1月度その5 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間をFFT解析し比較する!➡追加あり!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間をFFT解析し比較する!➡追加あり!
世界各地の北方磁場強度の観測再開です
オタワOTTからとなります、結果は衝撃的なものでした!
尚、今回から「南中時」を止めて「LT12時」に変更致します
理由は、南中が日本独自の言い回しで、極地では適用できない、南半球では逆になる、という事が分かったためです
従って、南中時の反対である南中±12時を使う場合は「LT0時」を使います
又、本ブログで使用しているLTは経度から計算したもので、各国で行政上使われているLocalTime(現地時間)そのものとは異なります
追加:2022/1/8 05:45
オタワOTTのパワーFFTスペクトル図6の次に図6-1としてオタワOTTのIdx4とIdx7の位相円グラフを載せます、Idx4とIdx7の位相差は約180°であり、この二つの波はコヒーレントか?を思わせるからです
追加終わり
オタワのカナダ国会議事堂(世界遺産)、
です、何しろ手前を横切る警備員がイイです!
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
図a:ESAより地球全体を示せば、
図b:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図c:電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
図d: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.オタワOTTとGOES-16Eの磁力線パターンと緯度経度を確認
以下は、磁気双極子は地軸であるとした最も簡単な磁力線パターンです
図1:GOES-16EとオタワOTTを通過する磁力線パターンと緯度経度高度
オタワOTT磁力線は電離圏とバンアレン内帯と長く相互作用しています
2.続いてオタワOTT3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年1月2日から2021年12月31日の3年(365x3日)です
図2:オタワOTT3年間北方磁場強度変動グラフ
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
オタワOTTの北方磁場Xは、増加です
このグラフに現れたデータのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図3:オタワOTT最小値最大値の観測時刻カウント分布
UTは国際標準時UniversalTime、LTは現地時間LocalTime
オタワOTTは最小値カウント時刻が極端に集中する観測点で、磁力線がバンアレン内帯を長く飛行するからだろう、と考えています
3.GOES-16EとオタワOTTの波形3日間FFT解析比較です
G16Eがグリーン、オタワOTTがマジェンダです、平穏時3日の波形解析です
図4:1月3日5時15分〜6日5時14分(UT)両観測点の波形
Y軸高さは、300nTです
図4の波形よりG16EのパワーFFTスペクトルを取ると、
図5:
であって、ほとんどのエネルギーがIdx4周期24hに集中しています
一方、図4の波形よりオタワOTTのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
であって、何とIdx7の周期12hが最大エネルギー波となります
図6のIdx4とIdx7成分の位相円グラフを取りますと、
図6-1:追加 2022/1/8 05:45
これはオタワOTT内で閉じた単独の話ですが、Idx4とIdx7は約180°の位相差があり、これらはコヒーレントである可能性があります(Idx7はIdx4の2次高調波である、という事です)
元に戻り、図4の両波形をLT12時でマッチさせると(時差は僅か3分ですが)、
図7:
となり、
図7の両波形にFFTを掛けてG16Eは周期24h成分(グリーン)のみ、オタワOTTは周期24h(オレンジ)と周期24h+12h成分(マジェンダ)の波形を取り出し復元すると、FFT解析後の復元波形はバイアス成分が除去され振動成分のみとなって、
図8:
何と、両波形(グリーン vs オレンジまたはマジェンダ)は完全に逆相(約180°異なっている)事が分かります
オタワOTTの24h+12h合成波を見ると、12h波は逆相を特徴的に強めている事が分かります
即ち、24h波のアップを押さえ込み分散化しダウンを助長しています(結果、下に凸型の特徴的な波形となります:マジェンダ)24hに対し1/2周期の12hですから出来る技とも見えます
尚、確認のためG16EとオタワOTTのIdx4周期24h成分の位相差円グラフを出すと、
図9:
です
図7のLT12マッチ後の波形で両波形が逆相のように見える、ではどの程度の逆相なのか?を調べる時、図9の24h基本波の位相差が:
G16E-OTT=173.47°
であり180°に極めて近い、これによって同相逆相を定量化できるものと思われます
まとめ:
1.随分と回り道をしたように思いますが、LT12時マッチ後の周期24h基本波の位相差によって同相・逆相の程度が指標化できるものと思われます
2.これを世界各地の観測点に適用し、最終的に世界まとめマップにマップ致します
3.それにしてもG16EとオタワOTT-24h基本波の位相差が約180°もあるのには驚きました
4.オタワOTTのIdx7はIdx4の2次高調波で、Idx7はコヒーレンスである、の結論はたった3日の測定(それも初期位相)では分かりません
ですが、一月単位で離散的に例えば12ヶ月を取って位相差のバラツキが極めて狭ければ2次高調波である、従ってコヒーレンスである、と言えると思っております
従ってデータを溜めます、ここで1-3と4は別々の事柄を述べています
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!