なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

7月度その10:太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡太陽フレアと非熱的粒子?

太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 太陽フレアと非熱的粒子?

 

前回の「6月度黒点数に関する三鷹さんの見解」記事にて、太陽フレアをアップ致しましたが、その際Wikiを調べていて非常に興味深い内容を見つけましたので、本日は短くご紹介致します

 

Wiki [太陽フレア - Wikipedia] より:

太陽フレアとは、太陽表面における爆発現象のことである

By I, Brocken Inaglory

フレアの大きさは通常1~10万km程度であり、威力は水素爆弾10万から1億個と同等である。100万度のコロナプラズマは数千万度にまで加熱され、多量の非熱的粒子(10keV-1MeVの電子や10MeV-1GeVの陽子)が加速される。同時に衝撃波やプラズマ噴出が発生し、時おりそれらは地球に接近して、突然の磁気嵐を起こす

 

非熱的粒子? 初めて聞いた、で、調べてみるとJAXAさんの用語解説

http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/words/words-23104.html

に:

気体を構成する粒子の運動する速さは,全ての粒子で同じなのではなく,あるばらつきをもっている。粒子どうしが(衝突などの)相互作用をして平衡状態にあるとき,速さの分布は正規分布になり(熱的粒子),速さのばらつきの幅(標準偏差)は気体の温度として定義される。正規分布にある気体の一部の粒子が選択的に加速されたり,速い粒子が他の場所から飛び込んでくると,粒子の速さの分布には正規分布から外れている成分があらわれる。これを非熱的粒子とよぶ。

 

知らなかった! 気体の温度の意味もこれで分かった、標準偏差68%でしたか、少年老いやすく学成り難し、なのである!

 

 

以上です

7月度その9:太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 6月度黒点数に関し、三鷹さん見解出る!!

太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 6月度黒点数に関し、三鷹さん見解出る!!

 

7月22日に「6月度の黒点数」に関して三鷹さんの見解が公開されましたので、アップさせて頂きます、詳細は、[国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測] をご参照下さい

 

その前に、先日報告した4月度の黒点数を再度アップ致します:

2016年7月〜2020年6月迄・48ヶ月間の太陽黒点数推移

三鷹太陽地上観測さん測定の月平均黒点数・48ヶ月(4年分)を表示(©国立天文台)。

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2020年06月は平均7.19個、  北は0.00、  南で7.19

2020年05月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年04月は平均4.52個、  北は1.52、  南で3.00

2020年03月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年02月は平均0.52個、  北は0.52、  南で0.00

2020年01月は平均4.60個、  北は2.40、  南で2.20

 

以下、三鷹さんの見解(抜粋)です:

 

太陽フレアの発生は先月より落ち着き、NOAA のGOES衛星による観測ではX線強度でCクラス以上のフレアは発生せず、Bクラスのフレアが12回確認されました。このうち、6月9日の 3:11 UT (日本標準時 12:11) に活動領域 NOAA 12765 (下図) で起こったB1.5 フレアを太陽フレア望遠鏡で観測できました。このフレアにともなって動くフィラメントがとらえられましたので紹介します。

Ha_20200609_025019_withbox.png

クレジット:国立天文台

ここでフィラメントが右下へ移動する様子が分かります

https://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/activity/fig2_filament_ha_20200609.png クレジット:国立天文台

 

Bクラス・フレアというのはX線で測定した際、Aクラスが最も強く、その次のクラス、という事だそうです

また動画が掲載されていますので、興味のある方は是非ご覧になって下さい(10Mありましたのでアップはアキラメました)

 

サイクル24と25については:

太陽全体での黒点相対数は現時点でも安定した増加傾向を見せず、第24周期と次の第25周期の境界となる極小期はまだ確定していません

との事です

 

三鷹さん、ありがとう御座いました

今後とも、観測ならびに解説の方、よろしくお願い致します

 

 以上です

7月度その8:地球磁気圏を取り巻く電流は、こんなにも有るのか(スクショで画像添付!) ➡ 電離層電流は電離圏電子密度で表現? ➡ 地磁気にたどり着く!

地球磁気圏を取り巻く電流は、こんなにも有るのか(スクショで画像添付!) ➡ 電離層電流は電離層電子密度で表現? ➡ 地磁気にたどり着く!

 

 

 そもそも、何故、こんな事を考えているのか?と申しますと、地震発生と電離層電流の関係を知りたかったからです、結論は最後に述べております

 

 事の発端は、電離層電流という電離層を流れる電流に興味があったのですが、こんなにも電流群があるのか!とビックリした内容をまず述べさせて下さい

コトバンク [磁気圏(じきけん)とは - コトバンク] をアクセスすると、長い文章が出て来て、最後の方に図が載っていまして「地球磁気圏の概念図」なる図が出ているのですが、これがjpegで小さく、ここに拡大コピーしても文字が全く読めません

そこで結果だけ記しますが、詳細な図は直接コトバンクをアクセスして見て下さい(コトバンクの中では拡大出来て文字が読めます)

・ 磁気圏境界面電流

・ 赤道環電流 西向きで地球周回 リングカレントとも言う

・ 沿磁力線電流 夜間部で地球から反太陽側に向けて

・ 時期中性面電流 夜間部で西向き

と、こんなにも有るのか!と驚きます、そしてここには電離層電流は出て来ません、低すぎるのです

あ、スクショで出来ました! これなら読めます

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 まず、Wiki [リングカレント - Wikipedia] を引いてみますと:

リングカレントとは、惑星磁気圏の磁場に捕捉された荷電粒子がつくる電流で、赤道環電流とも言う。

とあり、

地球の場合、正電荷を持つイオンは西向きに、負電荷を持つ電子は東向きにドリフトするため、西向きのリングカレントが形成される。この西向きの電流は、中・低緯度域の地磁気を減少させ、磁気嵐の主要因になっていると考えられている。地球のリングカレントは、10-200keV程度のエネルギーのイオンが主に寄与している。イオンの種類は、プロトンの他、α粒子や酸素イオン(O+)も含まれている。

と、「ドリフト」が出てきますが、私の理解ではリングカレントとは、ヴァン・アレン帯そのもので、ヴァン・アレン帯は荷電粒子のドリフトで生成される、とすれば辻褄は合います

 

 ヴァン・アレン帯は内帯と外帯が有って、赤道面での高さは:

内帯は赤道上高度2,000 - 5,000kmに位置する比較的小さな帯で、陽子が多い。外帯は10,000 - 20,000kmに位置する大きな帯で、電子が多い。 

であって、電離層の高さ昼間:60-800km、夜間:90-800km、とはスケールが違います

 

 そこで、電離層電流を調べると、名古屋大学さんサイトで [大気のてっぺん50のなぜ] より:

高緯度の電離圏では、宇宙空間からプラズマが降り注ぎ、オーロラを起こすと共に強い電離層電流(オーロラジェット電流)を流します。赤道域では電離圏の電子密度が増大しているので、大きい電離層電流が狭い範囲にわたって流れていることがわかっています

オーロラは極地の電離層内における反応ですから、オーロラジェット電流 こうなるのでしょう、但し、極地では強いオーロラジェット電流が流れ、赤道域でも狭い範囲に大きな電離層電流が流れている、と2点述べている点は注意です

特に極域のオーロラジェット電流は。磁気嵐の際には非常に強くなります。そして電流の変動にともなって、地上の送電線に誘導電流が流れ、発電所の機械が壊されたりすることもあります。しかし中低緯度の電離層電流は、極域の電流の100分の1程度であり、通常時はそういったことは起こりません。

ここで図が出て来まして、12時に太陽が真上に来た時の電流渦が示されて、

 

オーロラの活動が低い時の、極域の電離層電流パターンの例。隣り合う電流間に、1万アンペアの電流が流れています。

おそらく北極を上から見た図と思われ、地球は左側(これが東向き)に向かって自転している事になります、「オーロラの活動が低い時」は要注意です、ではオーロラ活動が活発な時はどうなのか?は図には書かれていませんが、磁気嵐などの大規模な電離圏擾乱がある時には、大規模伝搬性電離圏擾乱(LSTID)を引き起こす、と述べられており、かなり複雑な系となるようです、この [大気のてっぺん50のなぜ] は非常に分かりやすく、勉強になりました

 

 所で、上の図は重要と思われ、電離層電流はリングカレントのように西向きに流れ地球を周回する赤道環電流の概念ではなく、この図で言えば、右ねじ回転と左ねじ回転の方向に流れる電流の渦が、太陽を南側とした時、常に東側と西側に生成される、という事になります!

では電離層電流のリアルタイム・グラフは?という事なのですが、それが見当たらない! それは電離層電子密度で表現されているのでは?というのが私の判断です

米国の宇宙気象サイトさん [Total Electron Content | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] より:

Total Electron Content

これです、赤道部分にある薄い空色部分が電子密度が低く、南北両磁極に近い濃いブルー部分の電子密度が高いのでしょう

この濃い部分・薄い部分で電子は回転しているのでしょうね、北半球と南半球では逆回転になるのかなぁ、などと思いは付きないのですが、想像に頼る部分が多すぎます

 

 そこで、電離層電流なり電離層電子密度TECを追うのは諦めて、地磁気を追う事にしました、即ち、地磁気変化と地震発生の関係を取ってみよう、という事です

詳しくは、次回に述べますが、K_indexなる地磁気の乱れを表す指標があり、日本では、気象庁さんにより、女満別(北海道)、柿岡(茨城県)、鹿屋(鹿児島県)の3ヶ所で測定されています、柿岡のこの5月の結果を示すと [地磁気観測所|観測資料|K指数日合計(柿岡)]:

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と、日単位で表示されますので、地震発生との関係を追うには適しているか、と思います、やりたい事は地震の予測ですので、数日前には兆候が欲しいのです

 

* 結論:

長々と述べてしまい、大変恐縮です、が、磁気には2種類の根源があり、それは太陽磁場と地球磁場です、地表であれ電離層であれどこであれ、この両者の相互作用の結果がその場の磁場となっている訳です

そこで、太陽風に始まりプラズマシートなりヴァン・アレン帯なりオーロラなり電離層なりを経て、地球磁場の測定で良いか?との結論にたどり着きました

次回より、過去巨大地震と地球磁場の変動との相関をグラフ化して示します

 

長々とお付き合い賜り、誠にありがとう御座いました

感謝の一言です m(_ _)m 

 

 

 

2020-06 7月度その7:太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 直近48ヶ月のグラフ表示!➡ 米国宇宙気象センターさんのグラフを追加しました!

太陽黒点数の推移を追うシリーズ ➡ 直近48ヶ月のグラフ表示!➡ 米国宇宙気象センターさんのグラフを追加しました!

 

 

2020/07/02 三鷹さんから2020/06黒点数データが開示されましたので、月一のご報告です(今月のデータ開示は早かったです!)

 

観測は、三鷹太陽地上観測さん [1] が行っており毎月データが公開されていて、これをグラフ化したものです(著作権国立天文台に属します、NOAJは略称です)。

 

 何故48ヶ月かと言うと、黒点数は13ヶ月平均を取って調べるからです。 ある月を取り上げた時、前方6ヶ月と後方6ヶ月を取り、合計13ヶ月の月平均を出します。 これを月単位にスキャンし最小となる月が新しい太陽サイクルが始まる月です。 それを調べるには48ヶ月あれば充分だからです。

 1645年〜1715年、黒点がほとんど出現しない時期があり [マウンダー極小期 - Wikipedia]  、そのうちの30年間で観測された黒点数はわずか50個(本来なら4〜5万個)でした。 マウンダー極小期が明けてから黒点数はほぼ11年単位に増減を繰り返しており、明けた最初の11年をサイクル1として、現在はサイクル24の最終段階(黒点数最小期)に入っています。

 現在は正に11年に一度の太陽サイクルが切り替わる時であります。 この目で新太陽サイクル25が始まるのを見てみよう、が本ブログの目的です。

 

2016年7月〜2020年6月迄・48ヶ月間の太陽黒点数推移

三鷹太陽地上観測さん測定の月平均黒点数・48ヶ月(4年分)を表示(©国立天文台)。

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2020年06月は平均7.19個、  北は0.00、  南で7.19

2020年05月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年04月は平均4.52個、  北は1.52、  南で3.00

2020年03月は平均0.55個、  北は0.00、  南で0.55

2020年02月は平均0.52個、  北は0.52、  南で0.00

2020年01月は平均4.60個、  北は2.40、  南で2.20

 

おぉ〜、南半球で力強く黒点が出ています、このまま、GoGoGo!ですね?

 

米国宇宙気象センターさんのグラフを追加しました

[Solar Cycle Progression | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] より:

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2020年6月の黒点数を確定値 5.8(予測値1.0であった)としています、三鷹さんの7.19とは大分ズレがあります、この原因は後ほど追います

ですが、将来の予測が入っていて見やすいです、今後はこのグラフもアタッチ致します

黒ブルーのラインが実測値で赤いラインが13ヶ月移動平均値だと思いますが、確定値と予測値が、実測値なのか13ヶ月移動平均値なのかどうか(現在の6月の値と言えど将来の予測値を使えば13ヶ月移動平均値は出るので)、詳細は今スグに分かりません、5.8と7.19のズレ原因がこれである可能性もあります、7月度の報告をする迄には調べておきます

私、最近、米国宇宙気象センターさんのファンになっておりまして、グラフが素晴らしいからなのですが、他にも面白いグラフがあればドンドン上げて行きます

 

 

 

 

6月度黒点数について、三鷹さんの見解が待たれます

三鷹さん、観測及び見解の方、よろしくお願い申し上げます

 

 

以上です

 

 本ブログにご興味のある方は「読者」登録されますと、更新時にメッセージが届きますので、たいへん便利かと存じます。

 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia

 



 

7月度その6:オーロラ・シリーズ ➡ オーロラ発光ではない、スティーブ発光現象とは!

オーロラ・シリーズ ➡ オーロラ発光ではない、スティーブ発光現象とは!

 

 

 今回のオーロラ・シリーズは一回でオシマイです、等と言っておきながら、の続編です、と申しますのも、多彩にして多才なる才能を発揮するブロガー「雷理(id:hentekomura)さん」から、昨日、以下のコメントを頂戴しまして:

以前「オーロラチェイサーズ」について書かせていただいたことがあるのですが オーロラは奥が深くて、、、

 そうでした、コレ、2019年10月の記事「スティーヴ」ですね!

curiosity-z.rairi.xyz

Wiki [スティーブ (大気現象) - Wikipedia] によれば、確かに、オーロラとは異なる(正体のよくわかっていないこの異常な「オーロラ」)と書かれています

そこで、今回は、スティーブの正体はコレではないか?と思われるアイディアを一つ述べさせて頂きたく、単なる可能性のお話で恐縮ですが、お付き合い頂ければ幸いです

 

 上記Wiki [スティーブ (大気現象) - Wikipedia] から引っ張って来ますと:

ティーブは、紫色に輝く光の帯が夜空にみられる大気の発光現象。

ティーブは幅およそ25kmで東西に伸びる高温気体の帯で、地上300kmでの温度は3,000度も上昇し、流速はスティーブの外側の気体が10m/s程度なのに対し、スティーブ内は6km/sと桁違いに速い。スティーブは、実は普遍的に発生している現象だが、最近までその存在は全くと言ってよい程知られていなかった

2015年8月17日ににカナダ・アルバータ州リトルボウ・リゾートで撮影されたスティーブの画像(エルフィ・ホール撮影)

発見者は当初これを、「プロトンアーク」と呼ばれる陽子のオーロラ現象である、と思っていたが、違いが指摘されたのである(陽子オーロラは肉眼でみえる現象ではない、そうだ)、そして:

ティーブの光は、一見オーロラ状にみえるが、通常のオーロラとは色や持続時間、観測できる場所といった特徴が明らかに異なっている

即ち:

● スティーブは、オーロラよりも赤道寄りの地域でみることができ、イギリス、カナダ、アラスカ、アメリカ北部、ニュージーランドで観測が報告されている。

● スティーブは、東西方向に何百km、何千kmにもわたって細長く伸びてみえる。

● スティーブが観測されたときは、必ずオーロラも出現している(オーロラには、スティーブを伴わないものがある)。

● スティーブは、10月から2月の間は観測報告がなくNASAはスティーブが特定の季節に起こる現象かもしれないとしている。

 

 もう、ここまで読めば、その可能性はひとつしか無い! 即ち:

ヴァン・アレン内側のイオン・ベルトである

ヴァン・アレン帯の二重構造。内側の赤色の領域は陽子が多く、灰色の領域は電子が多い。

ヴァン・アレンが、プラズマシートから降下してくるプラズマにより圧迫されて内側の陽子が多い領域が降下し、ヴァン・アレン帯のプラズマは東西方向に回転しているので、電離層で大気と衝突し東西に長く数千キロのも延びた発光現象を生ずるのである、従って、発生する場所もオーロラより赤道寄りで、かつ、オーロラが発生する時期と重なる

ティーブは、夜間でのみ観測されているハズであり、かつ、通常のオーロラより赤道側でのみ観測されるハズである

何故、3月から9月にのみ観測されるのか、は分からない(私には)

 

 ここで、Wikiには:

これらの特徴は、スティーブが、電離層の狭い緯度幅にみられる西向きの高速イオン流「サブオーロラ帯イオンドリフト(Subauroral Ion Drift、SAID)」に関係した現象であることを示唆する

と最後に書かれているので、ヴァン・アレン帯の降下に伴う発光現象ではない可能性も十分にある(私は、サブオーロラ帯イオンドリフトなる現象を知らないのですが、地球磁力線に沿って南北の地球磁極へ向かって降下するプラズマが引き起こすオーロラ現象に、南北と直交する数千キロにも及ぶ東西方向の運動が期待できるのでしょうか、ドリフトで?)

 

加えて、生ずるひとつ疑問は:

ティーブは、10月から2月の間は観測報告がなく、

とありましたが、ニュージーランドでも3月から9月に観測されるのでしょうか?

 

以上、単なる可能性の話で、お時間を賜り、誠にありがとう御座いました

感謝です m(_ _)m

 

 

7月度その5:オーロラ・シリーズ ➡ 30分後の状態を予測する、米国オーロラ予報サイトを知る!⬅ 驚愕の追記あり!!

オーロラ・シリーズ ➡ 30分後の状態を予測する、米国オーロラ予報サイトを知る!⬅ 驚愕の追記あり!!

 

 最初に目的を申し上げますと、米国にある宇宙気象サイトの中にオーロラ予報サイトなるモノがありまして、それをもって「オーロラの生因」を理解しよう、加えて地球磁気圏を理解し地震予測の観点から考察しよう、とするもので、1回で完結します、で、まずはそのオーロラ予報サイトですが:

[Aurora - 30 minute forecast | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center]

でして、今、私がこの記事を書いているのが世界標準時で 2020-07-10 07:50 で、予測される30分後 2020-07-10 08:20 における(UTとは世界標準時の事)

 

驚愕の追記:2020/07/10 18:57

コピペした下記画像のアクセス時刻(右下)と30分後の予測時刻(右上)のUT時刻が生きています、刻々と約5分単位で画像も変化しています

凄いですね、米国宇宙気象センターさん、そこまでやるか!の感があります、アメリカの底力ってヤツですね

 

 北極サイドのオーロラ状態予測がコレ

North Auroral Forecast Image

南極サイドのオーロラ状態予測がコレ

South Auroral Forecast Image

という代物で、リアルタイムに30分後に見えるであろう両極のオーロラ状態を表示しています!

今北半球は夏なので、南極の方がオーロラは良く出る(見える)という訳です

 

 何故、こんなコトが出来るの?と言えば、それはシミュレーションをしているからであって、天気予報と全く同じ、です、で、シミュレーションをするには必ずモデルが必要でして、それを彼らは:

OVATION-Prime Model

と称しています、これは、P. Newellさんがジョン・ホプキンス大学応用物理研究所で開発したモデルだそうで、2009年初版の以下参考書に詳細説明がありますが、かなり長いです

https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2009JA014326

そこでエイヤァ〜っと要約すれば、このシミュレータで重要と思われる点は:

1. 太陽風を直接入力としている

地球から約150万km上空で太陽と地球の重力が釣り合うラグランジュ・ポイントL1における衛星からの太陽風データをリアルタイムで入力している、これには驚いた、何と太陽風の変化を検出して30分後にはオーロラ状態に結果が反映される、という事になる

2. 電離層における降下モデルである

シミュレーションの場は電離層であり、盛んに「降下モデル」という言葉を使っている、これは、地球磁力線に沿って太陽風の電子またはイオンが南北両極に向かって降下し、電離層において窒素または酸素を発光させるメカニズムである、という事なのだろう

3. 観測事実と一致している

これは、まぁ、そういう前提で今後の話を進めます

 

 さて、これで地球磁気圏内において、夜間側にのみ存在するプラズマシート、バンアレン帯、そして電離層、とオーロラ発生と関係が有ると思われる3プラズマ形態が有るのですが、高度の関係でまとめてみると(ここで、絵の才が有る人であれば絵でまとめるだろうが、私には無いので文章で、地上からの距離で):

プラズマシート: 20,000km〜400,000km、赤道面の厚さ、夜間のみ、極地で厚み有り

バンアレン帯   : 2,000km〜20,000km、赤道面の厚さ、極地で厚みゼロ

電離層・昼間   : 90km〜800km、昼間オーロラはここで発光

電離層・夜間   : 60km〜800km、夜間オーロラはここで発光

プラズマシートに関してはJAXAさんの [研究プロジェクト - 初めて宇宙プラズマに接する方へ] が分かりやすく

磁気圏赤道面

そうして、夜間部プラズマ尾部からは地球に向かってプラズマ流が発生している、この図では明確に示されていないが、プラズマシートから地球極地へ向かってプラズマ流が進入しています

 

 さて、地球と太陽の間で地上 1,500,000kmポイントで観測された太陽風のプラズマ流変化が、30分後には両極地の電離層に降下してオーロラ発光させています、ここでシミュレーション結果が正しいとすれば特に夜間部側でのみ降下しているとは思えない、円環状にほとんど等しく降下していると思える、そこで太陽風の電離層極地への進入ルートを探ってみると、Wiki [磁気圏 - Wikipedia] より:

左下に”Polar cusp”とあるのが「極のトンガリ」の意味で、昼間ここから太陽風が入り込む

一方、右側紫色の"Plasma sheet"は地球磁極近くで夜間部に地球へ到達している

両者合わせると、地球磁極を中心に同心円状に電離層へ降下して来る図、となる、上図は解像度が今ひとつで、より高解像な図を貼り付けると、

恐らく、これが現在のオーロラ発光の原因たる太陽風プラズマ流の地球電離層両極地への降下に関する進入ルートのモデルであり、オーロラ帯は両磁極を中心に楕円ドーナッツ状に発生します

オーロラ帯は地磁気極を中心とする楕円である。青点は北極点、赤点は地磁気極。

 

* 今後の展開、地震予測への展開:

1. 最先端のオーロラ・シミュレーション・モデルが採用している太陽風進入ルートが分かった、この後、オーロラには4タイプあるようで、それは昼間と夜間で異なるようだが、オーロラのタイプ区別に興味はないので、申し訳ありませんが、割愛させて頂いて

尚、疑問であったバンアレン帯のオーロラへの関与ですが、極地部分で厚さゼロとなるバンアレン帯は直接関与していない、が現在のモデルであろうと思われます

 

2. 驚きは太陽風の変化を検出して30分後には昼間・夜間を問わずオーロラ発光の予報が出て来る事で、夜間のプラズマシート経由の方が少し遅れるのでは?などと思ったりするのだが、予報を出すレベルでは支障の無い範囲と理解しておきます

 

3. 今回の調査で明らかになったのは(私としての意ですが)、L1ポイントにおける太陽風観測衛星です、私は地震の予測を別サイトで行っている関係上、地球磁気圏への影響には興味があり、話が逸れて大変申し訳ないおですが、観測ポイントをまとめると:

A. 太陽風の観測衛星: L1ポイント太陽ー地球間の1,500,000km上空

B. 電離圏電子密度の観測:NICT情報通信研究機構さんより、上の図で中央一番右に出ている密度最高ポイントが高度約130km、

f:id:yoshihide-sugiura:20200710171423p:plain

電離圏は電子密度に応じた周波数の電波を反射する性質があり、地上から周波数を変えながら電波を発射し、電離圏からの反射エコーの帰ってくる時間を計測することにより電子密度高度分布がわかります。観測された反射エコーはイオノグラムと呼ばれる画像データとして保存されます。電離圏の状態は低緯度・中緯度・高緯度で特徴的な違いがあり、我々はこれらに対応する東南アジア~日本~南極という世界の様々な場所で観測を展開しています。

NICTさんでは、

北海道(サロベツ)、東京(国分寺)、鹿児島(山川)、沖縄(大宜味)

にて電離圏の垂直観測を行っているとの事で、列島の場所固有の変動を見るには良いかもしれない(太陽風L1ポイントはグローバル過ぎるように思えるので)

C.  地磁気の観測:気象庁さんより

地磁気観測所は、気象庁に所属する機関(施設等機関)の一つとして、地球磁気、地球電気に関する観測および調査を担当しています。柿岡(茨城県石岡市)に本所、大空町女満別(北海道)と鹿屋市(鹿児島県)に、それぞれ女満別観測施設、鹿屋観測施設を置き、世界各国の観測所と連携しながら、地磁気・地電流・空中電気の定常的な観測を行っています。また、父島(東京都小笠原村)にも観測点を設置し、地磁気を観測しています。

これも北海道、茨城、鹿児島、と分散しているので地域的特徴を検出出来る可能性がありそうです

 

4. 私が、何故、上記電離層(NICTさんは電離圏と称す、この方が正しいのだろう、ナントカ・フェアの時代なのである、電離圏はイオノスフェアなのである)観測ポイントをまとめたのか?というと、電離圏電子密度の変動と巨大地震との相関が指摘されているからです:

Wiki [電離層 - Wikipedia] より、

北海道大学の日置幸介教授(地球物理学)の調査によると、2011年3月の東北地方太平洋沖地震発生の40分前から、震源域上空において電離層の電子密度が周囲より最大1割ほど高くなっていた事が確認されている。2010年のチリ地震(M8.8)、2004年のスマトラ島沖地震(M9.1)においても、同様の変化が起きている。ただし、2003年の十勝沖地震(M8.0)では微増だった。

最大1割の変動で発生40分前の相関、というのを監視するのは事実上不可能に近い、とは思いますが、、、

この電離圏の電子密度はTotal Electron Content(TEC)と呼ばれ、

Total Electron Content

やはりこれも冒頭に述べた米国の宇宙気象サイトで見る事が出来ます

 

* 最後に:

オーロラから地球磁気圏そのものと地震予測へと話題を移してしまい、誠に申し訳なかったのですが、地震予測の観点から上記A/B/Cと地震との相関は一度検討してみたいと考えています

 

以上、読みづらい内容にお付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

深く感謝です m(_ _)m

 

7月度その4:木星衝合と巨大地震の相関シリーズ ➡ 2020/06/30 イタリア・中国・メキシコの状況を追う!

木星衝合と巨大地震の相関シリーズ ➡ 2020/06/30 イタリア・中国・メキシコの状況を追う!

 

月一回の「木星衝合と巨大地震の相関シリーズ」報告です

木星衝合の日時は、国立天文台の暦計算室さんのサイト [天象 - 国立天文台暦計算室] から求めています、地震データはUSGSを使いますので、国立天文台さんの時刻表示(日本標準時)を世界標準時(UTS)に変換して解析しています

ちなみに、現在は「衝の前半部分に突入」しております:

[:"20200526", :NA, :衝_前半部_49日]  前半部が開始する日
[:"20200714", :"07:58", :衝]      次の衝の日、時刻はUTS時間
[:"20200901", :NA, :衝_後半部_49日]  後半部が終了する日

本日は、2020/06/30までの4年間における巨大地震発生と木星衝合の相関グラフを示します

尚、木星衝合の説明は一番下にあります

 

 

イタリア領域:

北緯35°〜北緯45°、東経10°〜東経25°、4年間をM5.8以上で測定

同日多発震なし、但し、イタリアでは非常に近い場所で3発震している

f:id:yoshihide-sugiura:20200507231950p:plain

内訳はイタリア4件、ギリシャ2件、アルバニア1件、合計7件のうち7件が衝合期間内の発震で比率  100%

f:id:yoshihide-sugiura:20200705182428p:plain

このグラフでは7発震すべて合の期間で発生しています、偶然でしょうか

 

中国領域:

北緯15°〜北緯35°、東経85°〜東経105°、4年間をM5.8以上で測定

同日多発震なし、一番右E105°上は2019/06/17四川で発生したM5.8,深さ6km

f:id:yoshihide-sugiura:20200508193949p:plain

内訳は中国5件、ミャンマー3件、インド1件、タイ1件、合計10件のうち7件が衝合期間内の発震で比率  70%

f:id:yoshihide-sugiura:20200705182455p:plain

この領域では中国に次いでミャンマーでの発震が目立ちます、インド亜大陸の北進によりヒマラヤ山脈が造山され、結果、東側に褶曲山脈が形成されて圧力を掛けている事がマップから分かります(泥流が流れ出て来る様子)

 

メキシコ領域:

北緯5°〜北緯20°、西経100°〜西経75°、4年間をM5.9以上で測定

同日2発震あり、N15°一番左は2017/09/08チアパス地震でM8.2,深さ47km

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内訳はメキシコ9件、エルサルバドル6件、ガテマラ3件、コスタリカ3件、ホンジュラス2件、コロンビア2件、ニカラグア1件、ケーマン諸島1件、ジャマイカ1件、パナマ1件、合計29件のうち19発震が衝合期間内の発震で ➡ 66%

メキシコでは、2020.6.23にM7.4がこの衝期間内に発生しています

20200623 :mexico, 15.92, -95.95, 20, 7.4, :"\"12km E of Santa Maria Xadani, Mexico\""

上図マップで北緯15°西経95°コーナの左上がそうです

f:id:yoshihide-sugiura:20200705183347p:plain

メキシコ領域は発震数が29と多いので極めて重要です、イタリア7件、中国10件、日本の西域_時系列も7件、と他の領域では事例数が少ないので発震比率で相関があるように見えても「それは偶然では?」となるからです

衝合内_発震比率グラフ:

f:id:yoshihide-sugiura:20200705184544p:plain

2020/03/31データ(Mar2020)比率を起点とし、月単位で追加更新

イタリア・中国・メキシコ衝合期間内の発震比率%を示す

棒グラフ下の数字は、衝合期間内_発震数 / 発震総数

赤い点線は68%位置、正規分布標準偏差に相当

6月の結果は5月と比べ、メキシコでM7.4が衝期間内に発生し、左側から衝合期間外の1件がフェードアウトし、総数は29で変化なく比率は62%から66%へ上昇しました

このグラフは6ヶ月分くらいは入るかな?と考えており、6ヶ月を越えたら順次左からフェードアウトさせる予定です(常に直近6ヶ月を表示、となります)

 

考察:

一番重要と思われるのが上記グラフで、ここで60%以上がそれなりに続けば相関アリという事でしょう、相関が無ければ40%以下が出て、平均比率は50%に漸近する、と思われます

これは長く観測する必要があります、まぁ、数年は、、、という事です

月一回の報告で、太陽黒点シリーズが終えてから、毎月10日前後のアップを予定しております

今後とも、よろしくお願い致します m(_ _)m

 

 

木星の衝合の説明:

木星の衝と合とは、国立天文台さん [暦Wiki/惑星/合と衝 - 国立天文台暦計算室] より、衝は外惑星についてのみ起こる現象で、太陽・地球・外惑星がその順に直線に並ぶ状態です

f:id:yoshihide-sugiura:20200604174501p:plain

木星は約12年で太陽を公転しており、地球は1年で公転、衝は約1年に1回出現、正反対の合も約1年に1回出現、衝と合をあわせて2回/約1年出現で、衝の地球と木星の距離は約5.0au、合では約7.0au(auは太陽と地球の距離)となります

国立天文台の暦計算室さんのサイト [天象 - 国立天文台暦計算室] から木星の衝合日付を求め、48日/49日/50日の前半部と後半部を足した期間(約100日)内にイタリア領域/中国領域/メキシコ領域内でM5.8/M5.8/M5.9以上発震があったかどうか?をUSGSデータから調べています

国立天文台の暦計算室さんのサイトは日本標準時で公開されていますので、世界標準時(UTS)に変換して解析しています  

 

尚、本シリーズは日本の地震を取り扱う私の別ブログ:

[地震の予測マップとヒストグラム]

とも関係しています、ご興味のある方は、ご参照頂ければ幸いです

よろしくお願い致します m(_ _)m 

 

 

 

 

 

以上です

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia