なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その9:宇宙の履歴書シリーズ ➡ ダークエネルギー!

宇宙の履歴書シリーズ ➡ ダークエネルギー

 

前回の「宇宙の履歴書」に続き、今回は、ダークエネルギーの解説と最新情報です、Wiki [ダークエネルギー - Wikipedia] からの引用です

 

まず、宇宙の均一性を示す宇宙マイクロ波背景放射(以下、背景放射)

Ilc 9yr moll4096.png

と、ビッグバン&インフレーションに始まる宇宙137億年の歴史です

左側にある青い「光の残像模様」が上図の背景放射に相当しています

上図右上にある「ダークエネルギーによる加速膨張」について、まとめるのが本記事の目的、です

 

ダークエネルギーとは:

宇宙全体に浸透し、宇宙の拡張を加速していると考えられる仮説上のエネルギーで、それ自身で互い反発するエネルギーと解釈され、2013年現在、宇宙の質量とエネルギーに占める割合は、観測から、原子等の通常物質が4.9%、正体不明のダークマター暗黒物質)が26.8%、ダークエネルギーが68.3%と算定されている

現在、観測から宇宙は加速膨張している事が知られており、この原因はダークネルギーによる反発力である、とするのが、現在の宇宙標準Λ-CDMモデルなのである

 

質量とエネルギーの関係:

これらは等価なのであって、特殊相対性理論より、

E = mc**2

イー・イコール・エムシー2乗 と読み、Eはエネルギー、mは質量、cは光速、で両者の関係が定義される、原子爆弾水素爆弾はわずかの質量を膨大なエネルギーに変換し(何しろ光速の2乗倍ですから!)破壊力を発揮し、宇宙のインフレーション時にはエネルギー(全部ではないだろう)が質量に変換された事だろう

重要なのは、両者は等価なので、比較%表示できる事にある、宇宙のエネルギーの割合は、原子等の通常物質が4.9%、ダークマターが26.8%、ダークエネルギーが68.3%、という表現は次元が揃っているから出来るのである

 

宇宙の平坦性:

理論的・観測的研究から、宇宙の全エネルギー密度は宇宙がちょうど平坦になる(すなわち、一般相対性理論で定義される時空の曲率が大きなスケールで 0 になる)ような臨界密度に非常に近いことが昔から知られている、光を放出する通常の物質の観測からは、必要な質量密度の2-5%しか説明できない、この足りない質量を補うために、ダークマターと呼ばれる目に見える光を放出しない物質の存在が長い間仮定されてきた

しかし、1990年代に行われた銀河や銀河団の観測で、ダークマターをもってしても臨界質量密度の25%しか説明できないことが強く示唆され、もしダークエネルギーが臨界エネルギー密度の残りの約70%を補えば、全エネルギー密度は宇宙が平坦であるのに必要な量と矛盾しなくなる、と指摘されたのであるが、ここで何と観測事実が現れた!のである

 

超新星による観測事実:

1990年代後半、二つの国際的研究観測チームが、遠方の超新星を観測することにより、宇宙が加速膨張をしていることを独立に相次いで立証した、現在の宇宙の全エネルギーの7割を、ダークエネルギーが占めるという観測結果は、大きな驚きをもって迎えられ、この発見の功績により、2011年ノーベル物理学賞が発見者に贈られた

 

ダークエネルギーの正体:

このダークエネルギーの真の正体は現状ではほぼ推測の対象にすぎない、ダークエネルギーアインシュタイン宇宙方程式の宇宙定数Λ そのものではないか、と考える人は多く、実際、これはダークエネルギーに対する最も単純な説明である、ダークエネルギーが宇宙定数であるとすると、これはダークエネルギー宇宙の持つ基本的な特徴であることを示すことになる

これとは別に、ダークエネルギーは時間と空間に応じて変化するものではないか、と考える人もいる(クインテッセンスと呼ばれる)、時空に応じて変化する点で宇宙定数とは異なる、今のところクインテッセンスが存在する証拠は得られていないが、存在の否定もされていない

 

インフレーションとの関係:

ダークエネルギーはインフレーション宇宙論と関係している可能性はある、インフレーションはダークエネルギーと同様の、何らかの反発力の存在を前提としている、これによって宇宙はビッグバン直後に急速な指数関数的膨張を引き起こす

しかし、インフレーションは現在我々が観測しているダークエネルギーよりも桁違いに大きな指数関数的膨張であり、宇宙の一生の初期に終わっていると考えられている、したがって、ダークエネルギーとインフレーションの間にもし関係があるとしても、それがどのようなものなのかについては全く分かっていない

 

ダークエネルギーが示唆する未来:

もしもダークエネルギーが宇宙のエネルギーバランスにおいて支配的であり続けるなら、現在の宇宙膨張は加速し続け、ついには指数関数的な膨張となる、このモデルでは、重力的に束縛されていない構造は、互いに光速を超える速度でばらばらに飛び去る

しかし、ダークエネルギーの密度が増えなければ、銀河や太陽系など現在重力的に束縛されているどんな構造もそのまま残る、したがって我々の地球や銀河系は、宇宙の他の存在が全て我々から離れ去ってもほぼそのまま存在し続ける

あるいは、ダークエネルギーは一定ではなく、時間とともに増えているかもしれない、「ファントムエネルギー」と呼ばれるこのシナリオでは、宇宙に存在する全てのものは原子に分解され、最後には構造のない空っぽの宇宙が残される

また、最終的にはダークエネルギーは時間とともに散逸し、宇宙は互いに引き合うようになるかもしれない、そして、やはり重力が宇宙を支配し、やがては宇宙が自ら潰れるという可能性も残されている、しかしこれは一般的には最も可能性の低いシナリオだと考えられている

2018年、すばる望遠鏡に取り付けた超広視野のカメラで約1千万の銀河を精密に観測した結果、宇宙を広げるダークエネルギーはそれほど増えておらず、宇宙は現在の年齢138億年の10倍ほどの時間(約1400億年)は存在できることがわかった、という論文が東京大学国立天文台などのチームによって公開された

 

最後に:

現在の宇宙の拡大膨張に関連した、宇宙の履歴書とダークエネルギーについては、これにて終了です

しかし、やはり、宇宙関連分野で2記事というのは効率が悪いし、恐らく皆様方は未だ満腹には至っておられないでしょうから、正体不明の暗黒物質ダークマターについて、もう1記事アップさせて下さい

 

読みづらい内容にお付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です

 

 

 

以上です

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

 

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia