5月度その12 エルニーニョ南方振動ELSOと電離圏foF2値を追うシリーズ➡過去48ヶ月の太陽黒点数とエルニーニョ&ラニーニャの相関グラフを取り、ペルー沖の海面温度マップと電離圏foF2値マップも取る!
エルニーニョ南方振動ELSOと電離圏foF2値を追うシリーズ➡過去48ヶ月の太陽黒点数とエルニーニョ&ラニーニャの相関グラフを取り、ペルー沖の海面温度マップと電離圏foF2値マップも取る!
気象庁さんからエルニーニョ監視速報が発表されました(5/12)
そこで、エルニーニョ南方振動ELSOと太陽黒点数との相関を調べる目的で、2022年4月の太陽黒点数データからさかのぼること過去48ヶ月間とエルニーニョ・ラニーニャ状態の季節(3ヶ月単位)を合わせてグラフ化しました
ペルー沖の海面温度マップと電離圏foF2値マップも取っています
foF2値マップは赤道上における上昇気流との関係を調べる上で導入しています
お付き合い頂ければ幸いです
気象庁さんの発表 5/12 [気象庁 | エルニーニョ監視速報] によれば:
1.5/12現在、まとめとして
とのことです
先月の予測よりラニーニャ継続が強く出ています
2.現在の発生確率リスト
予測期間:2022年3月〜2022年9月 が示されていて:
図1:5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)
従って、2022年4月まではラニーニャ100%確定で、
5月は確率80%でラニーニャ、
6月も確率70%でラニーニャ、と予測されています
3.太陽黒点数とエルニーニョ/平常/ラニーニャのグラフ
本ブログでは各月毎に太陽黒点数を出し、エルニーニョであるかラニーニャであるかニュートラルであるかを季節単位でグラフ化しており、12月の黒点数と共にグラフをアップします
エルニーニョ&ラニーニャ・過去データは [エルニーニョ・南方振動 - Wikipedia] を参照しています:
図2:約4年分の最新ELSO状態リスト(Wikiより)
2016年夏 - 2017年春 | ラニーニャ | 北海道を中心とした8月の長期的な大雨・豪雨 1951年に気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に台風が上陸した(平成28年台風第10号) また北日本では平年より7日 - 10日早い初雪・初冠雪を観測し、関東甲信越では2016年11月に初雪・初冠雪を観測した(関東甲信越で11月に初雪・初冠雪が観測されたのは1962年11月以来、54年ぶりとなる) このほか、2017年1月中旬と2月中旬、3月上旬は日本国内(平成29年日本海側豪雪)のみならず、国外の多くで10数年に1度の北半球最大規模の大寒波が襲来した |
2017年秋 - 2018年春 | 日本でこの冬(2017年12月〜2018年2月)の平均気温は約1°C程度低かった。そして冬の積雪は平年よりかなり多く(平成30年豪雪)、全国規模で寒冬となった | |
2018年秋 - 2020年春 | エルニーニョ | 2018年9月4日に近畿地方にかなり台風が接近して危険な暴風となった(平成30年台風第21号)。9月7日〜9月10日は秋雨前線が近づいて西日本では断続的に雨が降り続いた。冬はほぼ全国的に暖冬で、南西諸島は記録的暖冬、西日本や東日本でも顕著な暖冬となり、西日本の日本海側は記録的少雪となった 2019年5月〜7月は北日本を中心に記録的な長期高温・長期日照・長期少雨となった。7月中旬までは冷夏傾向だったが、2019年8月は平年並みか平年より高い夏だった。6月は南米で大量の雹が局地的に降り、欧州で長期的な異常高温になるなど異常気象が発生した 2019年12月から2020年2月にかけて日本では北日本を除き、2006年12月 - 2007年2月当時を凌ぐ記録的な大暖冬となった |
2020年秋 - 2021年春 | ラニーニャ | 2020年初冬より日本国内を中心に、数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し(奄美沖縄を除く)、12月14日から21日までの7日間の総降雪量が200センチ(2メートル)を超えた地点が数地点と、主に東日本と北日本の各日本海側、および山陰地方と九州北部の長崎を中心に記録的な大雪を観測した(令和3年豪雪)。特に2021年1月から2月中旬にかけて日本では北日本、および西日本の各日本海側を中心に、2006年1月 - 2月当時を上回る記録的な大厳冬となった(しかし2月後半は暖冬傾向だった) 2021年1月上旬には日本のみならず、中国や韓国などの東アジアや一部の北米、欧州でも数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し、特にスペインの首都マドリードでは半世紀(50年)ぶりの大雪となった |
2021年秋 - | 2022年1月上旬には日本(令和4年豪雪)のみならず、海外のパキスタンでも記録的な大雪となった |
2021年春(3月〜5月)まではラニーニャ状態である、としています
2021年夏(6月〜8月)はニュートラルでした
2021年秋(9月〜11月)は再びラニーニャ状態に入り、その後、継続している
黒点数は [国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測] さんデータです
図3:黒点数vsELSO各状態グラフ
マジェンダが太陽南半球の黒点数、シアンは太陽北半球の黒点数、で横軸は年月
その上に高さ5固定で、ブルーがラニーニャ状態の月、オレンジがエルニーニョ状態の月を上乗せしています
NOAAさんより直近4月までの黒点数観測結果と今後サイクル25の予測を示せば、
図4:NOAAさん太陽黒点観測と予測
であって、予測より太陽黒点数はかなり多く出ていて太陽活動は予測以上に活発であり、高温東風の貿易風が強く吹き海面に冷海水が上昇しているものと思われます
4.ペルー沖の海面温度マップとペルー沖のfoF2値マップ
気象庁さん [気象庁 | 海面水温実況図] より、ペルー沖の海面温度マップを取ると、
図5:海面水温実況図(部分) 2022/5/11(JST)
ペルー沖の海面水温は20°程度と見られます、ラニーニャ継続という事はペルー沖の海水温が比較的低温である、を意味します
海水は比熱が高い(熱しにくく冷めにくい)のですが、上空300km程度にある電離圏foF2値(上空の電子密度を示す)は太陽位置と共に刻々と変化しています
オーストラリア政府Space Weather Service [SWS - Global HF - Ionospheric Map] さんによれば、
図6:2022/5/11 19:30UTにおけるfoF2世界マップ(ペルー沖で5/11 13:30LT)
であり、ペルー沖赤道上空とその南側の南北両極に強い電子密度が磁気赤道を中心に東西に伸びていることが分かります
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その11 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はミーノックMEAです
5月12日7:30AM現在、エルニーニョ速報が開示されていませんので、北方磁場強度シリーズを続けます、開示されましたら割込みます
中央値が300km付近にあるfoF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、ミーノックMEA高度4,132kmは該当しません
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.ミーノックMEA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
MEAは中緯度とはいっても北緯54.6°と高緯度に近く、変動幅が大きくなります
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=2+1」は:
第1ピークはシアンで他にも1ヶ所、第2ピークはマジェンダで1ヶ所のみ(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
MEAは綺麗にシアンとマジェンダが分離しています
まずマジェンダですが、ゼロ検出時間が2時間連続しており、24h振動している事を示しています
一方シアンですが、ダブルピークを形成しており、第1ピークLT10.4時台から次のピークLT01.4時台まで時間差15hですが、12h振動していると見えます
これだけ綺麗に振動するのは、高度4,132kmからして、バンアレン内帯の陽子ベルトと電子ベルトが主要に作用している、と思えてらならないのです
磁力線パスにおける各レイヤ(成層圏・電離圏F/F2層・バンアレン内帯陽子&電子ベルト)の依存度を線積分して計算してみるか、という気になります
3.ミーノックMEAとG17Wの波形3日間とFFT結果です
ミーノックMEAがオレンジ、G17Wがシアンです
図5:
逆相です、図4の統計グラフと一致しています
図5の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図5よりミーノックMEAのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
24h>>12h>>72hとなりました
やはり第2ピークマジェンダは完全に24h振動、第1ピークシアンも24h成分が強く、それに12h成分がそれなりに加味されている、と解釈してよいでしょう
中間のまとめ:
1.現時点において、バンアレン内帯の電子ベルトは磁力線凍結に伴う太陽光圧による磁気濃縮で増加に作用し、陽子ベルトは陽子ジャイロ運動により減衰に作用する、と考えています
ここで陽子ベルトは12h潮汐振動をかすかにしており僅かですが12h成分が存在するが、電子ベルトは12h潮汐振動していないで24h振動である、と考えています
12h潮汐振動する(陽子)としない(電子)は、質量差から来ているものと思われます
2.磁力線パスの線積分ですが、各層の分布にしてもそれなりの分布曲線を導入する必要があり、パラメータが非常に多く、何とでもなってしまうように思えます
加えて磁気赤道を挟んだパスであって、結構大変そうです、IGRF-13の計算結果を数値解析的に取り入れるのでしょうか?
すぐには出来ないでしょうが、考えてみます
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その10 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はツーソンTUCです
5月11日11:00AM現在、エルニーニョ速報が開示されていませんので、北方磁場強度シリーズを続けます、開示されましたら割込ます
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、ツーソンTUC高度1,380kmはこれに該当します
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.ツーソンTUC3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
TUCは北方磁場強度が激減する観測点なのです
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=2+2」は:
第1ピークはシアンで他にも1ヶ所、第2ピークはマジェンダでこれも他に1ヶ所(合計でピーク数は4)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
先月3月の結果は「● ピーク数=2+4」でしたから、(ギリギリであった)マジェンダピーク数が2減った事になります、フェードアウトした2019年4月データに原因があった、と思われます、この程度の変動は当然有り得ます
TUCはシアンとマジェンダがバッティングする(競合する)観測点です
シアン原因は電離圏F2層の電子ジャイロ運動による減衰効果、マジェンダは成層圏におけるオゾン分子の自己整列・磁気濃縮による増大効果、と見ています
5月10日UTにおけるfoF2値マップを示します、まずシアン第1ピーク
図5:第1ピークシアンのLT8.6時台中央値LT9.1時に相当する16.5UT
図6:第2ピークマジェンダのLT15.6時台中央値LT16.1時に相当する23.5UT
3.G17WとツーソンTUCの波形3日間とFFT結果です
ツーソンTUCがオレンジ、G17Wはシアンです
図7:
逆相です、図4の統計グラフと一致しています
図7の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図7よりツーソンTUCのパワーFFTスペクトルを取ると、
図9:
乱れます、idx=10は周期=8hです、24h>8h>12h>72hとなっています
現在、12h成分や8h成分が強く出る場合には12h潮汐振動や8h潮汐振動が出ているからではないか?と考え始めております
電離圏F/F2層から成層圏オゾン層か、これから考えますが、シアンはゼロ検出時間帯が3hも連続してある事から、オゾン層が12hまたは8h潮汐振動しているのではないか?と考えています
但し、図4を見て頂ければ分かるように、単にマジェンダがシアン第1ピークのLT8.6時台に食われ、生き残ったマジェンダがLT15.6時台に第2ピークを付けて、それが12hまたは8h振動となって現れただけである、とも考えられます ⬅ この場合は潮汐振動とは言わんでしょう
中間のまとめ:
1.ツーソンTUCは北緯32.2°と、中緯度とは申しましても低緯度に近い観測点で、低緯度から中緯度へ移る過渡的な状況を示している、と考えております
2.過渡的な中で12h成分とか8h成分が強く出る事は重要で、12hもしくは8h潮汐振動と考えており、その原因を考察中です
但し、単にマジェンダがシアンに食われて、生き残りマジェンダが12hまたは8h振動しているだけで、潮汐振動ではない、とも考えられます
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その9 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!⬅ 追考察あり!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ クールーKOUの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!⬅ 追考察あり!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はクールーKOUです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、クールーKOU高度148kmはこれに該当します
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.クールーKOU3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+1」は:
第1ピークはマジェンダで1ヶ所のみ、第2ピークはシアンでこれも1ヶ所のみ(合計でピーク数は2)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
「● ピーク数=1+1」は低緯度の特徴で、KOUは見事な「● ピーク数=1+1」を示しています、これは最大値マジェンダの原因は、成層圏オゾン層における常磁性オゾン分子が太陽光圧により整列圧縮されて磁気濃縮を起こすからである、と考えています
第2ピークシアンがLT20.5時台に観測されるのは、太陽光圧が無くなってオゾン分子がランダム状態となるからである、と考えられます
KOUは、マジェンダゼロ時間帯とシアンゼロ時間帯が明確に観測される特徴があります
マジェンダとシアンの原因がひとつであり、その表と裏である事、を示しています
5月8日と9日UTにおけるfoF2値マップを示します、まずマジェンダ第1ピーク
図5:第1ピークマジェンダのLT10.5時台中央値LT11.0時に相当する14.5UT
図6:第2ピークシアンのLT20.5時台中央値LT21.0時に相当する0.5UT
3.G16EとクールーKOUの波形3日間とFFT結果です
クールーKOUがオレンジ、G16Eはシアンです
図7:
同相です、ただしKOUの変動幅は非常に大きく、24h成分が極めて強く出ています
図7の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図7よりクールーKOUのパワーFFTスペクトルを取ると、
図9:
24h成分がトップです、強度比は 24h>12h>72h で、24h成分が極めて強く出ています
赤道直下における成層圏における太陽光圧による常磁性オゾン分子の整列圧縮により磁気濃縮された結果です
第1ピークマジェンダから第2ピークシアンの時間差は10hあり、第2ピークシアンがここで最小値を付けるのは、夜間に太陽光圧がなくなりオゾン分子がランダムとなった結果です
即ち、KOUシアンの原因はプラズマ粒子のジャイロ運動という積極的に磁場を弱める動作ではなく、太陽光圧が無くなることによるオゾン分子のランダム性という消極的な原因によるもの、と考えています
図7の凹型KOU波形が下にバラついて出る事により最小値をLT20.5時台付近に付けるのです
中間のまとめ:
1.クールーKOUは非常に明確な分布図4を示していて、まずはここの原因を明確に抑えませんと次に進めない、と考えています
2.第2ピークシアンの原因は、太陽光圧の減衰という消極的な理由によるものであり、プラズマ粒子のジャイロ運動ではない、が現時点の結論です
追考察:2022/05/10 00:25
宇宙の徒然を語るブロガー「まさき りお(id:ballooon)」さんからのコメントがキッカケですが、オゾン層が磁石として動作するのは:
閾値(スレッシュホールド)動作をするからである
と考えられます
即ち、最初オゾン分子はランダムな状態にあるが、これが太陽光圧によって方向が揃い始める、いったん揃い始めると常磁性体のオゾン分子は互いに互いの方向を並べさせ、増々方向が揃い始める、こうしてオゾン層全体が磁石としてロックされ磁場強度が増大する
閾値に達する太陽光圧はLT10時〜11時台である
従って、夜間には閾値に達しないのでロックされない(磁場強度は増大しない)、たとえオゾン層が帯状になって地球を取り巻き12h潮汐振動していても閾値に達しなければ磁石としてはロックされずランダムなままでありマジェンダは観測されない、となります
例外はホノルルのマジェンダ第1ピークがLT13時台に観測される事ですが、これはこれで解決する必要があります
追考察終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その8 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ サンファンSJGの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ サンファンSJGの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はサンファンSJGです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、サンファンSJG高度616kmはこれに該当します
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.サンファンSJG3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+1」は:
第1ピークはマジェンダで1ヶ所のみ、第2ピークはシアンでこれも1ヶ所のみ(合計でピーク数は2)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
「● ピーク数=1+1」は低緯度の特徴です
5月8日UTにおけるfoF2値マップを示します、まずマジェンダ第1ピーク
図5:第1ピークマジェンダのLT10.6時台中央値LT11.1時に相当する15.5UT
SJG第1ピーク時の磁力線パスを見ますと、foF2雲中央に来ています
他の事例では、第1ピークではfoF2雲の左側で雲が立ち上がる時にピークを迎える特徴があります
図6:第2ピークシアンのLT19.6時台中央値LT20.1時に相当する0.5UT
ここで第2ピークシアンを付けるのですか、、、
低緯度におけるシアン原因は、少し複雑です、別途解析致します
SJGで重要な事は、高度616kmなので成層圏オゾン層による増加効果と電離圏FとF2層による減少効果を考えなければならない、事です
3.G16EとサンファンSJGの波形3日間とFFT結果です
サンファンSJGがオレンジ、G16Eはシアンです
図7:
逆相!?
低緯度で逆相?しかしSJGはLT10.6時台に最大値マジェンダの第1ピークを迎えているのに、、、
そこで過去データを見ますと、4月は異常データ99999.0でしたのでスキップ、3月をアップしますと、
図7−1:X軸に観測日付(2/28_00:00より3/2_23:59UT)
何と、完全に同相でした!
従って図7の5月1日〜3日が通常と異なる逆動作であった、という事になります(念の為、SJG3日間データを再度ダウンロードして確認しましたが、図7は合っています)
こういう事もあるんですね?
図7の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図9:
24h成分がトップです、強度比は 24h>12h>72h です
12h成分がそれなりにある事は、12h潮汐振動の存在を示していますが、これは通常動作とは異なり逆相となる3日間のFFT解析結果です
そこで確認の為、3月度のサンファンSJGパワーFFTを示しますと、
図9−1:この頃は日付が出ませんが、これは3月の結果です
24h>>12h>72hで、24h成分が極めて強く出ていました
中間のまとめ:
1.図4で第1ピークマジェンダLT10.6時台の原因は、成層圏の常磁性オゾンの太陽光圧による磁気濃縮と考えられますが、第2ピークシアンLT19.6時台を付ける原因は落ち着いて考えなければいけません
2.図7の3日間波形グラフですが、図4の統計グラフが同相を示していながら逆相になる事があるんですね?
確かに図4を見ると第1ピークマジェンダを付けている時間帯でもシアンがゼロではない(最小値を観測する事がある)ので、図7のような動作が有り得てもおかしくはありません
これはもう少し観測を続けませんと、、、です
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その7 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ベイセントルイスBSLの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ベイセントルイスBSLの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はベイセントルイスBSLです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、ベイセントルイスBSL高度1,370kmはこれに該当します
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.ベイセントルイスBSL3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=2+2」は:
第1ピークはシアンでシアンピークは他も含めて2ヶ所あり、第2ピークはマジェンダでこれも2ヶ所ピークがある(合計でピーク数は4)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
「● ピーク数=1+2」が中緯度の特徴ですが、BSLでは「● ピーク数=2+2」となります、BSLの北緯30.4°が低緯度から中緯度への移り変わりポイントで、過渡的な動きをしているものと思われます(第1シアンピークがLT8時台である事も、それを示しています)
BSLではゼロカウントがシアンでのみ検出されています
FRDではシアンとマジェンダにゼロカウント検出、OTTではゼロカウントは検出されず、でした
foF2値マップを提示します、まずシアン第1ピーク
図5:第1ピークシアンのLT8時台中央値LT8.5時に相当する14.5UT
図4を見れば分かるように、本来はマジェンダが伸びる時間帯をシアンが食ってしまってシアン第1ピークになった、と解釈しています
マジェンダが延びる原因は成層圏のオゾンによる磁気濃縮で、シアンが延びる原因は電離圏F2層のジャイロ運動だろう、と考えております
今回は図4でマジェンダが凸となるLT23時台についてfoF2値マップを取ります
図6:マジェンダ凸LT23時台中央値LT23.5時に相当する5.5UT
図4におけるBSL23.5LT時にマジェンダ凸ポイントですから、ピーク定義を満たす迄には至りませんが、12h潮汐で最大値マジェンダが検出されやすくなる時間である、と見えます
高度が高々50km程度の成層圏(図a)におけるオゾン層は12h振動しない(昼間の24h振動のみ)もしくはBSLにオゾン層は強く影響を与えないと考えており、ここで磁力線高度1,370kmのBSL23.5LT時にマジェンダ凸となる原因を次に考える必要が出てきます
マジェンダなので、磁気濃縮を考えなければならない点が難しいのです
3.G16EとベイセントルイスBSLの波形3日間とFFT結果です
ベイセントルイスBSLがオレンジ、G16Eはシアンです
図7:
やはり逆相です
図4でマジェンダゼロ時間帯は検出されず、シアンの2ヶ所に比べマジェンダは分散していますが、それは図7のオレンジBSL波形を見れば分かります
即ち、BSL波形は上に凹字型をしており、少しでも大なる値があれば最大値となる訳で、分散するのです
図7の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図7よりベイセントルイスBSLのパワーFFTスペクトルを取ると、
図9:
24h成分がトップです、強度比は 24h>72h>12h です
12h成分がそれなりにある事は、12h潮汐振動の存在を示しています
72hが12hより強いのは、この3日間の偶然か、BSL観測点が不安定である特徴か、1年間を通じて測定しなければ分かりません
中間のまとめ:
1.ゼロカウントのグラフも世界まとめマップで挙げる必要性を感じますが、シアンゼロとマジェンダゼロもあり、どうまとめるかが問題で、来月以降に回します
2.ベイセントルイスBSLにおけるシアン第1ピークの原因を電離圏F2層の電子ジャイロ運動による磁場強度の減衰効果、と見ているのですが:
・電子と同数あると考えられるイオンはどう作用しているのか?
があります
中緯度においては必ずシアンが第1ピークとなり、時間帯も午前中であり(HON除く)、その原因(電子ジャイロ運動)の裏付けを集める必要があります
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!
5月度その6 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フレデリックFRDの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はフレデリックFRDです
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、フレデリックFRD高度2,150kmは該当しません
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)
2.フレデリックFRD3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークのマジェンダには2ヶ所ピークがある(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
「● ピーク数=1+2」は中緯度の特徴です
FRDではゼロカウントがシアン・マジェンダともに検出されています
3.G16EとフレデリックFRDの波形3日間とFFT結果です
フレデリックFRDがオレンジ、G16Eはシアンです
図5:
見事に逆相です
図4でマジェンダゼロ時間帯は一カ所しかなく、シアンに比べマジェンダは分散している事を示していますが、それは図5のオレンジFRD波形を見れば分かります
即ち、FRD波形は上に凹字型をしており、少しでも大なる値があれば最大値となる訳で、分散するのです
図5の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図5よりフレデリックFRDのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
24h成分がトップです、強度比は 24h>12h>72h です
12h成分がそれなりにある事は、12h潮汐振動の存在を示しています
中間のまとめ:
1.フレデリックFRDではゼロカウントがシアン・マジェンダともに検出されました(オタワOTTではどちらも検出されませんでした)
2.これはオタワOTT(3,035km)にくらべフレデリックFRD(2,150km)は高度が下がっているので、シアンとマジェンダを構成する要因が少なくなって来ている事を示しています
高度が低いほどパスは短く、シアンやマジェンダを構成する要因が絞られます
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!