地球磁極の不思議シリーズ➡ESAより、南米大陸の磁場強度が異常に弱いミステリー!
本サイトのタイトルは「なぜ地球磁極は逆転するのか?」ですが、地磁気に関しましては定期的な更新対象にはしておりませんでした、理由は、定期的な記事とするには難しすぎたからです
そこでナントカ定期更新可能なテーマを見つけたい、と現在四苦八苦しております
しかし、宇宙の徒然を語るブロガー「まさき りお(id:ballooon)」さんからESAサイトを教えて頂きまして、そこでSWARMという地磁気探査専用の衛星3基がある事を知り、SWARMサイトからまだご紹介したい情報がありまして、もう少しESA/SWARMからの記事アップを続けたい、と考えています
まだ、しばらくは定期更新テーマの発掘などではなく、世界の地磁気サイトを勉強する段階なのである、という認識を新たにした次第です
お付き合い頂ければ幸いです
まず基本情報として地球表面の磁場強度マップ2020年です
地表の磁場強度分布図(ESAより)青が弱く赤が強い
2020年の磁北極と磁南極(方位磁石が90°下を向く)をNOAAより緑丸で示す
マップを見れば、磁場強度が強い領域は、カナダ東部・バイカル湖北部・南極大陸オーストラリア直下、の3箇所である事が分かります(磁北極直下は弱い!)、カナダ東部とバイカル湖北部はS極、南極大陸はN極の磁場です
これは基本中の基本観測情報、です
そしてESA(European Space Agency)さんのサイトより
[Mysterious weak spot in the Earth's magnetic field is spreading: ESA - YouTube]
ESAは3基の衛星を使い地球磁場を観測しており(これをSWARMと言う)、その観測結果のひとつを News Direct が2020/07/01にアップした動画で、1分34秒の英語
題名は「拡大するミステリアスな地磁気弱小スポット」
英語ですので、要所要所をスクショ&翻訳し、説明して行きます:
赤は極めて弱く黄は弱い
図2:34秒、そもそも地球は内側から、内核・外核・マントル・地殻・地表の順で構成されているの図
内核は個体の鉄、外核は流体の鉄、であり、これらが磁気を帯びる事で地球は磁石となり、磁気シールドを地球外に張って、太陽風(陽子&電子)を跳ね除けている
この図でオレンジ&ダークオレンジのマントルが、あとの説明で重要となる!
図3:38秒、地球棒磁石が太陽風を跳ね除け磁気シールドしている図
地球赤道は最も強く(遠距離で)磁気シールドされているように見える
図4:54秒、外核で加熱され、湧き上がって来るマントル・プルームの図
マントルは外核で加熱されマントル・プルームの塊として湧き上がって来ている
ここでは南米を挟んで2箇所のマントル・プルームが示されている
図5:1分03秒、ひとつは南太平洋にあるの図
この辺りは火山が多かったか?
図6:もうひとつはアフリカ直下にあるの図
確かにアフリカ地溝帯にはマントル・プルームが地表に現れている場所があったと思う
これら南米を挟むマントル・プルームが地磁気異常弱小スポットを形成する原因ではなかろうか?と考えられ始めている、と結んでいる
考察:
1.ここで示されるマントル・プルームがすべてのマントル・プルームではないだろう、と思われるが、面白い着眼である
マントル・プルームが形成されるには外核が加熱される必要があり、外核が加熱されているという事は、外核は鉄の液体であるから、大規模な対流が外核で生成されている事を示すのである
2.マントル・プルームそのものは鉄ではないので磁気は帯びない、その下の外核は磁気を帯びる、従ってマントル・プルーム直下の外核部分は加熱されており、その結果、この部分の磁場が弱くなり南米の地磁気強度が異常に弱くなっている、と考える
3.外核の対流構造に、磁気を帯びる、弱くする(もしくは強くする)原因があるのでは?という発想は期待できる!
4.何故なら、回転する地球コアが鉄だから電流が流れ磁場が発生する、という単純な発想では地磁気逆転は説明できないからである
太陽は正確に11年単位で磁極を反転させている、その原因は対流にある、地球はそこまでの周期性をもって磁極を逆転させていないが、外核の対流に持ち込めれば明るい未来が見えて来る、というものである
以上、お付き合い頂きまして、誠にありがとう御座いました
感謝です