なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その15:ノーベル賞シリーズ ➡ パウリの業績&生涯とニュートリノ振動の発見!

ノーベル賞シリーズ ➡ パウリの業績&生涯とニュートリノ振動の発見!

 

 

ニュートリノには3種類(電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ)があり、それは生成時に決定され、その特徴は:

電荷ゼロ、スピン1/2、質量あり(当初はゼロと予測)

で、パウリによりその存在が予言された(1930年)

ここでパウリ [1900-1958] の業績&生涯をザッと見てみよう

Wolfgang Pauli young.jpg ハンブルク時代のパウリ

 

パウリの業績&生涯:

1924年、新たな電子の自由度モデルを提案した、おそらく彼の仕事の中で最も重要なパウリの排他原理である、この原理は2個以上の電子は同一の軌道状態を占める事は出来ないというものであった、その後、スピンのアイディアが考案され、パウリの提唱したこの自由度が電子のスピンに相当することが明らかとなった

電子は1つの軌道には、お互いに逆向きのスピンをもつ2個の電子しか入ることができない、この2個の電子は電子対と呼ばれ、磁場を掛けると分離する:

磁場中では、電子のエネルギー順位は電子スピンの影響で分離し、マイクロ波を吸収すると励起する

上記の日本語 2個以上の電子 表現は、電子は同一軌道状態にスピン1/2の粒子は2個まで入るのに紛らわしい! 否定文でなく肯定文で書かないと、日本語は分かりニククなるのである、あと「以上」の言葉も要注意なのである、「まで」を使うべきである、ムフッ!

もちろん±1/2の状態には一つのみ入る(許される)

スピン1/2のニュートリノも同じ、と私は思っていますが、、、

1930年、パウリは放射性同位元素の原子核崩壊で中性粒子が存在することを予言した、それまで知られていない中性(電荷を持たないという事)な粒子を明言し、1934年にフェルミが、パウリの提唱した中性粒子にニュートリノ命名し、ニュートリノは1959年になって初めて実験的に観測された

1945年、パウリはアインシュタインの推薦によりノーベル物理学賞を受賞している

パウリは実験が下手であり、よく実験装置を壊していた、パウリが実験装置の近くにいるだけで装置が壊れるという伝説が広がり、彼のこの奇妙な能力に対してパウリ効果という名称が付けられていた、パウリ自身もこの評判を知っており、パウリ効果が現れるたびに喜んだ

物理学に関してはパウリは完全主義者として有名だった、この性格は彼自身の研究だけでなく、同僚の仕事に対しても発揮された、結果的にパウリは「物理学の良心」として物理学のコミュニティの中に知られるようになり、彼の批評を受けた同僚は彼の疑問に答える義務を負うこととなった、パウリは自分が欠点を見つけた理論はどんなものでも ganz falsch(完全な間違い)とレッテルを貼って酷評することがあった

ユダヤ人であったパウリはアメリカに逃れ、終戦後チューリッ匕に戻り生涯を過ごした、晩年は癌を患い、助手が入院していたパウリを見舞った時、パウリは彼に「部屋の番号を見たかね?」と尋ねた、彼の病室の番号は 137 だった、彼は生涯を通じて、微細構造定数が 1/137 に近い値を持つのは何故か、という疑問を考え続けていた

微細構造定数とは、電磁相互作用の強さを表す数字で無次元であり定数(コンスタント)になる、似たような考察は相対的電子方程式で有名なディラックもしていて:

ディラック1937年、以下のように幾つかの基礎的な物理定数から求められる無次元数に10の40乗(またはその2乗)という値が現れることに気づいた(大数仮説):

陽子ー電子間の電磁気力と重力の強さの比

宇宙の年齢と光が陽子の半径を進む時間の比

宇宙に存在する陽子と中性子の数

これに対してディラックは、これらは偶然成り立っているのではなく(何らかの必然で)、常に成り立っていると考えた、この仮説が正しい場合は、物理定数も宇宙誕生以降、時間の経過とともに変化してきている、ということになる

う〜む、、、しかし面白い! 1/137と10の40乗ですか!

 

そして、ニュートリノ振動の発見:

ニュートリノ振動とは、3種類のニュートリノ間(電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノ)で状態が遷移する(振動する)という事

この振動は、1957年以降、色々なモデルで予測はされていたが、実証が困難であった(何しろニュートリノで、自分自身も含め、ほとんどの物質との相互作用が無いからである)

http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/sk/gallery/wmj/sk_02-wmj.jpg スーパーカミオカンデ

1998年スーパーカミオカンデが大気から降り注ぐニュートリノを観測することによって、この振動現象が実証された、ニュートリノ振動が観測されたことにより、従来のニュートリノの質量をゼロとするモデルには何らかの修正が必要であることが示され、観測精度を一層高めた今後の研究結果が待たれている

2015年梶田 隆章(かじた たかあき)はアーサー・マクドナルドと伴にニュートリノ振動の発見でノーベル物理学賞を受賞している

この「ニュートリノが質量をもつことを示すニュートリノ振動の発見」は、梶田の師であった戸塚洋二を中心として行われた研究成果であり、梶田は戸塚の後継者としてノーベル物理学賞を受賞する形となったが、戸塚本人は2008年に癌で亡くなっており、もしも戸塚が生きていれば梶田との共同受賞は確実だったと惜しまれた、梶田自身もノーベル物理学賞受賞発表時の記者会見の場において、「戸塚氏が生きていたら共同受賞していたと思いますか」との質問に「はい、そう思います」と即答している

 

宇宙の質量&エネルギーのうち、暗黒物質は26.8%を占めているが、これがニュートリノではないか?の考察は:

ニュートリノは熱い暗黒物質の代表例で、暗黒物質は冷たいとされているので不利なのですが(冷たいとは、暗黒物質生成時に相対的に遅い速度で生成された、の意味)

従来ニュートリノの質量は0であると思われていたが、1996年から1998年にかけての東大宇宙線研究所による観測によって質量を持っている事が証明された

ニュートリノは宇宙全体に存在する数が非常に多い(計算では〜100個/cm3)ので、質量が10eV程度あれば暗黒物質の候補になるとされていた、しかしながら、ニュートリノ寄与は臨界密度の高々1.5%程度であることが分かってきたので、現在では主要な暗黒物質であるとは考えられていない、さらに、ニュートリノ暗黒物質の主成分だとすると銀河形成論的に困ったことがおこる、銀河団以下のスケールの構造が生まれなくなってしまうのである、これは、ニュートリノ同士の相互作用がほとんど無く互いに通り過ぎてしまい、圧力が生じないことによる

 

以上、すべてWikipedia東京大学宇宙線研究所さんからの引用と参照でした

 

 

 

以上です

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 本ブログ題名「なぜ地球磁極は逆転するのか?」と件名「太陽黒点数の推移を追う!」は内容に於いて一致しません。 これは、はてなブログ無料版を使っている上で成行き上そう成ってしまったからです。 これを回避するにはproに行くしかないそうです。 現在、proに移行する計画は無く、当面このままで行くしか無い状況です。 混乱させて大変申し訳ないのですが、よろしくお願い致します。

 尚、太陽の黒点に関する一般的な解説は、こちら: [太陽黒点 - Wikipedia]

 

最後まで読んで頂き、ありがとう御座いました。

 

 

 

免責:

本ブログにおけるデータハンドリングと解釈・プログラム作成・結果としての内容などに関し、本ブログ著作者はいかなる責任を負うものでもありません。

引用:

[1] 国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測

[2] List of solar cycles - Wikipedia