11月度その27 世界の北方磁場強度シリーズ➡GOES衛星-16EとオタワOTT、3日間の波形比較をする!⬅修正あり!
世界の北方磁場強度シリーズ➡GOES衛星-16EとオタワOTT、3日間の波形比較をする!⬅修正あり!
先日は、GOES衛星-16Eと17Wの平穏時3日間(11月18日〜21日)の保存データについて波形を比較しました
本日は、GOES衛星-16EとオタワOTTの同じ3日間の波形比較です
面白い結果が出ています
ので、ご報告です
首都オタワにあるカナダ国会議事堂(世界遺産)、
です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と当ブログモデルと電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
ESAより地球全体を示せば、
当ブログの磁極逆転モデルは:
1.地球は磁気双極子(棒磁石)による巨大な1ビット・メモリーである、地球内核は単結晶の固体鉄であって永久磁石として磁場方向を記憶している
2.この1ビット・メモリーは書き換え可能、外核液体鉄は鉄イオンと電子の乱流プラズマ状態であり、磁力線の凍結が生じ、磁気リコネクションを起こし、磁力線が成長し極性が逆で偶然に充分なエネルギーに達した時に書き換わる
[世界初!地球中心部の超高圧高温状態を実現 ~ようやく手が届いた地球コア~ — SPring-8 Web Site] さんの図に説明追加させて頂ければ:
3.従って地球磁極の逆転は偶然の作用であり予測不可でカオスである
地磁気方向定義とは:
電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
上図は昼の状態で夜から昼への移行モデルを示せば [Ionosphere - Wikipedia] より、By Carlos Molina
電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
[バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.まず、GOES-16EとオタワOTT磁力線パターンと緯度経度を確認です
図1:GOES-16EとオタワOTTを通過する磁力線パターン
G16EとオタワOTTの経度差は、わずか0.6度であり時差3分で、オタワOTTが西に位置しています
オタワOTTの磁力線高度は約1,943kmであり、電離圏を抜けてバンアレン内帯を通過しています
2.GOES16EとオタワOTTの波形、入力となる2波形3日間を取る
期間は比較的平穏であった11月18日から21日までの波形、です
図2:GOES-16EとオタワOTTの北方磁場強度の波形・3日間
両者の南中ラインを図に示してありますが、時差3分ですのでほとんど重なっています
Y軸は高さ400nTに揃えます、オタワOTTの値はマイナス・バイアスしています(-17,900nT)
両者の波形は見事に逆相となっています
3.南中マッチングを取り、両者の波形を重ねる
僅かな経度差ですが、GOES-16EがEast、オタワOTTがWestとなります、両者の波形を南中時で重ねると、
図3:南中マッチ後のEastとWest波形
となり観測期間は、ほとんど3日間であり、逆相です
4.各波形をフーリエ変換する
図4:East_GOES-16EのパワーFFTスペクトル
Idx4が周期1日24時間1440分のスペクトラムであって、Idx4成分の位相角を図中に示してあります
図5:West_オタワOTTのパワーFFTスペクトル
Idx4に続いて、Idx7、Idx10にもピークが出現し、各々の位相角を示してあります
周期表現した周波数成分は:
Idx4 ➡ 24h(基本波)
Idx7 ➡ 12h(2倍の高調波)
Idx10 ➡ 8h(3倍の高調波)
となり、オタワOTTでは基本波24hの高調波が観測されています
5.両者のIdx4正規化強度と位相角を円グラフにマップする
Idx4成分をより正確に数字で比較するため、正規化強度と位相角を円グラフ表現すると、
修正:2021/11/29 11:50
宇宙の徒然を語るブロガー「まさき りお(id:ballooon)」さんからコメントで、
これはIdx4のパワーがGOES16Eの方がオタワより3倍強いということですか?
なるご指摘を頂き、正規化数字では 1 vs 0.3、強度数字では2.1G vs 0.5G、と比率がだいぶズレている数字を出していました、これはR言語の四捨五入仕様がIEEE仕様に従うのが原因で、このようなケースでは小数点以下は最低2桁まで出さないとズレが出ることに気が付き、修正致しました(差し替えました)
結果、比率はどちらも約4倍弱で揃いました
修正終わり
図6:両波形のIdx4成分解析の円グラフ
となります、Gはギガで10の9乗です
驚愕すべきは、正規化された1.0は、GOES-16Eの方であったことです!
両Idx4のうち強い方を1.0として(正規化して)表現しています
図2・3を見て頂ければ分かるように、オタワOTTの磁場強度はマイナス・バイアス(-17,900nT)しており、GOES-16Eはそのままの波形で中央値が約100nT程度なのです
この条件下でGOES-16E基本波Idx4が、オタワOTTに比べエネルギー強度は約4倍弱も強いとは!
位相角は、見事に逆相であることを数値で観測表現しています
考察:
1.面白い結果です
FFTは振動成分を解析し(抽出し)バイアス成分(直流成分とかDC成分と言うことがある)を排除する、とは聞いていましたが、ここまで見事にフィルターが掛かるとは思っておりませんでした(実データでやると勉強になります!)
2.同じ経度で、高度35,786kmを通過する磁力線と北緯45.4度に着地する磁力線上の観測で:
・逆相になっている
訳でして、果して、オタワOTT磁力線が通過する高度1,943kmポイントで観測したらどのような相の波形が観測されるのだろうか、オタワOTTと同相か?はたまたGOES-16Eと同相か?という疑問が生じます
3.もっと基本的な疑問として、同じ磁力線パスではないのだけれども:
・何故、高度35,794kmと地上ではこうも北方磁力線強度が異なるのだろう?
・高度1,943kmで観測したら、オタワOTTと同レベルの18,000nT程度の磁場が観測されるのだろうか?
・北緯78.34度で観測したら、GOES-16Eレベルの100nT程度の地上磁場となるのだろうか?
と疑問は尽きません
4.オタワOTTのパワーFTTスペクトルで高調波が観測されるのは、電離圏とバンアレン内帯のプラズマ流により磁力線磁場が変動を受ける(変調される)ためで、GOES-16E磁力線の高高度と高緯度ではプラズマ流と磁力線の相互作用が極めて弱いため変動を受けにくい(高調波が発生しない)からである、と考えております
以上、お付き合い頂き誠にありがとう御座いました
感謝です