なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その11:地球磁極の不思議シリーズ ➡ オーロラは電離層で光るというけれど電離層って何だっけ?バンアレン帯内側と何が違う?

地球磁極の不思議シリーズ ➡オーロラは電離層で光るというけれど電離層って何だっけ?バンアレン帯内側と何が違う?

 

カナダの地磁気振動や変動を離れ、オーロラ帯を追います

宇宙の徒然を語るブロガー「まさき りお(id:ballooon)」さんから先日のオーロラ記事についてコメントを頂き、

オーロラは極近傍ではなく、ドーナツ状に現れるんですね~?
確かに土星木星もやはりドーナツ状にオーロラが観測されているんですよね~?

その通りでして、オーロラは下降する磁力線にまとわり付くプラズマ粒子が電離層で光るのですが、この電離層とバンアレン帯の内側ベルトとの関係が分からない、同じなのかどうか?少し調べておこう、という訳です

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

地表の磁場強度マップ2020年

ESAより地球全体を示せば、

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IGRF-13より北極サイドを示せば、

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当ブログの磁極逆転モデルは:

1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである

2.この1ビット・メモリー書き換え可能外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる

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3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである

 

当ブログの磁気圏モデルは:

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朝方と夕方の地球磁力線モデルとは、

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地磁気方向定義とは

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[オーロラ - Wikipedia] より引用すると:

オーロラは完全な両極点近傍ではあまり観測されない。

地球の磁極を取り巻くドーナツ状の領域に発生する。オーロラの発生している領域を「オーロラオーバル」と呼ぶ。昼夜を平均すると地磁気の緯度でおよそ60度から70度のあたりにオーロラがよく発生するので、この領域を「オーロラ帯」(オーロラベルト)という

オーロラ帯(赤領域)地磁気極を中心とする楕円である。青点は北極点、赤点は地磁気極。

Wikiは言う:

この領域(オーロラ帯)にオーロラが発生するのは、オーロラ発光の原因であるプラズマ粒子がほぼ磁力線に沿って動く性質をもっているからである。

 

動画 NOAA [Aurora - 30 Minute Forecast | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] より2021-05-09をスクショで取ってみると

UTC時刻12:00では:

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であり、Wikiのいうオーロラ帯に近い形状である

 

ここで生ずる疑問は:

オーロラ帯とは電離層に属するものなのか?

オーロラ帯とはバンアレン帯に属するものなのか?

電離層とバンアレン帯は同じものなのか違うのか?

という事である

順を追ってWikiを調べよう

 

 

[電離層 - Wikipedia] より:

電離層とは、地球を取り巻く大気の上層部にある分子や原子が、紫外線やエックス線などにより電離した領域である

ふむ〜

熱圏(上空80km〜800km程度)に存在する窒素や酸素などの原子や分子は、太陽光線などを吸収する。そのエネルギーによって、原子は原子核の回りを回転する電子を放出し、イオンとなる。この現象を光電離という。この電離状態であるイオンと電子が存在する領域が電離層である。大気に入った紫外線などは、熱圏内で次々と原子や分子に吸収されていくため、繰り返し光電離が生じる。こうして熱圏内は電子密度の高い状態となっている。

但し、熱圏内の昼と夜で違うのだ

電離層は高度約60kmから500kmの間に位置し、電子密度の違いによって、下から順にD層 (60km - 90km)、E層 (100 - 120km)、F1層 (150km - 220km)、F2層 (220km - 800km) の4つに分けられる

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上の層に行くほど紫外線は強く、多くの電離が生じるため電子密度は大きく、下の層は電子密度が小さい。夜間は太陽からの紫外線が届かないため、電子密度は昼間よりも小さくなる。このため地球全体を取り巻く電離層は均質な球状の層ではない。

なるほど〜

最下層のD層は、夜間には太陽からの紫外線があたらないため、電離状態を維持することができずに消滅する。

またF1層とF2層も夜間には区別がなくなり一つのF層 (150km - 800km) となる。

オーロラが夜間によく出現するとすれば、それが電離層であれば、

E層とF層(90km〜800km)

という事になる

電離層で電離した電子とイオンが磁力線にまとわり付いて下降してくる、としよう

 

 

 

それではバンアレン帯を調べてみよう

[ヴァン・アレン帯 - Wikipedia] より

ヴァン・アレン帯とは、地球の磁場にとらえられた、陽子(アルファ線)、電子(ベータ線)からなる放射線帯。

ヴァン・アレン帯の二重構造。内側の赤色の領域は陽子が多く、灰色の領域は電子が多い。

ヴァン・アレン帯は地球を360度ドーナツ状にとりまいており、内帯と外帯との二層構造になっている。赤道付近が最も層が厚く、極軸付近は層が極めて薄い。

内帯は赤道上高度2,000 - 5,000kmに位置する比較的小さな帯で、陽子が多い

外帯は10,000 - 20,000kmに位置する大きな帯で、電子が多い

要するに、赤道付近では電離層の方が極めて低い(地表に近い)のである!

しかしながら、極地ではバンアレン帯も低くなって、

太陽風宇宙線からの粒子が地球の磁場に捕らわれて形成されると考えられている。電子は太陽が起源、陽子は宇宙線が起源とされている。

地磁気の磁力線沿いに運動しており、北極や南極では磁力線に導かれ、進入してきた粒子と大気が相互作用を引き起こすことによってオーロラが発生する。

オーロラはヴァン・アレン帯の粒子が原因であるため太陽活動が盛んなときは極地方以外でも観測されることがある。

地球以外にも磁場を持つ惑星である木星土星天王星で存在が確認されている。

進入してきた粒子(バンアレン帯の粒子)と大気が相互作用(電離層で電離している大気との相互作用)を引き起こすことによってオーロラが発生する

という事になりますか

 

 

 

バンアレン帯を読むと、オーロラはバンアレン帯が作る、となるのですがオーロラ帯を読むと

オーロラの発生している領域を「オーロラオーバル」と呼ぶ。昼夜を平均すると地磁気の緯度でおよそ60度から70度のあたりにオーロラがよく発生するので、この領域を「オーロラ帯」(オーロラベルト)という。

この領域にオーロラが発生するのは、オーロラ発光の原因であるプラズマ粒子がほぼ磁力線に沿って動く性質をもっているからである。

オーロラを起こす粒子の主な供給源はプラズマシートであり、ここから粒子が地球電離層まで磁力線に沿って進入すると、このドーナツ上の領域にたどり着く。

よって、オーロラ帯でオーロラが発光しやすいのである。オーロラの活動が活発なとき、オーロラオーバルは大きくなり、より低緯度側に現れる

プラズマシート(地球夜間部側に作られる)の粒子がオーロラの原因で、これが極地で電離層にまで届くと発光する、

となる違いはあるが、いずれにせよ電離層で発光する事は同じである

この辺りで止めておこう

 

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です