なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

3月度その13:地球磁極の不思議シリーズ➡日本列島における地磁気の偏西と地球全体における地磁気強度の減衰!

地球磁極の不思議シリーズ➡日本列島における地磁気の偏西と地球全体における地磁気強度の減衰!

 

本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです

そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております

 

まだまだ定期更新可能なテーマではありませんが、地磁気の偏西と地磁気の強度減衰についてまとめておきたい、と考えております

日本列島における方位磁石の偏角は西に偏る偏西であり、この原因はバイカル湖北部にける磁場強度が増加している為である事を記事にしましたが、地球全体としての磁場強度は減衰している事は皆さまご存知の通りで、この辺りをまとめたいと思います

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

有名な気象庁さんのサイト [地磁気観測所|基礎知識|地磁気] から図を引用しており、ご存知の方も多いかと思います

 

1.日本列島における地磁気の偏西

東京で磁石の針が示す方向(地磁気偏角)は、現在は北から7度西ですが、伊能忠敬が地図を作製した200年前はほぼ北を向いていました。350年ほど前に来朝したオランダ船の記録は、約8度東だったことを示しています。このことから日本付近の偏角は、この350年で東から西へ15度ほどずれてきたことがわかります。このような地磁気が数十年から数百年という長い間に変化することは世界中でよく知られており、これを地磁気の永年変化とよんでいます。永年変化は場所によりその変化の様子は様々ですが、これは地磁気の地球規模での空間パターンが変化していることを示しています。

図1:柿岡における偏角の永年変化

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日本付近で測定された観測値をもとに柿岡での偏角に引き直したもの

この原因は、1800年以降バイカル湖北部に強力なS極が発達してきたからで、

図2:地表の磁場強度分布図(全磁力2000年)

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バイカル湖北部の黄色い部分が日本列島における方位磁石を西方へ偏角させている事は前にも述べた通りです、2000年当時の磁北極と磁南極位置を緑丸黒縁で示しています

図2を見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が明白に分かります(磁北極直下には存在しない!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です

このマップは見やすい、と思います

 

2.地磁気強度の減衰

一方、

外核起源の磁場の形は地球の中心に南北方向の棒磁石をおいた場合と似ていますが、その棒磁石の強さが少なくとも最近200年間減少を続けています。この変化は何万年以上にもわたって繰り返されている増減のほんの一部を見ているにすぎず、このまま地磁気がなくなってしまうわけではないと考えられます。

 図3:地心双極子(地球磁場を棒磁石と見なした磁力)の減少

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ここで地心双極子なるものを説明する必要があります、[地磁気 - Wikipedia] より、

地球の磁場を磁気双極子(完全なる棒磁石)としたとき、地磁気の分布が観測された分布図と同じになる棒磁石の長さ方向への延長線が地表面へ出てくる2地点である。地磁気極は地球の中心に対して対称な位置にある。

であって、磁北極や磁南極(図2の緑丸黒縁)とは異なります! 地磁気極は京都大学さんサイトより、

図4:北半球の地磁気極を示す、磁極とあるのが磁北極で図2の緑丸黒縁であり、両者は異なる!

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そして、

図5:南半球の地磁気極を示す、磁極とあるのが磁南極で図2の緑丸黒縁であり、両者は異なる!

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何のためにこんな複雑な(紛らわしい)地磁気極表現が必要なのか?と言うと、それは図3を取る為、と言っても過言ではない!

地球全体としての磁場強度を求めたい(ローカルな場所単位ではなく)とした時には、完全なる棒磁石モデル近似が必要なのである!

結果、我々は、地球全体としての磁場強度がほとんどリニヤに1800年以降減衰している、事を知るのである(図3)

バイカル湖北部の磁場強度が1800年以降増加の一途をたどっているって? それはローカルな話であり、地球全体としては減衰しているのである

 

 

 

以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました

感謝です