なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

3月度その23:地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転アルゴリズム!

地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転アルゴリズム

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難し過ぎるからです

 

現在は、各サイトさんから地球磁極に関する記事を紹介させて頂き、まだまだ知見を増やすステージである、との認識でおります

しかし、本日は逆転のアルゴリズムに一条の光が見えたか?と思われましたので、ご報告です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

地球表面の磁場強度マップ2020年ESA):

地表の磁場強度分布図、青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極位置をNOAAより緑丸で追加

 

当ブログの磁極逆転モデルを示せば:

1.地球は巨大な1ビット・メモリーであり、内核の鉄単結晶が南北どちらかの極性をロックし双極子磁場(棒磁石)として記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能、書き換えは外核液体鉄が上層部では鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態となり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した場合に書き換わる

従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可能で、カオスとしてよい

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3.課題は内核の固体化は約15億年前とされており、約35億年前の地磁気痕跡が見つかっている事から、液体コアのみによる双極子磁場モデルが求められる

 

 

 

 

地球磁極の逆転アルゴリズム

(1)まず、地球コアは、鉄Feイオン&電子から成る流体プラズマ状態の乱流領域(外核)と液体鉄から成る対流領域(外核)と、単結晶の鉄から成る内核、から構成されるの図

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(2)地球の磁気双極子(棒磁石の事)における磁力線は(現在は)地球内部を北極から南極へ向かって地球を突き抜け、地殻の外に出て地球磁気圏を形成し、再び北極へ戻って来ているのである(磁力線は必ずループで閉じる!

ここで、コア外核の赤道部分に着目すれば、磁力線は外核の乱流領域とマントルの間で小さくループさせ閉じているの図

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(3)乱流プラズマ領域では、乱流が原因で磁力線ループの内側にインナーループが偶然に形成される場合があるの図

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乱流領域は鉄Feイオンと電子の乱流プラズマ状態であって、このインナーループが、やがて磁気リコネクションを引き起こす

 

(4)磁気リコネクションを起こすと、インナーとアウターのループで競合を起こし、コアに近いインナーの方が磁場が強いので打ち勝ち、結果としてインナーループが生き残るの図

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ここでインナーにより形成された新しい磁力線ループを見ると、従来(アウター)とは逆方向磁力線ループである事が分かる、即ち、局所的ではあるが磁極が逆転したのである!

 

(5)形成された逆転磁力線ループは対流領域に乗って極へ向かう、この例では南に向かうとした図

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この動作と(完全に同じではないが)コリオリの力による同様の動作を行っているのが、次に述べる地球大気の循環なのである

 

(6)[大気循環 - Wikipedia] より、大気の循環は南北対称で、赤道からハドレー循環・中緯度循環・極地循環となるの図

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By Kaidor

上の大気循環図と下の磁場強度図を比べてみれば、コア外核で逆転発生した(複数の)逆方向磁力線ループが南極方向に運ばれ、現在の磁力線とは反対方向の磁力線を強め、南米中央から南大西洋に「南大西洋の磁気異常(磁気強度が異常に弱い)」を引き起こしている事態が容易に理解できるのである!

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下の磁場強度図の青い部分の形状は、上の大気循環図の南米中央から南大西洋にかけて表示されている循環矢印と完全に相似形をしているのである

 

 

まとめ:

1.コア外核の赤道付近にはマントルで閉じる半径の小さな磁力線ループが存在し、これがコア外核の乱流プラズマ領域にてインナーループを形成し、これが磁気リコネクションを引き起こし、結果、逆転した磁力線ループが形成され、この逆磁力線ループはコア外核の対流領域に乗って極方向へ向かう動きとなる事を示した

2.本逆磁力線ループの発生は乱流が原因であるから偶然であり、それが複数発生するというのも偶然の偶然ではあるが、極方向へ向かう動作は、現在ミステリーと言われている「南大西洋の磁気異常」をよく説明している

3.このような磁気異常が南半球のみならず北半球でも発生し、加えて複数ヶ所でも発生するような事態になれば、地磁気逆転、となるのだろう

4.これは、あくまでも本サイトにおいて可能性のある地磁気逆転のアルゴリズムを思考した結果を示したものである

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その22:地球磁極の不思議シリーズ➡NASAから磁気リコネクションのプレゼント!

地球磁極の不思議シリーズ➡NASAから磁気リコネクションのプレゼント!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難し過ぎるからです

 

現在は、各サイトさんから地球磁極に関する記事を紹介させて頂き、まだまだ知見を増やすステージである、との認識でおります

ですが、基本となる地球磁場強度の観測情報と本サイトが考える磁極逆転モデルは常設させて頂いております

で、本日は磁気リコネクションについてNASAさん動画のアップです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

地球表面の磁場強度マップ2020年ESA):

地表の磁場強度分布図、青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極位置をNOAAより緑丸で追加

 

当ブログの磁極逆転モデルを示せば:

1.地球は巨大な1ビット・メモリーであり、内核の鉄単結晶が南北どちらかの極性をロックし双極子磁場(棒磁石)として記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能である、書き換えは外核の液体鉄が鉄イオンと電子のプラズマ流体となり、磁力線の凍結が生じ、これが外核上層部の乱流に近い対流現象のなかで磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した場合に書き換わる(磁極を逆転させる)

従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可能で、カオスとしてよい

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3.課題は内核の固体化は約15億年前とされており、約35億年前の地磁気痕跡が見つかっている事から、液体コアのみによる双極子磁場モデルが求められる

 

 

 

磁気リコネクションです:

(1)最もシンプルな動作と記述は、Wiki より、

By Chamou JacoN

プラズマは上下からインフローとなり中央領域に入る(薄黄色の⬇⬆)。中央領域で磁気は再結合し、プラズマが左右へアウトフロー(リコネクション・ジェット)として出ていく(薄黄色の⬅ ➡)。

という事なのですが、具体的な動作イメージは今ひとつ湧いて来ない

 

 

(2)具体例として最も分かりやすいのが、地球磁場圏が太陽風を浴びてつくり出すテール部における磁気リコネクションだろうと思われます

[NASA - Magnetic Reconnection - YouTube] より

全体で49秒、無音声の動画で2011年のアップです

www.youtube.com

太陽風(陽子と電子のプラズマ)を浴びた地球磁気圏のテール部(中央右側)が、磁気リコネクションを起こし、プラズマ流が地球極地へリコネクション・ジェットとして舞い戻りオーロラを発生させている様子が分かります

 

 

(3)そうして、太陽風と地球磁気圏が最初に衝突する領域を「乱流プラズマ空間」として扱った動画の出現となります(2018年)、サイトは

[GMS: NASA Spacecraft Finds New Magnetic Process in Turbulent Space]

であり、全体で3分23秒の動画をYoutubeからアップ致しますと:

www.youtube.comCredit: NASA's Goddard Space Flight Center/Joy Ng

 

例によって長いので、要所要所をスクショし説明しますと:

図1:0分12秒、太陽から地球に延びる太陽磁力線にまとわり付くように太陽風プラズマ(陽子と電子)は地球に向かって来るの図

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太陽風は、太陽磁力線に沿って飛んで来きます

 

図2:0分27秒、4基の磁気多次元衛星MMSが観測を開始したの図

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衛星4基で多次元の観測が可能となりました(ESAのSwarmは3基)

 

図3:0分31秒、MMSが発見した磁気乱流領域の図

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MMSは、新たに磁気の乱流領域が太陽と地球の間に存在している事を発見しました

 

図4:0分32秒、それは磁気の覆い(Magnetosheath)と称される領域に存在するの図

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太陽風が地球磁気圏と最初にぶつかる領域がそれで、磁気の覆いと呼ばれる黄色で示される乱流領域です

以上がこの動画の要約です

 

もう少し詳しく動画が続いて、

図5:0分47秒、太陽風は太陽磁力線に沿って螺旋状に回転しながら飛来して来るの図

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図に太陽磁力線は明示されていない

 

図6:0分57秒、地球に襲いかかる太陽風の図

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太陽風は陽子と電子のプラズマ状態となっている

 

図7:0分59秒、高エネルギーの太陽風から地球を懸命にガードする地球磁気圏の図

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太陽風のエネルギーを受けて地球磁気圏は後方に伸びる、地球を通り過ぎた太陽風はなおも地球後方の磁気圏を取り囲み地球磁気圏を圧迫するのである

 

図8:1分10秒、後方に延びた地球磁気圏のテール部は太陽風に上下(周囲です)から圧縮され磁気リコネクションを起こすの図

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リコネクション・ジェットは、地球両極サイドへ向かうと共に反対方向へも向かいます

 

図9:1分43秒、4基のMMSが新たに発見した磁気乱流を起こす「磁気の覆い」領域の図

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それは、太陽風と地球磁気圏の間に存在していた

 

図10:1分49秒、「磁気の覆い」の中はプラズマが乱流しておりカオス状態であるの図

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これを乱流プラズマ(Tuebulent Plasma)と言います、が、この図は、次のMMS衛星による観測結果にもとずくイメージ図だろう?と思えます

 

図11:2分7秒、4基のMMS衛星が多次元から観測し磁気リコネクションによるエネルギー・バーストを観測しているの図

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オシマイ!

 

 

まとめ:

今回、NASAのサイトで「磁気の覆い」領域が存在し、そこは「乱流プラズマ」で満たされており、磁気リコネクションによるバースト・エネルギーが充満している事を知ったのは大きかった(動画は2018年の開示)

恐らく、地球コア外核も同様かそれ以上のカオス状態であろう、この「磁気の覆い」観測を続ける事により、地球コア外核が作用する地磁気逆転のヒントが得られるのではないか、と思えます

次なる課題は、乱流プラズマの中で、偶然で構わないのだが、いかにして磁力線が増幅され成長し得るのか?そのアルゴリズムを知りたい、という事になります

磁力線はより長く伸びる必要はなく、より並列に揃う事で磁場強度は増大しますから、いかにして偶然に逆方向に磁力線が多数並び揃うのか?という事に尽きます

 

そして感想:

太陽がなければ我々は存在しないのだけれども、太陽があってもその存在は偉大すぎて地球上の生命をおびやかす面が多々あるのだけれども、どうしてこんなに上手に生命をはぐくむシステムが出来上がっているのだろう?といつも不思議に思います

これは偶然とは思えないのです、私には・・・

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その21:地球磁極の不思議シリーズ➡月の磁場について!➡追記あり!➡追記2あり!

地球磁極の不思議シリーズ➡月の磁場について!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎるからです

 

現在は、各サイトさんから地球磁極に関する記事を紹介させて頂き、まだまだ知見を増やすステージである、との認識でおります

ですが、基本となる地球磁場の観測情報と本サイトが考える磁極逆転モデルは常設させて頂いております

で、本日は月の磁場についての知見です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

地球表面の磁場強度マップ2020年ESA):

地表の磁場強度分布図、青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で追加

磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所(磁北極直下はそれほど強くない!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場、これは最も基本的な観測事実です

 

当ブログの磁極逆転モデルを示せば:

1.地球は巨大な1ビット・メモリーであり、地球コア内核の鉄単結晶が南北どちらかの方向に極性をロックし双極子磁場(棒磁石)として記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能である、書き換えは地球コア外核の液体鉄が鉄イオンと電子のプラズマ流体となり、磁力線の凍結が生じ、これが外核の乱流に近い対流現象のなかで磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で充分なエネルギーに達した時に偶然に書き換わる(磁極を逆転させる)

従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり、予測不可能であって、カオスとしてよい

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3.課題としては地球コア内核の固体化は約15億年前とされており、約35億年前の地磁気痕跡が見つかっている事から、液体コアのみによる地球の双極子磁場モデルが求められる

 

 

 

 

以下は、主として [月の磁場 - Wikipedia] より

月には磁場がある

ここで、まず月に関して基本的な事項をアップ致しますと:

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まず月と地球の間の距離は38万4,400km、これに対し地球の直径は1万2,756km、月の直径は3,474km、である

月には秤動(ひょうどう)が見られ、

このgifは27日分の月の映像を時間を縮めて表示し、月の見かけ上の揺れ(これを秤動と言う)の様子を示す、月が楕円軌道を巡り地球との距離が変わるので、見かけの大きさも変化する、のである(なるほど、です!)

月の表面と裏面を示そう

 

表面と裏面、裏面には黒っぽく見える海が少ない

ここで、月の北極面と南極面を示そう

 

北極面のクレータは渦巻いているように見えます、南極面はそこまで渦巻いている印象はありませんが、明らかに南極面の方がクレータサイズは大きい(これらの事は、初めて知りました!)

 

月はどうやって出来たか?ですが、ジャイアント・インパクト説が現在は有力で、それによれば:

地球が46億年前に形成されてから間もなく火星とほぼ同じ大きさ(直径が地球の約半分)の原始惑星(月の元となった惑星をTheiaティアと称する場合がある)が斜めに衝突した、とするもの(なぜ斜めか?と言うと、正面では地球が破壊されていたから!)

これは、ティアはラグランジュ・ポイントL4という地球軌道上で他の小惑星が集積しやすい場所で集積し成長してから衝突した、とするもので、

テイアが地球の L4点で形成され、移動し衝突するアニメーション、このアニメーションでは地球を固定している

アポロが持ち帰った月の岩石の化学的な調査の結果、採取された岩石には揮発性物質や軽元素がほとんど含まれていないことが分かり、それらが気化してしまうほどの極端な高温状態で形成されたという結論が導かれた

月面に置かれた地震計(月震計)からニッケルや鉄でできた核の大きさが測定され、地球と月が同時に(独立に)形成されたと考えた場合に予測される大きさに比べて実際の核の大きさが非常に小さいことが分かった

核が小さいということは衝突により月が形成されたとする説の予測と一致する。それは、この説では、月は大部分が衝突した天体のマントル、一部が地球のマントルから形成され、核はほとんど寄与しないと考えられるからである。

ジャイアント・インパクト直後には地球は全体が高温になりマグマの海(マグマオーシャン)が形成されたと考えられており、衝突した天体の核は融けた地球の深部へ沈んでいき地球の核と合体したと考えられている。

 

そうして、月には磁場がある、のである

月は地球のものと比べると、非常に弱い外部磁場を持つ。その主な違いは、月は双極子磁場を持たず、現在の磁場は地殻起源であることである。

By Mark A.Wieczorek、ルナ・プロスペクターの電子反射率計実験による月表面の磁場の強さ

月のような大気を持たない天体では、大きな隕石衝突があると一時的な磁場が生成しうる。これを支持する証拠の1つとして、最も大きな地殻磁場は巨大な衝突盆地の対蹠地(たいせき地と読む、ある場所とは180°逆に位置する場所、上図ではFar Side裏面の赤領域に当たる)付近にある。このような現象は、衝突によりプラズマ雲が月の周りに広がることに由来すると考えられている。

 

しかしながら、月が出来上がった直後には地球と同じように双極子磁場が存在しており、現在の月の磁場はその時代の名残である、とする説も(当然ながら)あり地球と月はかって磁気シールドを共有していた [Earth and Moon Once Shared a Magnetic Shield | NASA] によれば:

https://www.nasa.gov/sites/default/files/thumbnails/image/magfield1a.jpg

月が磁場を持っていた時代には、上図で示すように太陽風から(月自身を)磁気シールドで守っていたと考えられる、Credits: NASA

https://www.nasa.gov/sites/default/files/thumbnails/image/magfield2.jpg

そして、数十億年前には、地球と月の磁場は連結され、太陽風の粒子(陽子と電子)によるダメージから大気をガードしていた事を示す図、Credits: NASA

とする説である

追記:2021/03/23 23:00

上図で月と地球のN/S関係を考えてみよう、地球は現在北がS極で南がN極であるから上図でもそうであるとして、磁力線は必ずN極➡S極であるから、月の北がN極で地球の北がS極となる

即ち、月と地球の双極子(要するに棒磁石)磁極方向は逆転していた、という事になる!

ふむ〜、何かを意味しているのだろうか?

追記2:2021/03/24 07:30

オーロラ動作を調べた所(太陽磁場と地球磁場の関係は、上図のように太陽NSと地球SNが逆関係に22年単位でなる)この状況では月と地球の間の凹んだ部分で磁気リコネクションを起こしやすくなる(そうすると22年単位でオーロラは出現しやすくなるのか?と言うとそうでもない、この辺りがオーロラの難しい所)とありました

確かに、そうだと思います!

追記終わり

 

という訳で、水星には双極子磁場がある、火星には双極子磁場の名残がある、月には少なくとも地殻磁場がある、金星に磁場は無い、となります

 

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その20:地球磁極の不思議シリーズ➡地磁気の形成と生命の進化!

地球磁極の不思議シリーズ➡地磁気の形成と生命の進化!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております

 

先日の記事「3月度その19:地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転モデル! - なぜ地球磁極は逆転するのか?」にて最も簡素な地球磁極の逆転モデルをアップ致しましたが、そこで地磁気の進化(コア内核無しから有りへ)と生命の進化の相関に興味が出ました

ので、少し調べてみました

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

地球表面の磁場強度マップ2020年ESA):

地表の磁場強度分布図、青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で追加

磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所(磁北極直下はそれほど強くない!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場、これは最も基本的な観測事実です

 

当ブログの磁極逆転モデルを示せば:

1.地球は巨大な1ビット・メモリーであり、地球コア内核の鉄単結晶が南北どちらかの方向に極性をロックし棒磁石として記憶している

2.この1ビット・メモリー書き換え可能である、書き換えは地球コア外核の液体鉄が鉄イオンと電子のプラズマ流体となり、磁力線の凍結が生じ、これが外核の乱流に近い対流現象のなかで磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で充分なエネルギーに達した時に偶然に書き換わる(磁極を逆転させる)

従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり、予測不可能であって、カオスとしてよい

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3.課題としては地球コアの鉄固体化は約15億年前とされており、約35億年前の地磁気痕跡が見つかっている事から、鉄液体コアのみによる地球の棒磁石化モデルが求められる

尚、水星には磁場があり、金星には無く、火星には磁場のあった痕跡が見つかっている

 

 

生命の進化:

まずオゾン層が形成され始めた6億年前頃から現在に至る生命の進化は:

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とされ、植物が地上に現れたのが約5億年前である

 

ここで羊土社さん [第2回 地球から細胞が生まれた1|分子生物学WEB中継 生物の多様性と進化の驚異|実験医学online:羊土社] より植物に着眼した地球46億年の生命進化の図を見ると:

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羊土社さんの図に、コア内核無しと有りの時代を加え、第1回と2回のスノーボールアースの時期を加えてある、羊土社さんの図では地磁気の形成は約31億年前で私の調べた範囲では約35億年前で、少し違いはある

 

この図を見ると、コア内核が形成されて地磁気強度が強まり、太陽風に対する磁気シールドが強化されて約15億年前に葉緑体が海中で出現し、酸素濃度が向上し、オゾン層が形成されて紫外線が遮蔽されるようになって植物が地上に上陸した、と言える

シアノバクテリアは約27億年前に誕生しているので、コア内核の無い時代からストロマトライトによる酸素供給は始まっていた

 

ここで地磁気の観点からは、コア内核の無い時代と有る時代で、どの程度地磁気強度が強まったのか?に興味が湧きます(湧いています)、が、観測上は分からないだろうな、と思えます

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その19:地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転モデル!

地球磁極の不思議シリーズ➡地球磁極の逆転モデル!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております

 

振り返ってみますと、この黒点サイトを開始してこの4月で丁度3年になります、その間ほとんど地球磁極の逆転に関しては記事をアップ出来ず、太陽黒点に関する記事が多かったです

ですが、3年の間、漠然とではありますが地磁気逆転のメカニズムを考えておりましたので、ここで一旦まとめてみます

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず基本情報として地球表面の磁場強度マップ2020年です

地表の磁場強度分布図(ESAより)青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で示す

マップを見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が分かります(磁北極直下は弱い!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です

これは基本中の基本観測情報、です

 

 

1.地球は巨大な1ビット・メモリーである

記憶は、地球コア内核の鉄個体(鉄の単結晶と思われる)の磁性方向にロックされ、現在の記憶方向は磁北極がS状態である

 

2.この1ビット・メモリー書き換え可能である

書き換えは、地球コア外核の鉄流体によって行われる、鉄流体は鉄イオンと電子のプラズマ状態で対流しており、従って磁力線は凍結されており、凍結された磁力線同士の衝突により磁気リコネクションが発生し、磁力線が増幅された場合、かつ、それがその時の記憶方向と逆であり、かつ、書き換えのスレッシュホールド(閾値)を越えた場合に書き換えられる(磁極は逆転する)

 

3.外核コアの対流は乱流であり、従って書き換えの予測は難しくランダムに行われる、もしくはカオス状態である、と理解した方が現状に則している

但し、対流であるからコア外核はコア内核から暖められ、かつ、コア外核マントルから冷やされる構造を持つ(コア外核の温度差は上下で2800°Cある、下図参照)

以下「SPring8」さんより、地球内部の層構造と圧力温度を示す

図1.地球内部の層構造と圧力温度 

 

4.地球コア内核が形成されたのは15億年ほど前であろう、と考えられている、古地磁気極移動曲線の調査 [トピックス/富山大学理学部] さんより

https://www.sci.u-toyama.ac.jp/topics/images/topicsMar2012_2L.jpg

一方、地球磁場は約35億年前には形成されていた痕跡があり、この間35億年前から15億年前までの間における地磁気形成モデル(即ち鉄個体が存在しない、恐らく鉄流体のみの場合における地磁気形成モデル)を別途考える必要がある

現在、水星には磁場の存在が確認されており、恐らく個体コアは無いであろうと考えられている

火星にはかって磁場が存在したであろう痕跡が見受けられている

金星に磁場はない

このように他惑星、特に水星、の磁場を参考にする事が重要となるだろう 

 

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その18:地球磁極の不思議シリーズ➡その前に、太陽磁極の反転メカニズムを簡単に!

地球磁極の不思議シリーズ➡その前に、太陽磁極の反転メカニズムを簡単に!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております

 

本サイトのゴールは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、その前に「太陽磁極の反転メカニズム」をごくごく簡単にまとめておきたいと思います、何故ならこれは大変参考になるからです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず基本情報として地球表面の磁場強度マップ2020年です

地表の磁場強度分布図(ESAより)青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で示す

マップを見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が分かります(磁北極直下は弱い!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です

これは基本中の基本観測情報、です

 

 

太陽磁極反転に関しては幾つか動画サイトもあり、ポイントは対流層が形成する緯度方向の循環「子午面循環」なのですが、動画のシミュレーションを見ても、マズ分からない!

そこで、「太陽磁気流体力学・表面と内部とのダイナミックス」東京大学・横山央明さん他によるプレゼンテーション資料2012年8月@北海道支笏湖

https://www.gfd-dennou.org/seminars/gfdsemi/2012-08-19/02_yokoyama/pub-web/20120821_yokoyama.pdf

より抜粋させて頂く方が分かりやすいと思われ:

 

 

まず、太陽の内部構造ですが、

図1:太陽内部構造

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太陽表面の彩層の下にあるのが対流層です

 

図2:1975-2010年 太陽表面の磁場強度推移(緑線とマジェンダ線コメントは私が挿入)

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このように太陽表面では、黒点群が発生かつ増加し、その後ピークを経て黒点数は減少に転じ、黒点数ゼロの時に太陽両磁極が切り替わり、そしてこの時が太陽両磁極の磁場強度は最大となり、やがて再び黒点数が増加してゆく、これを約11年周期で繰り返すのである(この図はHathawayさんの実測値)

 

 

図3:対流層の上部表面に形成される極へ向かう流れの図f:id:yoshihide-sugiura:20210320092507p:plain

左の図は赤道を中心に高緯度ほど子午面還流の速度が大となる(または途中で飽和する)事を示す実測値、右の図は太陽内部へ向かって解析したシミュレーションによる循環図で表面の方が速度大である事を示す

この高緯度へ向かう流れに凍結された磁場が乗り、凍結された磁場はその時の極磁性とは反対磁性が支配的であり、凍結された磁場は極に蓄積され、やがて太陽の極磁性を反転させているのである

 

 

図4:輸送される凍結された磁場モデルによる太陽磁極反転のシミュレーション図

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右の図は実測値であり、左の図がシミュレーション図で、よく一致している事が分かる

こうして、輸送される凍結した磁場モデルにより、今日では太陽11年周期の磁極反転は理解されるようになっている(これは電磁流体力学MHDの世界なのである)

 

 

図5:ここで再び太陽内部構造の図

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図にコメントされているように太陽の対流セルはこんなに大きくなく綺麗でもなく、対流セルのシミュレーション動画を見ても理解しずらいのである(見てもマズ分からない)

 

 

ここで子午面還流とは、地球上の大気でもモチロン観測されており、

図6:[大気循環 - Wikipedia] より子午面還流の図

By commons.wikimedia

であって、緯度方向にコリオリの力によって傾きながら太陽の放射熱により大気を循環させている

冷却される加熱環境があれば、そして自転していればコリオリの力が加わって、子午面還流は発生するのである

 

 

さて:

地球コア外核では?

1.地球コア外核で太陽や地球に見られるほどの綺麗な子午面還流は期待しない方がイイと思うが、鉄流体であるコア外核においても少なくとも対流は仮定してもいいだろう、対流が生じているという事は熱循環が行われている、という事である、冷却機構を有している、という事である

2.最も重要なのが、地球コア外核も液体状態におけるプラズマ状態であり(太陽表層面のように)磁場の凍結が行われる、という仮定である

磁場の凍結はプラズマ状態でのみ形成される、からである

3.上記を仮定し、次に地球磁極の逆転モデルを考えてみよう

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です 

 

3月度その17:地球磁極の不思議シリーズ➡地球コアへの旅!

地球磁極の不思議シリーズ➡地球コアへの旅!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております

 

そこで、まず、サイエンスチャンネルさんの「地球の中心”コア”への旅」をご紹介したいと思います

しばらくは定期更新テーマの発掘などではなく、世界の地磁気サイトを勉強する段階なのである、という認識を新たにしている次第です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず基本情報として地球表面の磁場強度マップ2020年です

地表の磁場強度分布図(ESAより)青が弱く赤が強い

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2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で示す

マップを見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が分かります(磁北極直下は弱い!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です

これは基本中の基本観測情報、です

 

 

サイエンスチャンネルさんより、動画地球の中心"コア"への旅 - YouTubeです、2009年アップの動画と少し古いです

全体で29分と長いのですが、コアへの旅は途中14分51秒から始まります、最初から見たい方は先頭へ戻してご覧下さい

www.youtube.com

 

動画は途中から始めるにしても長いので、要所要所でスクショします

動画はマントルの動きについて詳しく説明しています

図1:マントルは熱い流れ(赤)と冷たい流れ(青)から構成されているシミュレーションの図

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熱い流れは地球コア外核から湧き上がるマントル・プルームで、冷たい流れはプレート境界の海溝から沈み込むスラブである

 

図2:熱い湧き上がりをマントル・プルームというの図

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左下の湧き上がっているイメージがマントル・プルームである

 

図3:沈み込む冷たいスラブのイメージ図

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スラブはプレート境界の海溝から沈み込んで来る、ここでは示されないが日本海溝を沈み込み、日本海の下670kmでマントルに到達する太平洋プレートのスラブが有名である(地表に近い領域については割とよく分かっているのだ、当たり前の話ですが)

スラブは670kmでマントルを冷やして終わるので、それより深い領域にある青い領域はスラブそのものではなくスラブに冷やされたマントル領域だろう

 

図4:結果、マントルでは複雑な対流が生じているシミュレーション図

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沈み込むスラブそのものは深さ670kmでマントルに溶け込んでマントルを冷やして終わるので、青い部分は割と表層までが多く、オレンジ部分は地球コアから湧き上がるので上図の緑部分から出て来る対流となっている(ハズである)

 

図5:再度、沈み込む冷たいスラブと湧き上がる熱いプルームのイメージ図

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これは深さ670km層のイメージだろう、沈み込むスラブそのものはここでマントルを冷やして終わり、プルームは地球コア外核から湧き上がり670km層を(図で示すように)突き抜けて地表に現れ火山となるのである

 

図6:マントルの下は地球コア外核で深さ2000km以上に及ぶ鉄の流体であるの図

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そうしてマントルの下には鉄流体のコア外核が2000km以上に及ぶ厚さで存在する

 

 

考察:

1.プレート境界における沈み込みスラブとマントル・プルームが直接起因の火山活動の存在から、マントルが大規模に対流している事はマズ間違いないと言える

2.従って、マントルを加熱している鉄流体のコア外核も対流しているだろう

3.ここで重要なのは、コア外核マントル対流により常に冷やされる構造を持っている、という事である ⬅ 常に冷やされる加熱構造をもつ液体の状態は、繰返し構造を生成しやすいのである(散逸構造と呼ばれる自己組織化)

4.太陽は対流が原因で磁極の反転を起こすのだけれども、地球はそれと同じではないが太陽の場合を参考にしつつ、地球コア外核における対流動作の世界を考える事にしよう

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です