なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その8:宇宙の履歴書!

 宇宙の履歴書!

 

さて、今回より2回に分けて宇宙膨張に関連する記事をアップさせて頂きたく

と申しますのも、宇宙動画&画像&話題の名ハンター(id:rio-masaki)さん3月25日の記事:

rio-masaki.hatenablog.jp

で、宇宙の膨張が語られているのですが、それは加速膨張する宇宙なのですが、加速膨張はダークエネルギーなのですが、いきなりダークエネルギーの解説記事は書けない、という事が分かりまして、まずは宇宙の全体像、すなわち宇宙の履歴書をまとめよう、と考えた次第です、まずは全体像を押えよう、は私のクセなのです

主として [宇宙のインフレーション - Wikipedia] からの抜粋ですが、他のWikiも参照しています

 

以下は、よく見るビッグバンの残像模様で、宇宙マイクロ波背景放射(以下、背景放射)と言われます

Ilc 9yr moll4096.png

この観測は、宇宙は多少の濃淡を有しながらも等方的に広がっている事を示す、最も重要な観測事実であり、2006年現在、次に示すような宇宙の誕生から現在迄の履歴書が出来上がっておりまして、その後2013年の観測で多少数値が変更されています(上下図とも、2006年 by NASA

 

左側にある青い「光の残像模様」が上図の背景放射に相当しています

WMAPとは、背景放射を観測するNASA宇宙探査機の事です

 

量子揺らぎ:真空は超微細な量子レベルで見れば常にフツフツと湧き立って揺らいでおり、ある日ある時あるタイミングで(正確には、日時などという時間概念は無い状態であるから、あるタイミングで)、突然膨大なエネルギーが出現し、宇宙が始まった(真空のエネルギー)

インフレーション:そして無であった空間は指数関数的に広がり、エネルギーが注入された(宇宙のインフレーション)、これは、量子揺らぎの宇宙開始から、1秒の1/100,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000、即ち、1秒の1億の1兆の1兆分の1のあいだ続いた、と考えられ、この間に宇宙の全エネルギーが注入された

[インフレーションの後] エネルギーの注入が終わり、空間が拡大され始めると、エネルギーは電子陽子に姿を変え、空間の広がりに呼応して温度も下がって、結果、電子と陽子は結合して水素元素が生成されていった(正確には水素とヘリウムと少量のリチウム)

光の残像模様:それまで狭い空間で密度の高い電子・陽子群は光の進行を邪魔していたのだけれども、水素原子が形成されると密度は下り空間も広がって来て、従って温度も下がってきて(絶対温度で約3000°K)ここで空間は光の進行を邪魔することなく透明となった(宇宙の晴れ上がり)、ここにビッグバンが形成され完成した

この時の残像映像(スナップショット、宇宙に放たれた光放射)が背景放射であり、今、我々はこれを観測し、ここから観測事実が始まる事になる、通常、宇宙の年齢はここからカウントする、ここまで来るのに宇宙誕生から約40万年

暗黒時代:その後、観測に掛かるのは水素原子の波長21cm電波のみという時代が続く(約4億年)、この時代は暗黒時代と称されているが、このかすかな21cm電波は背景放射より多くの情報を含んでいると考えられ、現在、盛んに研究されている

初めての恒星:こうして宇宙誕生から約4億年後には、初めての恒星が形成されたと考えられており、最初の恒星はビッグバン時に生成された水素・ヘリウム・リチウムから構成される恒星であると考えられているが、これは未だ発見されていない(宇宙のミステリー)、この種の初期恒星は極端に大きく高温で寿命が短かったのでは?と考えられている

銀河や惑星等の誕生:

まずは銀河の形成: 2007年、マウナケア山ケック天文台は、宇宙誕生から5億年の時代に形成された6つの銀河を発見した(これは2006年以降の観測であるが、矛盾していない!)

そして銀河群、銀河団、超銀河団の形成: そして、重力は銀河を互いに引き寄せ、銀河群、銀河団、超銀河団を形成していった

惑星は、まぁ、その中で形成されていったのであろう

 

現時点における宇宙の数値と状況:

 2013年現在、宇宙年齢は、138億年(2006年測定時の137億年より少し長くなった!)

 宇宙の大きさは、少なくとも780億光年以上(これは当然にして780億光年以上であり、それ以上の遠方空間は地球から見て光速以上で遠ざかっているので、観測に掛からない、という事)

 2013年現在、宇宙の組成は4.9%が通常の物質、26.8%が正体不明のダークマター、68.3%がダークエネルギー、この事からΛ-CDMモデル(アインシュタインの宇宙項ラムダΛ に、コールドダークマターCDMを加えたモデル)が支持されている、宇宙項Λ とは、アインシュタインの宇宙方程式の中で導入した斥力(引力の反対で反発する力)に関するパラメータ、これが引力より大きいと宇宙は加速拡大し続ける、コールドダークマターとは、銀河の回転運動は中心部と外縁部が同じ回転速度である事が観測されており、この回転を維持するには重力として作用する何らかの光と反応しない目に見えない暗黒物質が外縁部に存在しなければならない、として考えられた物質で冷たく重い物質であれば観測事実に一致するのでコールドダークマターと言われる

 インフレーション宇宙のシナリオは観測と一致している(これで、佐藤勝彦先生はノーベル賞です!)

 背景放射データを現在の宇宙モデル理論を合わせると、宇宙は永遠に膨張を続けるという結果になる(これですと、いずれ熱的死を迎える、という事になります)

 1992年の観測で、背景放射の絶対温度2.735K、黒体放射からのズレは1/1000以下で、黒体放射とは、理想的に真っ黒な物体、即ちありとあらゆるあらゆる電磁波を吸収する理想物体があったとして、これを加熱していった時に、その物体が放射する電磁波の事で、理論上の理想的な存在であるが、背景放射は理論上2.735°Kに熱せられた、従って極めて低い温度ではあるが(ビッグバン時の3000°Kから138億年を経て、空間は広がり、温度はここまで下がったのである!)、黒体放射の理論値に1/1000以下の誤差で一致している、という事

 

ダークエネルギーによる加速膨張: 上図、履歴の図を見て頂ければ、インフレーション直後から背景放射迄は急激に、背景放射から初めての恒星形成までは緩やかに、宇宙は加速膨張しており、その後、減速膨張の時代を経て、今から数十億年前に再び加速膨張に転じた、とされる観測事実と理論モデルがあります

この再び加速膨張に転じた原因がダークエネルギーである、とされており、これについて次回に述べます

 

 

 

以上です

 黒点数の推移にご興味のある方は「読者」登録されますと、更新時にメッセージが届きますので、たいへん便利かと存じます。

 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

 

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia