なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

2月度その6 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ サンファンSJGの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ サンファンSJGの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!

 

世界各地の北方磁場強度の観測を続けています、今回はサンファンSJGです

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより

f:id:yoshihide-sugiura:20210827173546p:plain

 

図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20211208090955p:plain

Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界磁気マップとサンファンSJGに着地する磁気赤道上空_磁力線高度

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界まとめマップ

f:id:yoshihide-sugiura:20220209172834p:plain

磁気双極子_北極2021と磁気双極子_南極2021が地球棒磁石の両極です

中央横に走る緑ドットラインが磁気赤道_2021です

図1は東経180°がセンターで、次の図2は経度0°グリニッジがセンターですので、ご注意下さい

 

ここで磁気双極子にもとずく北緯と南緯と赤道というものがあって(磁気双極子の北極が北緯90°となる)その緯度経度マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より

図2:

f:id:yoshihide-sugiura:20220207211819p:plain

に示されています(青線赤線メッシュが磁気マップの緯度経度メッシュです)

磁気マップでは、図2の縦緑ラインを経度0°とし、左が西経で右が東経です

重要なのは横にうねる緑ラインで、これが磁気赤道です(私が作成した図1より大分スムースラインになっています!)

 

以下は、磁気赤道上におけるサンファンSJGの磁力線高度を示します

京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、

SJGの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、

➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です

図3:

f:id:yoshihide-sugiura:20220209181939p:plain

SJG磁力線は電離圏を通過します、バンアレン帯が下がって来ていればバンアレン帯も通過します

ここで重要なのは616kmという高度です(地軸赤道計算では260kmでした)

図1のマジェンダ・マークを見て頂ければ、低緯度である北緯23.5°(薄いグレーラインで示す)と北緯0°の範囲内にマジェンダは入っている事が分かります

そこで、低緯度の磁力線については観測点と共役なポイント地軸座標も提示しています

SJGの場合、共役点は何と南緯37.0°と大きく南へ下がっています

これがどう影響して来るのか?来ないのか?なのです

 

 

2.サンファンSJG3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです

観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年(365x3日)です

図4:

f:id:yoshihide-sugiura:20220209191753p:plain

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

SJG北方磁場Xは微増です

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図5:

f:id:yoshihide-sugiura:20220209191905p:plain

1日の磁場を観測すれば必ず最大値と最小値が得られ、両者が図4グラフ内に収まる有効日数が897日ですから、それを24で割ればカウント平均が出ます

最大値なり最小値なりを観測する時刻の原因が何であれ、平均に来て当たり前であって、それ以上か以下かになるには原因があります

Peak値と観測時刻の他、LT00時とLT12時をグラフ上に明示しています

SJGでは最大ピークは最大値側に観測され、それはLT10.6時台です、これを四捨五入しLT11時台としてLT12時とLT00時をプロットしています

OTT➡FRD➡BSLと来た流れ(最大ピークは最小値側に出る)がSJGで変わりました

これが低緯度の特徴です

 

 

3.サンファンSJGとGOES16Eの波形3日間とFFT結果です

サンファンSJGがオレンジ、G16Eがシアンです、これでも比較的平穏時3日の波形です

図6:2月1日00時00分〜3日23時59分(UT)両観測点の波形

f:id:yoshihide-sugiura:20220209193932p:plain

波形はバイアスを除いて変化分のみです

SJGとG16Eの経度差は8.9°(時差36分)であり、SJGの方が東にありますので、LT12SJGラインが左側・LT12G16ラインが右側に来ます(太陽が先に昇る方が東で左に来ます)

SJGはLT10.6時台に最大値ピークを迎えていますので、0.5を加えたLT11.1SJG黒縦ラインを入れてあります

図6のG16EのパワーFFTスペクトルは、

[2月度その3 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ オタワOTTの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eとの波形3日間を比較!➡追記あり! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]

にあり、大半のエネルギーがIdx4周期24h成分に集中しています

 

一方、図6の波形よりサンファンSJGのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7:

f:id:yoshihide-sugiura:20220209194319p:plain

であって、前出のOTT・FRD・BSLに比べ周期72h成分が非常に強く出ています

 

 

まとめ:

1.考察の対象を図5のカウントグラフに絞っています

カウント平均を出していますので、顕著にそれ以上なりそれ以下となる原因を追っていきます

オタワOTTから順次南下して来て、サンファンSJGで最大ピークが最大値側に来ました

これが低緯度の特徴です

2.3日間の波形グラフとFFT結果は、参考です

1日目と2日目を見るとG16EとサンファンSJG波形は同相のように見えますが、これを追うと深みにハマるので、この程度に留めます

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission]、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center]、

からダウンロードしています

ここに深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!