なぜ地球磁極は逆転するのか?

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3月度その5:地球磁極の逆転シリーズ➡地磁気エクスカーションとは?

地球磁極の逆転シリーズ➡地磁気エクスカーションとは?

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

 

ここで最近、地磁気エクスカーションなるキーワードが出て来まして、今回はこれを取り上げよう、とするものです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

地磁気エクスカーション [Geomagnetic excursion - Wikipedia] 英語版からの紹介です

 

地磁気エクスカーションとは

地磁気逆転(Geomagnetic reversal)のように地球の磁場が劇的に変動する現象を言うが、地磁気逆転のように地球z全体で長期に渡り逆転する現象ではなく、一時的な変動であって45°程度磁極位置を(現在位置から)変動させる場合もある

地磁気イベントとかエクスカーション・イベントとも言う

むふ〜、知りませんでした!

エクスカーション・イベントは通常数千年から数万年続き、地球磁場を通常の場合に比べ0〜20%程度にまで弱める

逆転と異なりエクスカーションは地球規模で記録される事はなく、地球全体における磁場変動とは異なるものである

しかしながら、例外はある

そうですか、例外が、、、

 

現象の発生としては:

近年の地球物理を除いては、過去におけるエクスカーション発生頻度は分かっていない

容易に磁場方向の変動が観測できる地磁気逆転と違って、比較的期間の短いエクスカーションは記録上見逃され易い

最近の研究では、77万年前に起きた最後の地磁気逆転(松山-ブリュンヌ逆転)から現在までに12回のエクスカーションが発生した、とされる

という事は、平均6.4万年に1回のエクスカーションですか

 

考えられる原因としては:

不安定なエクスカーション発生原因の仮説は、地球内部のダイナモ(発電機の事:地磁気発生の原因は、自転する鉄を主体とする地球コアが発電機ダイナモの動作をして地磁気を発生している、とされる)の不安定性にある、とするもの

また、地球コアは内核が個体の鉄・外核は流体の鉄なのだが、エクスカーションはこの外核コアにおいてのみの磁極逆転現象であって、地磁気逆転を起こす場合には外核内核ともに磁極逆転を起こし安定的に地磁気が逆転する、とする仮説もある

なるほど〜

 

以下は地球の内部構造:

f:id:yoshihide-sugiura:20210304184256p:plain

地球の外核内核:[直近の地磁気逆転、2万年かかった 「チバニアン」地層で解明 | Science Portal - 科学技術の最新情報サイト「サイエンスポータル」] より、ちなみに77万年前の地磁気逆転(松山-ブリュンヌ逆転)には2万年かかっているのである

 

以下は、外核内核の磁力線シミュレーション結果:

コンピューターシミュレーションによる地球の核の内部。

コンピューターシミュレーションによる地球の核の内部、Aubert et al./IPGP/CNRS Photo library [GPSが不正確に ── 地球の磁極はますます速く移動している | Business Insider Japan] 、2019年の記事ですが、核の磁力線コチャゴチャ感が最もよく出ていたのでアップしました、説明は無いが、恐らく外核のオレンジが弱く内核の赤紫が強い磁力線

 

そうして、2012年の論文 [Ice age polarity reversal was global event: Extremely brief reversal of geomagnetic field, climate variability, and super volcano -- ScienceDaily] によれば

4万1千年前頃、急速にかつ完全な地磁気逆転が起きた、ドイツの地磁気学者が黒海の堆積物コアから発見した、この時期は最終氷河期に当り、南北の磁極は完全に逆転したのである

加えて、北大西洋・南太平洋・ハワイから採集されたデータからも確認され、この地磁気逆転現象が地球レベルでの観測事象であった事が示された

ふむ〜

最も特筆すべきは、逆転のスピードである

「逆転現象の動作は約440年ほど続いた、そして磁場強度は25%程度に弱まった」

としている

「実際に逆転した期間はたった250年ほどである、これは地磁気の動作としては異様に短く、かつこの間の磁場強度は5%ほどだった、従ってこの間、地球は宇宙線に対するシールド効果を失い強い宇宙線を浴びた事になる」

そういう事ですね

この事は、グリーンランド氷床堆積物から発見された宇宙線によって生成される放射性元素Be10の異常増加から確認されている

なるほど〜、C14では半減期が短すぎて、4万1千年には届かない

これは45年ほど前からフランスの村ラチャンプで発見された、ラチャンプ地磁気エクスカーションとして知られていたものであるが、データ量が少なかったのである

そして、巨大火山噴火をもたらした:

黒海における堆積物の分析から、3万9千4百年前のナポリ近郊における巨大火山噴火が確認されている、350km四方にも及ぶ容量の岩石と火山灰が東地中海からロシア中部にまで噴火で広がったのである

何故、巨大火山噴火に至ったのか?と言えば、上の図から地球内部は相当に乱れていて、マントルも影響を受けて巨大火山爆発を起こしたのだろう、と考えるしかないだろう

 

 

まとめ:

1.私は地磁気エクスカーションなるものを知らなかったので、大変勉強になりました

2.ここから一月単位の定期更新の対象となるような地球磁極の逆転に関連するテーマが見つからないかな?と思っていたのですが、見つかりませんでした

これ、もう少し考えてみます

 

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です