合の期間で発生しています、偶然でしょうか

 

中国領域:

北緯15°〜北緯35°、東経85°〜東経105°、4年間をM5.8以上で測定

同日多発震なし、一番右E105°上は2019/06/17四川で発生したM5.8,深さ6km

f:id:yoshihide-sugiura:20200508193949p:plain

内訳は中国5件、ミャンマー3件、インド1件、タイ1件、合計10件のうち7件が衝合期間内の発震で比率  70%(先月04/30と同じで変化なし

f:id:yoshihide-sugiura:20200606154437p:plain

この領域では中国に次いでミャンマーでの発震が目立ちます、インド亜大陸の北進によりヒマラヤ山脈が造山され、結果、東側に褶曲山脈が形成されて圧力を掛けている事がマップから分かります(泥流が流れ出て来る様子)

 

メキシコ領域:

北緯5°〜北緯20°、西経100°〜西経75°、4年間をM5.9以上で測定

同日2発震あり、N15°一番左は2017/09/08チアパス地震でM8.2,深さ47km

f:id:yoshihide-sugiura:20200508204503p:plain

内訳はメキシコ8件、エルサルバドル6件、ガテマラ3件、コスタリカ3件、ホンジュラス2件、ニカラグア2件、コロンビア2件、ケーマン諸島1件、ジャマイカ1件、パナマ1件、合計29件のうち18発震が衝合期間内の発震で ➡ 62%(先月04/30と同じで変化なし

f:id:yoshihide-sugiura:20200606154503p:plain

メキシコ領域は発震数が29と多いので極めて重要です、イタリア7件、中国10件、日本の西域_時系列も7件、と他の領域では事例数が少ないので発震比率で相関があるように見えても「それは偶然では?」となるからです

衝合内_発震比率グラフ:

f:id:yoshihide-sugiura:20200607025012p:plain

2020/03/31データ(Mar2020)比率を起点とし、月単位で追加更新

イタリア・中国・メキシコ衝合期間内の発震比率%を示す

棒グラフ下の数字は、衝合期間内_発震数 / 発震総数

赤い点線は68%位置、正規分布標準偏差に相当

May2020の結果は、Apr2020と同じで変化はありませんでした

今月6月の結果がどうなるか?興味の湧く所です

考察:

一番重要と思われるのが上記グラフで、ここで60%以上がそれなりに続けば相関アリという事でしょう、相関が無ければ40%以下が出て、平均比率は50%に漸近する、と思われます

これは長く観測する必要があります、まぁ、数年は、、、という事です

月一回の報告で、太陽黒点シリーズが終えてから、毎月10日前後のアップを予定しております

今回、システムを更新した訳ですが、4月度Apr2020の結果が、旧版と全く同じ発震比率となり、ホッと致しております

今後とも、よろしくお願い致します m(_ _)m

 

 

木星の衝合の説明:

木星の衝と合とは、国立天文台さん [暦Wiki/惑星/合と衝 - 国立天文台暦計算室] より、衝は外惑星についてのみ起こる現象で、太陽・地球・外惑星がその順に直線に並ぶ状態です

f:id:yoshihide-sugiura:20200604174501p:plain

木星は約12年で太陽を公転しており、地球は1年で公転、衝は約1年に1回出現、正反対の合も約1年に1回出現、衝と合をあわせて2回/約1年出現で、衝の地球と木星の距離は約5.0au、合では約7.0au(auは太陽と地球の距離)となります

国立天文台の暦計算室さんのサイト [天象 - 国立天文台暦計算室] から木星の衝合日付を求め、48日/49日/50日の前半部と後半部を足した期間(約100日)内にイタリア領域/中国領域/メキシコ領域内でM5.8/M5.8/M5.9以上発震があったかどうか?をUSGSデータから調べています

国立天文台の暦計算室さんのサイトは日本標準時で公開されていますので、世界標準時(UTS)に変換して解析しています  

 

尚、本シリーズは日本の地震を取り扱う私の別ブログ:

[地震の予測マップとヒストグラム]

とも関係しています、ご興味のある方は、ご参照頂ければ幸いです

よろしくお願い致します m(_ _)m 

 

 

 

 

 

以上です

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

6月度その2:太陽黒点数の推移を追う ➡ 黒点数とS&P500と恐怖指数VIXの推移を追う!

太陽黒点数の推移を追う ➡ 黒点数とS&P500と恐怖指数VIXの推移を追う!

 

 

 

2016年6月〜2020年5月までの48ヶ月間の黒点数の推移とS&P500と恐怖指数VIXの推移を示します

・ 黒点数はその月の一日当たりの平均値で、月初に前月値が国立天文台三鷹太陽観測さんから公開されています

・ 米国の株価指数S&P500とは、米国の代表的企業500社の株価から算出される指数、S&P500は数ある株価指数の中で特に有名で、機関投資家の運用実績を測定するベンチマークとして利用されています  皆さん、コレを上回る成績を上げようとされている、という事です

・ 米国の恐怖指数VIXとは、シカゴ先物30日のS&P500値から計算される乱高下を示す度合い、と言われますが(だから恐怖指数、値が大きいほど乱高下が激しい)、私も計算式もしくは詳しいアルゴリズムを知っている訳ではありません

・ S&P500は翌月初の始値を40.0で割った数字を表示しています、VIXは翌月初の始値そのままで、ここで最終値は6月1日の始値であり、どちらも月当たりの平均値ではありませんのでご注意下さい、値はYahooさんからどちらもダウンロードしています

f:id:yoshihide-sugiura:20200604194558p:plain

 月単位始値で見るとVIXは、4月1日をピークに6月1日では大分下がって来ました、S&P500は一旦は底を打って上昇に転じています、両者はこのような動きになるのですね、まだ全体を掴みきってはいませんが、眺めているうちに色々気が付く事もあろうか、と思います

 直近のS&P500最大値は2月21日の3,337.75(40.0で割って83.4)でした(6月3日現在、終値で3,122,87)

 直近のVIX最大値は3月16日の82.69でした

 一般には、VIXは20以下でないと安定状態とは言えない、との事だそうです

 やはり黒点数が少ない時は、もしくは北半球のみでの黒点出現(これはサイクル24の黒点)の時に、S&P500はV字型にリバウンドし、その際VIXは高目に出る(Λ型になる)ように見えます

 

 

 

 

 

 

尚、投資はすべて自己責任にてお願い申し上げます

 

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引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

 

 

2020-05 6月度その1:太陽黒点数の推移を追う ➡ 直近48ヶ月のグラフ表示!

太陽黒点数の推移を追う ➡ 直近48ヶ月のグラフ表示!

 

 

2020/06/04 三鷹さんから2020/05黒点数データが開示されましたので、ご報告です

 

観測は、三鷹太陽地上観測さん [1] が行っており毎月データが公開されていて、これをグラフ化したものです(著作権国立天文台に属します、NOAJは略称です)。

 

 何故48ヶ月かと言うと、黒点数は13ヶ月平均を取って調べるからです。 ある月を取り上げた時、前方6ヶ月と後方6ヶ月を取り、合計13ヶ月の月平均を出します。 これを月単位にスキャンし最小となる月が新しい太陽サイクルが始まる月です。 それを調べるには48ヶ月あれば充分だからです。

 1645年〜1715年、黒点がほとんど出現しない時期があり [マウンダー極小期 - Wikipedia]  、そのうちの30年間で観測された黒点数はわずか50個(本来なら4〜5万個)でした。 マウンダー極小期が明けてから黒点数はほぼ11年単位に増減を繰り返しており、明けた最初の11年をサイクル1として、現在はサイクル24の最終段階(黒点数最小期)に入っています。

 現在は正に11年に一度の太陽サイクルが切り替わる時であります。 この目で新太陽サイクル25が始まるのを見てみよう、が本ブログの目的です。

 

2016年6月〜2020年5月迄・48ヶ月間の太陽黒点数推移

三鷹太陽地上観測さん測定の月平均黒点数・48ヶ月(4年分)を表示(©国立天文台)。

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2020年05月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年04月は平均4.52個、  北は1.52、  南で3.00

2020年03月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年02月は平均0.52個、  北は0.52、  南で0.00

2020年01月は平均4.60個、  北は2.40、  南で2.20

 

 

5月は南半球のみの出現で、平均0.55/日 の結果でした

かなり弱いと思われます、少なくとも1に至りませんと、、、

 

 

三鷹さんの見解が待たれます

三鷹さん、観測及び見解の方、よろしくお願い申し上げます

 

 

以上です

 

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引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 

 

5月度その13: ノーベル賞シリーズ続編 ➡ LIGOレーザー干渉計とは!

ノーベル賞シリーズ続編 ➡ LIGOレーザー干渉計とは!

 

 

 昨日、シリーズ最終回で重力波の検出を書いたのですが、LIGOの超高精度測定システム(レーザー干渉計)については、全く説明致しませんでした、ので、本日は続編と致しましてこの点にフォーカスさせて頂きたく

ただ、私は重力波とその望遠鏡そのものは素人で、フォーカスと申しましてもご紹介のレベルであります

 

 Wiki [LIGO - Wikipedia] は言う:

LIGO施設の本質は、マイケルソン干渉計の原理によって、10-21という極めて微少な相対ひずみを検出できるということにある。この10-21のひずみは、しばしば通俗的に「地球と太陽との距離(1AU、1.5 ×1011 m)に対して、水素原子の直径(1.1 ×10-10 m)程度のひずみ」と表現される

昨日の記事とは又異なる例題が出て来ました

[マイケルソン干渉計 - Wikipedia] とは、マイケルソン・モーリーの実験(1887年)で有名なマイケルソンが発明した干渉計で:

f:id:yoshihide-sugiura:20200528180723p:plain

By User:Stannered - Image:Interferometer.png

マイケルソン干渉計における光の経路

レーザー光はビーム・スプリッター(ハーフ・ミラーとも言う半透明な鏡)を介して北側と東側の鏡AとBに至り、反射して再びスプリッターに戻り、反射してAとBのパスともども仲良く検出器に至り、AとBの位相がズレれば(空間長が変化すれば)干渉パターンが変化する

所で、そろそろコヒーレントなる言葉に慣れよう、位相の揃った光である、熱的な光はコヒーレントではない、白熱電球、原爆・水爆のピカリ、太陽光、超新星爆発のピカリ、はコヒーレントではない、が、レーザー光、シンクロトロン放射光、中性子星の電磁波ビームはコヒーレントであり、コヒーレント光は非常に鮮明な干渉を起こす(干渉だけで言えば、ナトリウムランプのような単色光源はコヒーレントではないが干渉は起こす)、[マイケルソン・モーリーの実験 - Wikipedia] より例を上げれば:

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/79/Michelson_Interferometer_Red_Laser_Interference.jpg

赤色レーザーを用いたマイケルソンの干渉計による干渉縞

パスAとパスBの空間長が変化すると、このパターン(干渉縞)が変化するので、パスAとBの長さ変化が検出できる、この長さ変化はレーザー光の波長の100分の1程度まで可能である、との事(色々な手法を駆使すれば、であるが) 干渉縞:黒田和男 p18より [http://qopt.iis.u-tokyo.ac.jp/optics/7interferenceU.pdf]

 

 さて、ここで東京大学 道村唯太(みちむらゆうた)先生の資料である

[http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~grav-wakate3/files/programme/I2_L_Michimura.pdf]

自己紹介の所で:

大型低温重力波望遠鏡KAGRAのレーザー干渉計開発

と書いておられるので、間違いないだろう

資料にはLIGOで観測されたGW150914の波形が載っている:

f:id:yoshihide-sugiura:20200528225956p:plain

横軸は時間軸で分解能は1/100秒程度であり、周波数に直せば100Hz程度である

縦軸が歪(Strain)量で 10-21 をセンター・ゼロにして±に振っている、これが空間の歪量だろう、従ってこれが重力波の波形という事になる、人類が始めて目にした重力波の波形なのか !?

上のオレンジ色はワシントン州ハンフォードのLIGOで、中の青いグラフはルイジアナ州リビングストンのLIGOデータで、下は重ね合わせである

[LIGO - Wikipedia] によれば:

天文事象の現在のモデルと一般相対性理論の予測に基づけば、地球から数千光年離れた場所に由来する重力波は4kmのミラー間隔で10−18mほどひずむ事が期待される。これは、およそ10-21の相対的なひずみに相当する。

なるほど、10-21 はここから来ていて、分解能は 10-21 もある、ではなく 10-21 なければ検出できないのだ

ミラー間隔(腕の長さ)は4kmとあるが、天文学辞典 [天文学辞典 » LIGO] によれば、

腕の中で光を反射鏡で何度も反射させることにより、実効約300 kmの基線長をもたせている。

とある、何度も反射というのはファブリペロー共振器を組み込んでいるからで、ファブリペローを導入すると感度は約1500倍くらい上げられる(道村先生資料)、これがAdvanced LIGOであろう、GW150914は、Advanced LIGOの運転開始してたった2日後の2015年9月14日に確認されており、Advenced LIGOにて分解能10-21 が実現できたのだろう

これは、最終的には信号と量子雑音のS/N比の戦いで決まる計算となる、詳細な計算は道村先生資料をご参照下さい

ちなみに、KAGRAは「ざっくり 2 x 10-24 程度」とある

 

 ここで立ち戻ってマイケルソンの業績をご紹介致したく

何と言ってもマイケルソン・モーリーの実験1887年である [マイケルソン・モーリーの実験 - Wikipedia] より:

19世紀初頭の光学理論においては、光の波動が伝播するための媒質として「エーテル」が存在すると考えられていた。だが、その肝心のエーテルの存在については、多くの理論的・実験的な試みにも関わらず、どのような証拠も見つけることができなかった。

即ち、

地球は太陽の周りを公転しており、その速さは、およそ秒速30kmである。地球はエーテルの中を動いているのだから、地球上の我々から見れば「エーテルの風」が吹いているはずである。

 

 By I, Cronholm144

エーテルの風」の概念

光はエーテルに乗って伝播するのだから、順風の時に速く、逆風の時に遅く伝わるはずである。従って、異なる方向や時刻について光の速さを調べることで、地球のエーテルに対する相対運動を知ることができると考えられた。

マイケルソンはマイケルソン干渉計を発明し、南北方向と東西方向の光速の違いを測定した、光速に差が出れば干渉縞が変化するからである

実験装置は石造りの建物の地下室に配置され、熱や振動の影響は最小に抑えられた。振動を抑えるための工夫として、装置は大理石の巨大なブロックの上に置かれ、そのブロックは水銀のプールに浮かべられた。

しかし、南北方向と東西方向で光速に差は見い出せなかった

彼らは1887年に、光速は系によって変わらない「光速度不変の法則」を実証したのである、が、本人たちは当時それに気が付かなかったであろう、「光速度不変の法則」の理解は1905年のアインシュタイン特殊相対性理論を待たねばならなかったのである

しかしながら、これらの緻密な考察と工夫にも関わらず失敗したことで、彼らの実験は有名になり、マイケルソンは、この業績により1907年にノーベル物理学賞を受賞した、これは科学部門における、アメリカ人初の受賞であった、受賞理由は「彼が考案した精密光学機器マイケルソン干渉計とそれによる分光学および計量学の研究」であった

 

Albert Abraham Michelson2.jpg

アルバート・マイケルソン By Bunzil

1852 〜 1931

 

 

 

 

以上です

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引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia