なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

7月度その4:カナダの磁場強度シリーズ➡オタワOTTの北方向磁場強度の年動作&日動作を追う!

カナダの磁場強度シリーズ➡オタワOTTの北方向磁場強度の年動作&日動作を追う!

 

 

7月は、カナダ・オタワの北方向磁場強度の年動作と日動作の3年間をまとめて報告します

年動作とは、3年間の1日における最大値と最小値を観測し、かつ、ここから最大値と最小値の差分を検出するものです、これは季節単位で振動します

日動作というのは、1日の磁場強度変化において最大値が得られる時刻と最小値が得られる時刻を測定します、これは3年間だいたい同じ時刻で最大値と最小値が得られています

現時点では、この日動作、何故おなじ時刻に最大値なり最小値が得られるのか?特に最小値はシャープに同じ時刻に出現している、この原因を探る事を目的としています

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

地表の磁場強度マップ2020年

ESAより地球全体を示せば、

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IGRF-13より北極サイドを示せば、

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当ブログの磁極逆転モデルは:

1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである

2.この1ビット・メモリー書き換え可能外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる

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3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである

 

当ブログの磁気圏モデルは:

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極地電離層における磁力線形状として:

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地磁気方向定義とは

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観測期間は、2018年7月から2021年6月までの3年間です

 

データは [Geomagnetism Canada] よりダウンロードしグラフ化しています

図1:1日の磁場強度の最大値と最小値を3年間プロット

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その差分は50nT程度である、全体としてオタワ北方向磁場は強まっているが、その差分に大きな変化は見られない(3年間では)

 

図2:最大値と最小値の差分

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図1から最大値マイナス最小値の差分グラフを取ると上図のようになる

差分は夏で約50nT程度、冬で約25nT程度である、元々のベース値が約18,000nT程度なので、変動量は夏で0.28%程度、冬で0.14%程度であり極めて微小ではあるが確実に季節変動(年動作)しているのである

この原因は未だ追わない

 

図3:太陽黒点数バーの詳細

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地磁気太陽風の影響を受け、太陽風黒点活動が活発な時に大きく発生する(CME等)と言われている所から、太陽黒点数バーを図2にアタッチしているが、上図のその詳細(内訳)である

図2と図3を見ると、特に太陽黒点数が増大した時に差分が大きくなるようには見えない、が、図2は差分最大値の表示をリミットしているのが原因である可能性がある

 

さて、ここからが当面の本題である、図2における最大値&最長値の観測時刻グラフを拡大して表示すると:

図4:最大値と最小値の観測時刻

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時刻は国際標準時UTCで、グリニッジにおける時刻と思って頂いてよい

UTC16時頃に常に最小値が観測されている、これは3年間を通じてであり、日動作としては常にUTC16時頃に北方磁場はオタワにおいて最小となるのである

一方、最大値はUTC21時頃に得られているが、ボケている(広がっている)

 

それでは、まずUTC16時頃に何が起きているのか、というと、

[Aurora - 30 Minute Forecast | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] より7月6日に予測されたオーロラ帯と太陽光とオタワ位置を示せば(3年間常にUTC16時頃に最小値なのだから何月何日でもいいのだ):

図5:ある日のUTC16:01における太陽光とオタワ位置と予測オーロラ帯

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時差は5時間であるので、オタワ11時頃であり太陽が南中する手前と見てよいだろう

即ち、太陽南中手前頃に北方向磁場は毎日最小となるのである

オタワと北緯90度を結んだラインをマジェンダで示してある、オタワにおける北方磁場強度であるから、このライン上の磁場強度が毎日オタワ午前11時頃に最小となるのである

上図を見ると、明らかにオタワ午前11時ではなくオタワ12時頃の方が予測オーロラ帯は薄くなるように見える

 

そこで17:00UTC(オタワ12:00)の予測オーロラ帯を見てみると:

図6:ある日のUTC17:00における太陽光とオタワ位置と予測オーロラ帯

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と、明らかにUTC16:00よりUTC17:00(オタワ南中時)の方が予測オーロラ帯は薄くなるように見えるが、最小値はUTC16:00付近で観測されるのである

この原因は現在の所、分からない

 

図7:ある日UTC21:00における太陽光とオタワ位置と予測オーロラ帯

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UTC21時はオタワ16時頃であり、夕方である、最大値の方は広がっていて最小値ほどのシャープさは無いが、夕方頃に毎日最大値が観測されるのである

オーロラ帯が太陽光に押されているのが分かる、本ブログではこれは太陽風が地球磁力線の層を押して楕円形にしており、昼側は磁力線層が薄くなり朝夕側は磁力線層が厚くなる、と考えています(何故、夕方に最大値が観測されるのかは不明ですが)

 

 

 

まとめ:

1.太陽南中時頃に北方向磁場は毎日最小値を示し、オタワの場合は夕方頃に最大値を示す、という観測結果である

 

2.原因としては、太陽風による磁力線層の圧迫(南中時)と、結果として磁力線層は楕円形状となり両側に磁力線層が広がる、という事が考えられるが、疑問点が生ずる

まず、南中時より約1時間前に最小値が観測される事、そして朝方ではなく夕方に最大値を観測しやすい、という2点である

この2点は3年間を通じて観測される現象なので、何らかの原因があるハズであり、当面はそれを考える事に致します

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です