11月度その4:気になる点シリーズ ➡ 何故、背弧海盆は西太平洋に見られ、東太平洋には見られないのか?
気になる点シリーズ ➡ 何故、背弧海盆は西太平洋に見られ、東太平洋には見られないのか?
現在、この黒点サイトでは、私事ですが忙しくなって来たもので「太陽黒点数の推移を追うシリーズ」のみを扱っております、数カ月前までは「木星衝合と巨大地震の相関を追うシリーズ」や「地磁気と地震の相関を追うシリーズ」等もやったのですが、木星や地磁気はかなりの集中力とエネルギーが必要で、とても現在の私の状態では扱えないのです
しかしながら、ベッドで寝っ転がっていると漠然と頭に浮かんで来る疑問がありまして、それは私にとっての未解決問題なのです、例えば、昨日に続きまして:
何故、背弧海盆は西太平洋に見られ、東太平洋には見られないのか?
があります
そこで今回は「気になる点シリーズ」として、単発で、私にとっての未解決問題を取り上げてゆきたい、と思います、お付き合い頂ければ幸いです
1.背弧海盆とは何か?
この説明が結構難しい、例をもって説明するのが良さそうだ、日本海はかって背弧海盆として成長し現在は拡大を停止している、また四国沖には四国からマリアナ諸島にまで達する広大な四国海盆と称される背弧海盆があり、これも拡大は停止している
一方、沖縄背弧海盆(沖縄トラフとも言う)は現在拡大中の背弧海盆であり、マリアナ背弧海盆も同様である
以下は、沖縄背弧海盆である、背弧海盆には必ず火山列が生成される
2.背弧海盆生成のメカニズムとは
これがまた分かりやすい図が見当たらず、JAMSTECさん [熱いアセノスフェアの流入が沈み込むプレートに高温をもたらす ―日本海の成因解明につながる、マグマからの証拠を発見―<プレスリリース<海洋研究開発機構 | JAMSTEC] の図が一番分かりやすい
沈み込み帯でマグマが発生するメカニズム。沈み込むプレート(スラブ)からマントルへ放出される水はマントル物質を溶けやすくする。その結果、マントル物質が部分的に溶けて、マグマが発生する。そのため、沈み込み帯のマグマにはマントル由来成分とスラブ由来成分の2つの成分が含まれている。
要するに地殻の下に沈み込む海洋プレートが、摩擦でマグマを形成し、これが火山列となり、地殻を弧状に切り離す動作、なのである
3.どこに背弧海盆は有るのか?
[背弧海盆 - Wikipedia] より、活動中の世界の背弧海盆(BABと言う)を示すと:
Zyzzy2 at the English Wikipedia
であって、太平洋西側に集中し、太平洋東側には一個も存在しないのである!
これが何故か、が本日の気になる点なのです
「地殻の下に沈み込む海洋プレートが背弧海盆を作る」のであれば、北米はともかく(北米太平洋沖には沈み込んで来る海洋プレートは存在しないから)、南米太平洋側に在ってもよいハズなのである
[プレートテクトニクス - Wikipedia] によれば、
By USGS, Washiucho
であって、南米太平洋沖にはナスカプレートがあり、これは東進する海洋プレートで、南米大陸の下に沈み込んでいるのである
4.結論
結論として、背弧海盆を生成するか否かは、地殻を含むプレートと海洋プレートとの力関係に依存する、と言えよう
南米プレートは大西洋中央海嶺に押されて西進しており、これは東進するナスカプレートより強く、大きくアンデス山脈を生成し、ナスカプレートはアンデス山脈の下に沈み込む
このような状況下では、とてもナスカプレートがアンデス山脈を弧として切り出すだけの力は無いのである
一方、太平洋西側の地殻は大きく東進する力はなく大きな山脈もない、このような状況下では、西進する太平洋プレートは地殻の下に沈み込み、容易に地殻部分に火山を生成し、地殻部分を弧として切り離せるのである
以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました