なぜ地球磁極は逆転するのか?

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7月度その15:地球磁極の不思議シリーズ➡MHD発電とドリフト電子のトラップと・・・!

地球磁極の不思議シリーズ➡MHD発電とドリフト電子のトラップと・・・!

 

本日は、かねてから気になっていた「MHD発電」について、これがドリフト電子をトラップしているのか? の辺りを述べさせて頂きます

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

地表の磁場強度マップ2020年

ESAより地球全体を示せば、

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IGRF-13より北極サイドを示せば、

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当ブログの磁極逆転モデルは:

1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである

2.この1ビット・メモリー書き換え可能外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる

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3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである

 

当ブログの磁気圏モデルは:

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極地電離層における磁力線形状として:

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地磁気方向定義とは

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MHD発電とドリフト電子のトラップの関係:

 

まずMHD発電とは?

[MHD発電 - Wikipedia] の図が何とか分かるのですが、それでも文字が小さく英語でしたので説明を加えさせて頂くと:

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磁力線に直交してプラズマを流すと、磁力線・プラズマとも直交する方向に起電力が発生し、プラズマは曲げられて電流が流れる、という図です

右からプラズマが入力され、手前から後へ磁場が印加されていると、上下方向に起電力が生じ電流が流れる、となります

上図のプラズマは電子と陽子と中性子から構成されており、電子は上方へ、陽子は下方へ、中性子は力を受けずそのまま出てくる様子を示しています

実用化の意味では、非常に高いエネルギー効率は期待できるのですが:

高温流体を流すパイプ内の電極が腐蝕しやすいなどの問題が解決できず、耐久性が無く長期間の使用に耐えないという欠点は、瞬間的に大電力を発生させるパルス発電機としての使用法なら問題にならないため、非常用の電源や軍事目的として使用する方法が研究されている。

という事だそうです

地球磁気圏や宇宙空間はプラズマと磁力線で満たされており、効率の良いMHD発電が常態化しており、プラズマ流は直交する磁力線に巻き付く形の電流となる、と見てよいでしょう

 

 

 

ここで、カナダにおいて夕方に北方磁場最大値が観測されるモデル、東方へ移動するドリフト電子が地球磁力線にトラップされる現象もMHD発電の結果である、と考えて良く:

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地球磁力線は南から北へ向かっています

 

ここで問題点は:

1.トラップされる原理はMHD発電でOKだが、どうやって電子エネルギーが磁力線に伝達され磁場が強化されるのか?

2.そもそもトラップされた電子は磁力線に沿って北へ進むのか南へ進むのか、そしてその伝搬させる力は何か?

という疑問が発生します

 

関連する事項として、先日アップした「電磁イオンサイクロトロン波動」があります

Credit:JAXA

左側の図によれば、水素イオンH+は紫色の磁力線方向に螺旋運動をし(空色の電磁イオンサイクロトロン波動は磁力線方向とは逆に伝搬し)、中央の図を見て頂ければ、水素イオンH+はエネルギーを失って電磁イオンサイクロトロン波動のエネルギーが増大して(伝達して)います

 

ここに上記の2問題を解く鍵がありそうです

即ち「電磁イオンサイクロトロン波動」記事では、最近は宇宙ネタのクイズを書いておられるブロガー「まさき りお (id:ballooon) さん」が:

イオンと電磁波は逆?方向に流れてるんですか?

とコメントで指摘されている辺りに鍵があります

 

これを理解し解くには「アルベーン波」の理解が本質と思われ、[アルベーン波 | 天文学辞典] によれば、アルベーン波とは:

磁気プラズマ中で磁気張力を復元力として磁力線に沿って伝わる磁気流体波をいう。波の振動方向は進行方向に垂直となる横波である。

波の進む速度は磁束密度Bに比例する

私は、プラズマ中に磁力線が存在すれば、必ず「アルベーン波」が存在する、と思います

従って、地球磁気圏(電離層を含む)や宇宙空間における磁力線はアルベーン波振動を起こしているのです

アルベーン波もしくは電磁イオンサイクロトロン波もしくはホイッスラー波の振幅が増大するとは、磁束密度が高まり、従って磁力線は強化される事を意味します

上図では水素イオンH+のエネルギーが電磁イオンサイクロトロン波動(イオンによるアルベーン波の出現形態)に伝達されていますが、カナダにおける夕方はトラップされたドリフト電子のエネルギーが電子によるアルベーン波の出現形態であるホイッスラー波として伝達されているのではないか、と考えています

カナダで夕方に「小鳥のさえずり」が聞こえないのは、エネルギーが小さすぎるからでしょう!

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です