7月度その13:地球磁極の不思議シリーズ➡電磁イオンサイクロトロン波動・EMIC波動って何だ?!
地球磁極の不思議シリーズ➡電磁イオンサイクロトロン波動・EMIC波動って何だ?!
昨日はドーンコーラスに始まってバンアレン帯の回転方向に関する疑問を提示したのですが、本日は、調べている最中に出てきた(記事には載せませんでした)「電磁イオンサイクロトロン波動・EMIC波動」なるキーワードについて調べてみました
お付き合い頂ければ幸いです
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
IGRF-13より北極サイドを示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
当ブログの磁気圏モデルは:
極地電離層における磁力線形状として:
地磁気方向定義とは:
電磁イオンサイクロトロン波動・EMIC波動とは?
で、まずは、
[イオンサイクロトロン波 | 天文学辞典]
から行きますと:
磁場内プラズマを伝搬するアルベーン波の一種。背景磁場に平行方向に伝搬するアルベーン波では、左偏波のイオンサイクロトロン波と右偏波のホイッスラー波が縮退している。周波数が高くなり分散性が現れるあたりから、ホイッスラー波とイオンサイクロトロン波を区別して取り扱う。
アルベーン波とは、磁場内プラズマ中を磁力線方向に伝搬する波で、波としては磁場強度の強弱で表現され、かつ横波です、要するに磁場が伝搬する磁場強度そのものの波、なのですが周波数が低い時には縮退している、との事です
何が縮退しているのか?と言うと、イオンサイクロトロン波とホイッスラー波である、と言っています
ここで、イオンサイクロトロン波もホイッスラー波も電磁波(要するに電波)を指しており、イオンサイクロトロン波がイオン及び陽子が螺旋運動して生成する電磁波、ホイッスラー波が電子が螺旋運動して生成する電磁波、でしょう
さて、ここで記事:
[宇宙空間で電波を生み出す陽子の集団を発見 - アストロアーツ]
です、2021/07/16の名古屋大学宇宙環境研究所さん記事と真新しいです
ジオスペース探査衛星「あらせ」の観測データから、地球周辺の宇宙空間で陽子が電波を生み出し、その周波数を変動させる様子がとらえられた。
陽子ですから電磁イオンサイクロトロン波動、です
磁力線周囲を螺旋運動する陽子と生成される電磁波のイラストですが:
右側を拡大すると:
螺旋運動と電磁波の周波数が低下するケース(上:黄と緑の間隔が延びている⬅周波数が低減している)と周波数が変化しないで一定の場合(下:黃と緑の間隔が一定)が検出された、としています
さて、関連する話題として、JAXAさんの「宇宙空間でプラズマ波動を介した粒子加速を直接捉えた」
[https://fanfun.jaxa.jp/jaxatv/files/20180907_mms.pdf]
2018年9月11日の記事によれば:
EMIC波動(電磁波を指している)の周波数と粒子(JAXAさんの例ではH+とHe+イオン)の回転方向が一致するとサイクロトロン共鳴を起こし、サイクロトロン共鳴を起こすと、
1.波動が励起され粒子は減速する
か、
2.粒子が加速され波動は減衰する
のどちらかの現象を起こす、としています
JAXAさんのケースでは、H+イオンでは粒子減速、He+イオンでは粒子加速が観測された(世界初)、としています
掲載されている図と説明を付記しますと:
H+イオンは減速し➡EMIC波動(電磁波)が励起(増幅)され➡He+に伝達されてイオンが加速する、の図と言えます
私の結論としては:
アルベーン波とは磁力線方向に伝搬する磁場強弱の横波であり➡周波数が上がると(エネルギーが増大すると)➡縮退が解けて分散が始まる、分散は陽子及びイオンが「イオンサイクロトロン波」電子が「ホイッスラー波」として出現する
という事が理解できたのが大きかったです、ちなみに分散が始まる周波数の事を「ジャイロ周波数」と言うそうです
プラズマの世界は、知らない用語だらけです!
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です