9月度その18 世界の北方磁場強度シリーズ➡電離層における磁場と電場と電流の関係を押さえておこう!
世界の北方磁場強度シリーズ➡電離層における磁場と電場と電流の関係を押さえておこう!
昨日は名古屋大学さんより「磁力線と粒子の関係」を学びましたが、本日は京都大学さんより「電離層電気伝導度について」を学びます
ここは磁場と電場と電流が関係する領域なので複雑ですが、これを理解しておかないと次に進めないのです
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と当ブログモデルと電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
IGRF-13より北極サイドを示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
当ブログの磁気圏モデルは:
極地電離圏における磁力線形状として:
地磁気方向定義とは:
電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
上図は昼の状態で夜から昼への移行モデルを示せば [Ionosphere - Wikipedia] より、By Carlos Molina
電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
ここからが本文です
京都大学さん [電離層電気伝導度について] によれば、
電離層はおおむね地上60~1000kmの高さで、 中性粒子が主に太陽紫外線によって荷電粒子 (電子と正イオン) に電離されるため、地球上空で一番 (自由)電子密度が高い領域である。 ここでは電波が反射、吸収、屈折されるほか、電流が流れやすくなっていて、 数日以下の速い地磁気変化を引き起こす電流のうち多くが流れている。 オームの法則はほぼ成り立つが、電気伝導度は地磁気の影響で非等方になり、 平行、ペダーセン、ホールの3伝導度が基本的な伝導度として定義されるほか、 場合により2次元伝導度も用いられる。
地磁気ベクトル・電場ベクトル・電流ベクトルの関係は:
平行伝導度 (Parallel conductivity)
磁力線に平行方向への電気伝導度を平行伝導度という。これは磁場がないときの伝導度と同じで、 ペダーセン、ホール伝導度よりも大きく、 特に電離層上部では数桁以上大きくなる (次図参照)。σ0と略記される。
ペダーセン伝導度 (Pedersen conductivity)
磁力線に垂直な電場による電場方向への電気伝導度をペダーセン伝導度という。 これは電離層より下の、 荷電粒子と中性粒子の衝突が極めて頻繁な領域では平行伝導度と一致する。 高さが高くなるにつれて荷電粒子の密度が増大することと中性粒子との衝突が減少するために高さ110-130kmくらいまでは増加するが、 さらに高い領域では衝突が希になることにより荷電粒子は電場と磁場双方に垂直な方向へ電場ドリフトするのみで、 磁力線に垂直な電場の方向にはほとんど動かなくなるために小さくなる。
σ1と略記される。
ホール伝導度 (Hall conductivity)
磁力線に垂直な電場による、 磁場と電場双方に垂直方向への電気伝導度をホール伝導度という。 荷電粒子が電場と磁場双方に垂直な方向へ電場ドリフトするのが原因であるが、 電場ドリフトの向きは電荷の符号によらないため、 電離層のように全体としては中性と見なせる媒質では、 正負両荷電粒子のドリフト運動の差がホール伝導度として現れる。 高さ90-130kmくらいの領域では、 正イオンは中性粒子と頻繁に衝突するためドリフトが妨げられるのに対し電子はより自由にドリフトするためホール伝導度が大きく、 向きは磁場の向きから電場の向きへ右ねじを回したときに進む方向となる。 これより下の領域ではそもそも荷電粒子密度が小さいことに加えて衝突により電子の電場ドリフトも妨げられるため、 上の領域では衝突が希で電子と正イオンがほとんど同じ速さでドリフトするため、 どちらでも非常に小さい。
σ2と略記される。
昼間の電離層電気伝導度の高さ分布例を示せば:
黒線、赤線、青線がそれぞれ平行、ペダーセン、ホール伝導度を示している。 電気伝導度は場所、時刻、季節、太陽活動度等により変化し、 例えば夜間には小さく特に電離層下部では数十分の1になり、 また、太陽活動度の変化に伴い数倍から10倍程度変化する。
という事になります
現地時間をLT(Local Time)と称するのですか、、、知りませんでした、これから使う事に致します、この図ではLT12時でUT3時となっていて、LTが先行する事9時間ですから、これは日本の例ですね
尚、伝導度(Conductivity S/m)の単位Sですが、
単位はS/m (=1/(Ωm))、 高さ積分されるとSである。
であってSは抵抗値の逆数ですから、横軸Sが大であるほど抵抗値は少なく電流が流れやすい状態となります
これに昨日学んだ「サイクロトロン運動」が加味されて、地磁気強度が決定される事になります
お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です