1月度その11 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMOの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMOの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間をFFT解析し比較する!
世界各地の北方磁場強度の観測です
今回はフェアバンクス・カレッジCMO、北緯64.9°の観測点です
フェアバンクスはアラスカ州第2の都市でオーロラの聖地、
です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、地磁気一般と電離圏一般です
地表の磁場強度マップ2020年は:
図a:ESAより地球全体を示せば、
図b:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図c:電離圏S4シンチレーションマップはオーストラリア政府 [SWS - Section Information - About Ionospheric Scintillation] より
図d: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.カレッジCMOとGOES-17Wの磁力線パターンと緯度経度を確認
以下は、地軸が磁気双極子であるとした最も簡単な磁力線パターンです
図1:
カレッジ磁力線は電離圏を通過しバンアレン内帯を飛行します
2.続いてカレッジCMO3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年1月2日から2021年12月31日の3年(365x3日)です
図2:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
北方磁場Xは、増加です、しかしよく散っています
このグラフに現れたデータのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図3:
最も集中するピークは、最大値側で、オタワと反対です!
しかもLT23.1時にピークを観測するという、深夜に最大ピークを迎えるのはカレッジのみです
3.GOES-17WとカレッジCMOの波形3日間FFT解析比較です
G17がグリーン、カレッジがマジェンダです、比較的平穏な3日間の波形解析です
図4:1月3日5時15分〜6日5時14分(UT)両観測点の波形
Y軸高さは、800nTに広げました、カレッジの初日の夜に大きな乱れがあり、2日目・3日目と急速に減衰しています
これは磁気嵐ではなく、プラズマシート爆発とでも言うべき夜間における現象であるように思えて来ました、磁気嵐ですと昼間側に何らかの乱れが生ずるからです
図4の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図5:
ほとんどのエネルギーがIdx4周期24hに集中しています
一方、図4の波形よりカレッジのパワーFFTを取ると、
図6:
であって、Idx7の周期12hが最大エネルギー周期となり、Idx4周期24h成分は少ないです
図6のIdx4とIdx7成分の位相円グラフを取ると、
図7:
カレッジにおいて位相差は約59°です
元に戻り、図4の両波形をLT12時でマッチさせると(時差は43分)、
図8:
となり、
図7の両波形にFFTを掛けてG17は周期24h成分(グリーン)のみ、カレッジは周期24h(オレンジ)と周期24h+12h成分(マジェンダ)の波形を取り出し復元すると、FFT解析後の復元波形はバイアス成分が除去され振動成分のみとなって、
図9:
24h成分同士(グリーン vs オレンジ)は同相とは言えません
それでG17とカレッジの24h成分の位相円グラフです
図10:
となります!
図8のLT12マッチ後の24h基本波の位相差は:
G17-CMO=46.08°
となって、基本波は同相逆相の中間です
まとめ:
1.周期24h基本波の位相差によってのみでは同相逆相の程度が数値化できないケースが現れています
カレッジは初日夜間の乱れが大きすぎて判定が難しいケースでした
2.同相逆相が数値化できた所で、一体何になるのだ?という根本的な疑問もチラホラ湧いて来ますが、今月はこのまま中央突破し世界まとめマップまで進めます、そこで何か見えて来るのでは?と思っております
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!