なぜ地球磁極は逆転するのか?

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5月度その6:太陽磁場をモデルする、磁気流体力学MHDシミュレータとは?その1

太陽磁場をモデルする、磁気流体力学MHDシミュレータとは?その1

 

 という訳で、私がダウンロードしたMHDシミュレータオープンソースは、神戸大学都市安全研究センターのSeiji Zenitani先生が公開されているGNUベースの解析fortran・可視化python3のパッケージで:

[OpenMHD コード] です。

最初にゴールを設定しておきますと、メタモデルでよいからモデリングして、このバタフライ・ダイヤグラムの抽象を結果する、私のノートPC上で、です。

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  私は流体力学は素人で、ましてやプラズマシミュレータともいえるMHDはもっと素人で、OpenMHDのイントロを見ますと:

OpenMHD コードは、数値流束を評価する際に、 隣接するセル境界での一次元リーマン問題を考える近似リーマン解法を使っています。

 まずセルなるキーワードが出ます。 この辺りからシッカリ抑えていかないといけません。 流体力学でセルとは?で調べると何と Wiki [ベナール・セル - Wikipedia] が挙がります:

ベナール・セルとは、薄い層状の流体を下側から均一に熱したときに生じる、規則的に区切られた細胞(セル)状の対流構造をいう。各セルは渦を形成しているので、ベナール渦ともいう。プリコジンにより提唱された「散逸構造」のうち最もよく知られた例である。

なるほど、セルとは対流の単位でしたか。 そして、重力場におけるベナール・セルとして次の図が示されます:

 

そして:

下の板の温度を上よりわずかに高くすると、下から上への熱伝導が起こる。温度と圧力に関しては上下方向に勾配ができるが、水平方向には均一である。下の板の温度をさらに上げると、下側の流体の密度が低くなって浮力が生じ、レイリー数が一定の値(限界レイリー数)を超えたところで対流が起こる。それとともに、それまでの微視的で乱雑な分子運動が、自発的に秩序化して巨視的な運動になり、ベナール・セルが形成される。セルが形成される条件は、レイリー数RaL が 1710 < RaL <5×104 の範囲とされる。ここで代表長さL には上下の板の距離をとる。

さらに水平方向の運動には回転も加わり、渦が生じる(水平方向の対称性が破れる)。ベナール渦は一旦できると安定し、時計回りと反時計回りのものが交互に並ぶ。

セルの配列は非決定論的であり、微視的初期条件によってその後の巨視的状態は大きく異なる。これはカオス理論におけるバタフライ効果の例である。

と来ます。

なるほど、散逸構造とは外部からエネルギーを加えると、冷却のメカニズムも必要なのですが、無秩序から秩序の系が形成される構造で、イリヤ・プリコジンが提唱(1977年ノーベル化学賞受賞)したものです。

太陽対流層の対流がべナール・セルであるかどうか、現時点で私には分かりませんが、これは面白い事になってきました、こんな所でプリコジンに出会えるとは思ってもいませんでした。

 あとは、数値流速の評価、ですから数値解析をグリッドベースで行うのでしょう。 この際、グリッドを緯度経度で取るか、kmで取るか、の問題がありますが、まぁソースを見れば分かるでしょう。

 そして、一次元リーマン問題、を解くという事でリーマン・ソルバの構築という事になり、これも資料を調べソースを見れば分かるでしょう。

 ここでの結論は、MHDシミュレータとは、対流の単位であるセルの境界条件を解く際にリーマン・ソルバを使用し、数値流速解析をグリッドベースで行うものである、となります。

やはりセルの動作もしくはモデリングが最も重要に思えますので、太陽磁場は離れてでも、対流に着目し流体力学ボトムアップに理解してゆく必要が、私にはありそうです。

尚、OpenMHDには方程式も多出していますが、このブログでは方程式は一切使いません。

 

 

最後までお読み頂きまして、誠にありがとう御座いました。