11月度その3:気になる点シリーズ ➡ 中性子星の放射電磁波は、何故あぁまでもビームなのか? 追記あり
気になる点シリーズ ➡ 中性子星の放射電磁波は、何故あぁまでもビームなのか? 追記あり
現在、この黒点サイトでは、私事ですが忙しくなって来たもので「太陽黒点数の推移を追うシリーズ」のみを扱っております、数カ月前までは「木星衝合と巨大地震の相関を追うシリーズ」や「地磁気と地震の相関を追うシリーズ」等もやったのですが、木星や地磁気はかなりの集中力とエネルギーが必要で、とても現在の私の状態では扱えないのです
しかしながら、ベッドで寝っ転がっていると漠然と頭に浮かんで来る疑問がありまして、それは私にとっての未解決問題なのです、例えば:
中性子星パルサーが放射する電磁波ビームは、何故あぁまでも指向性の高いビームなのか?
があります
そこで今回は「気になる点シリーズ」として、単発で、私にとっての未解決問題を取り上げてゆきたい、と思います、お付き合い頂ければ幸いです
1.中性子星は中性子で構成されていると思うけど、何故そんなに強い磁場が構成されるのか?
これは誰でも思う疑問でしょうが、 [中性子星 - Wikipedia] を読めば解決致します
中性子星は構造を持ち、そこでは、
地殻:およそ 1 km の厚さ。電子と自由中性子、からなる。
表面:大気の下にある層でおよそ数百メートルの厚さである。イオンと電子からなる。
大気:薄いプラズマ層である。厚さは 1 m 程である。
と言う訳で、電子・イオン・プラズマ状態ですから、これが高速回転すれば電流となり、磁場が生じます
2.私の疑問は最も単純なパルサーである事
[パルサー - Wikipedia] によれば、パルサーは、「放射のエネルギー源によっておよそ3種類のパルサーに分類されている。」
A. 自転のエネルギーによるパルサー。星が回転のエネルギーを失うことで放射のエネルギーをまかなっている。
B. X線パルサー。多くは近接連星系をなしており、片方の星からもう片方のコンパクトな星に向かってガスが降着することで、ガスの重力エネルギーが解放されてX線を放射する。
C. マグネター。極端に強い磁場を持ち、そのエネルギーが放射の源となっている。
このA.が私の疑問なのです、図示すれば(パルサーが自転により周期的に発光する原理):
User:Mysid, User:Jm smits - Made by Mysid in Inkscape, based on en:Image:Pulsar schematic.jpg by Roy Smits.
であって、回転する磁場があれば極めて指向性の高い電磁波ビームが生成される、という点をもう少し調べたい、と思います
3.ダイポールアンテナを調べてみる
上図におけるビームは電磁波であり、放射される電磁波の指向性はアンテナ構造から調べられますので、[ダイポールアンテナ - Wikipedia] を調べてみますと、共振回路のコンデンサの形状がダイポールアンテナになるgifが載っております
By Averse
これはダイポールアンテナに電流が流れ、ダイポールアンテナの周囲に磁場が出来、磁場と直交して電場が出来、よって磁場と電場の交互の振動が電磁波として放射伝搬される図です
ここでパルサーの場合は、ダイポールアンテナの逆モデルと考えられます
4.パルサーにおける回転棒磁石放射モデル
パルサーの地殻・表面・大気には電子・イオン・プラズマが有りますので、回転するパルサーは電流が発生し磁場を形成します
この結果、パルサーはダイポール磁石、即ち棒磁石と見做せます、ここで、回転し歳差運動する棒磁石は電磁波を放射するのです、振り返れば、マクスウェルが1864年に発見した方程式にこの振動する棒磁石は電磁波(光、ですね)を発生させ電磁波は伝搬する、が組み込まれているのです
従って、回転軸と棒磁石の極座標位置がズレていれば、棒磁石は回転歳差運動しますので、電磁波を放射する事になります
これは回転のエネルギーが指向性の高いビーム型電磁波に変換される訳で、やがて回転エネルギーは消耗し、回転速度は低下する事になります
観測される電磁波ビームの波長を調べれば、回転歳差運動の周期が分かるのではないか、と思われます
追記:2020/11/10 16:45 ⬆ これは間違いでした
1967年ジョスリン・ベルとアントニー・ヒューイッシュにより発見された最初のパルサーCP1919は、Aタイプであり、周期1.3373sec、パルス幅0.04secで観測されており、周期は最初から分かっていたのでした!
何故、あぁまで指向性の高い電磁波ビームが?の疑問は、それだけパルサーの磁場が強い、という事でしょう
尚、棒磁石と回転軸が一致した場合には、電磁波ビームは放射されない事になります(歳差運動を起こさないから)
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました