なぜ地球磁極は逆転するのか?

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8月度その10:突然ですがシリーズ➡遠方銀河の見かけの距離と実際の距離と観測可能な宇宙:まとめ!➡追記あり!

突然ですがシリーズ ➡ 遠方銀河の見かけの距離と実際の距離と観測可能な宇宙:まとめ!

 

二回続けて「突然ですがシリーズ」で、遠方銀河を観測する際の「見かけの距離」とルックバックタイムと「実際の距離」についての記事をアップ致しました

今回はまとめ、です

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

手順を追って述べれば:

1.赤方偏移

天体のスペクトルを分析し、極めて長波長側にズレた光を検出できれば大きな赤方偏移を持つ天体を発見した事になる

即ち、大きな赤方偏移を有する天体の検出が観測の第1歩である

 

2.ルックバックタイム

赤方偏移が分かれば何十億年前に輝いた天体であったのかが分かる、即ちルックバックタイムが分かる

天文学学辞典さんのデータより

[https://astro-dic.jp/wp/wp-content/uploads/09_%E8%B5%A4%E6%96%B9%E5%81%8F%E7%A7%BB%E3%81%A8%E5%AE%87%E5%AE%99%E5%B9%B4%E9%BD%A2%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E8%B7%9D%E9%9B%A2.pdf]

ルックバックタイム(Z=15まで)をグラフ化すれば:

図1:赤方偏移とルックバックタイムの関係

f:id:yoshihide-sugiura:20210817181202p:plain

であって、Y軸は時間であり距離ではない、何十億年前に輝いたのか、を示している

 

3.見かけの距離と実際の距離

ここで、赤方偏移と見かけの距離と実際の距離についてデータテーブルを開示しておられるサイトがあり(Z=9.9までですが)、

[redshift-distance relation] by isana kashiwai サイトでしてグラフ化すると:

図3:赤方偏移と見かけの距離と実際の距離

f:id:yoshihide-sugiura:20210817181808p:plain

この見かけの距離(青)は図1のルックバックタイム相当に光速を掛ければ距離となる数字だろう(図1の青と図2の青は同じ、という事)

Z=10の点で比較してみると:

図1➡132.4億年

図2➡133.35億年(光速を掛けて距離となる、図2のZは9.9ですが)

とほとんど同じである(元々、宇宙年齢が少し異なる!)

 

一方 [観測可能な宇宙 - Wikipedia] によれば:

地球から「可視」宇宙(宇宙光の地平面)の端までの共動距離は、あらゆる方向に約14ギガパーセク465億光年)である

共動距離って何だ?があるが、地球も観測限界である宇宙の端もどちらも動いている、という意味だろう

図2の実際の距離(オレンジ)は赤方偏移無限大で約465億光年となる

 

ここで遠方銀河 [UDFj-39546284 - Wikipedia] を例に取れば、赤方偏移Z=10.3で:

 見かけの距離  133.69億光年x光速(Wikiより)

 実際の距離      326.6億光年x光速(Wikiより)

であり、図2でZ=9.9の場合は:

 見かけの距離  133.35億光年x光速

 実際の距離      313.92億光年x光速

とほとんど同じである

 

ある日ある時ある時間に赤方偏移を観測すれば、そこからルックバックタイムが分かる

そしてルックバックタイムの間に宇宙は膨張しているから、ダークエネルギーダークマターといったパラメータを設定し一般相対性の方程式を解けば、ある日ある時ある時間における実際の距離が算出できる、この考え方は正しいだろう、課題はパラメータの精度や方程式を解く精度であろう(何しろダークエネルギーダークマターの実体がまだよく分かっていないのだから)

しかし、私にとって本当の問題は、赤方偏移からルックバックタイムを算出する際にもダークエネルギーダークマターが必要なのだろうか?なのである

宇宙年齢が必要である事は分かる、ハッブル定数が必要なのだろうか?辺りから分からなくなる

要するに赤方偏移からルックバックタイムを算出する式を知らないというだけなのだが、これはもう追うのを止めます

追記:2021/08/18 07:15

とは言ったものの、気になりだすと止まらないタチでして、東京大学さん「1.6 宇宙の年齢」2016年の記事(授業の内容と思われます):

[http://www.ioa.s.u-tokyo.ac.jp/~kkohno/seminar2/?plugin=attach&refer=H28_KadaiKenkyu&openfile=Kikuchihara_0418%28re%29.pdf]

に方程式が詳しく載っており、かつ、

赤方偏移Doppler shift は別物!

とあり、やはりそうだったか!赤方偏移ドップラー効果を含むがドップラー効果のみではない、という事なのだろう

という訳で、勉強してみます、結果は出せるとして9月になります

目的は、見かけの距離と実際の距離のグラフを出す事、その精度問題を調べる事、そして何と言ってもルックバックタイム計算または見かけ距離計算にダークエネルギーダークマターが入るのか?を調べる事です

 

 

4.最後にハッブルの法則である

仮にハッブル定数を75km/s/Mpcとすれば、ハッブルの法則が言っている事は:

図3:ハッブルの法則

f:id:yoshihide-sugiura:20210815134221p:plain

距離130.4億光年先の距離で後退速度は光速を超える

これは危険なのである!

ハッブルの法則宇宙膨張が影響しない程度の近距離に当てはまり、東北大学さんの資料「6.宇宙の構造と歴史」によれば:

[https://www.astr.tohoku.ac.jp/~saio/Astronomy/chap6.pdf]

f:id:yoshihide-sugiura:20210817193719p:plain

であって、後退速度が3000km/s(光速の1%)程度であれば、その距離最大で約50Mpc(1.63億光年の距離)で宇宙膨張の影響を考慮する事なく有効である、となります

 

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です