なぜ地球磁極は逆転するのか?

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6月度その3:三鷹太陽地上観測さんトピックス ➡ 直線偏光する太陽フレアの原因を探る!

三鷹太陽地上観測さんトピックス ➡ 直線偏光する太陽フレアの原因を探る!

 

 6月4日現在の三鷹太陽地上観測さんのサイト [国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測] の下の方を見ますと、トピックスとして「太陽フレアの謎の偏光をさぐる」なる論文紹介があり、そこには:

太陽面で起きる爆発であるフレアが放つHα (エイチアルファ) 線の輝きには、偏光が見られるという報告がいくつもあります。一方それを否定する結果も出されており、その性質は謎でした。今回私たちは、多くのフレアの観測からこの偏光が一部のフレアでのみ起こる現象であることを明らかにしました。

 https://solarwww.mtk.nao.ac.jp/jp/topics/topics0009_maps1.png

写真の説明: 強い直線偏光が見られたフレアにおけるHα放射強度、直線偏光とフレア発生中の光球・コロナの画像。各画像中の等高線はHα強度の上昇している場所を表しており、直線偏光画像の緑矢印で示した場所に強い直線偏光が見られます。またコロナの画像の水色矢印は直線偏光の方向を示しており、コロナループ構造と対応しています。光球の白色光画像とコロナの紫外線画像は、ESANASA共同のSOHO consortiumの厚意によるものです。

とあります。

 Hα線とは、Wiki [バルマー系列 - Wikipedia] より水素のバルマー系列に属する輝線で:

バルマー系列とは水素原子の線スペクトルのうち可視光から近紫外の領域にあるものである。 水素原子の線スペクトルのうち、可視光の領域に現れるものとして以下の4つの線が確認され命名されていた。

  • Hα線:波長656.28nm
  • Hβ線:波長486.13nm
  • Hγ線:波長434.05nm
  • Hδ線:波長410.17nm

 

Hα線とは、n=3からn=2への遷移の際に放出される光子の波長で、近紫外線です。

上記のトピックスは:

[1] Kawate1 and Hanaoka2, 2019, The Astrophysical Journal, 872, 74, ( 1宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所2自然科学研究機構 国立天文台 ) 今年の論文発表だそうです。

 

 

 ここで、何故このフレアでHα線が直線偏光しているのか?について考えるのが、本日の課題です。

・ 直線偏光されたフレアのスポットが地球から観測されたという事は、このスポットのHα線光子の位相が揃っている事を意味しており、スーパーラディエンスを起こしている可能性があります。

・ スーパーラディエンスは反射鏡を持たないレーザと思えばよく、n=3にて強烈な反転分布が形成され、ひとつの光子の自然放射に誘導されて位相の揃った光子を放出する事になり、結果として放出される光は直線偏光に揃えられます。

・ レーザほどではないが、スーパーラディエンスは指向性の強い光ビームを発光します。 これが偶然地球方向から観測されたとは考えにくく、太陽フレアの特殊環境では広範囲・広角度に向けてスーパーラディエンス発光している可能性があります。

・ スーパーラディエンス放射光は一般のHα線に比べ、スペクトル幅が狭くなるはずであり、直線偏光していない他のフレアでのHα線の幅と比較すれば分かるはずです。

・ 最後に、何故このフレアだけに直線偏光が見られたのか?ですが、反転分布するには外部から冷却されるメカニズムが必要であり、何らかの理由でこのフレアは冷却される構造であった可能性があります。

ちなみにスーパーラディエンス・反転分布はプリコジンの [散逸構造 - Wikipedia] の一形態と捉えられます。

 

以上です

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia