2月度その10 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較、foF2世界マップを取る!⬅ 修正あり!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較、foF2世界マップを取る!⬅ 修正あり!
修正:2022/2/12 16:40
宇宙の徒然を語る「まさき りお(id:ballooon)」さんから、MEAの磁気赤道上の高度が以前の地軸赤道上の高度に比べて初めて下がった件について:
なぜ下がったのですか?
なるご質問を頂き、あ〜かもしれない、こ〜かもしれない、等とお答えして、計算間違いの可能性もあります、としまして、調べてみたら計算間違いでした!
ミーノックの地磁気赤道上の高度を計算するには、北緯61.0°を使わなければならないのですが、間違えて51.4°を使っていました
お詫びして修正致します m(_ _)m
修正終わり
世界各地の北方磁場強度の観測です、今回はミーノックMEAです
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界磁気マップとミーノックMEAに着地する磁気赤道上空_磁力線高度
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界まとめマップ
中央横に走る緑ドットラインが磁気赤道_2021です
磁気双極子を軸とする緯度経度マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より
図2:
磁気マップでは、縦緑ラインが経度0°で左西経・右東経、横にうねる緑ラインが磁気赤道です
図1と2では、X軸が180°ローテしています
以下は、磁気赤道上におけるミーノックMEAの磁力線高度を示します
京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、
MEAの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、
➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です
図3:
MEA磁力線は電離圏を抜けてバンアレン内帯を超える高度です
高度4,132kmですが、以前の地軸赤道計算では3,070kmでした
2.ミーノックMEA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフです
観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年(365x3日)です
図4:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
MEA北方磁場Xは増加で、変動幅が大きいです
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図5:
MEAではLT10.4時台に最大ピーク最小値を観測しているので、これを四捨五入してLT10時台とし、LT00時とLT12時をグラフ上にプロットしています
さて、2月11日18:30UTのfoF2値マップです、これはミーノックMEAで2月11日10.4+0.5LT(最小値ピークの得られた時間帯の中心)に相当します
図6:MEA2月11日10.9LTのfoF2値マップ
サイトは、こちら [https://www.sws.bom.gov.au/HF_Systems/6/5] です
foF2の雲は、右(東)から左(西)へ太陽と伴に移動しています
この時刻、MEAは5MHz帯から6MHz帯へ移行した直後で、その後、6MHz帯が続く状況にあります
3.ミーノックMEAとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です
ミーノックMEAがオレンジ、G17Wがシアンです、これでも比較的平穏時3日の波形です
図7:2月1日00時00分〜3日23時59分(UT)両観測点の波形
波形はバイアスを除いて変化分のみです
Y軸スケールをアップしましたが、それでもMEA信号は振り切れています、北緯54.6°のMEAでは3日目に大きな振動が出ています(オーロラも出たでしょうか?)
MEAとG17Wの経度差は23.7°(時差95分)であり、MEAの方が東にありますので、LT12MEAラインが左側・LT12G17ラインが右側に来ます(時間軸で見ますと、太陽が先に昇る方が東で左に来ます ⬅ これ慣れが必要です、世界マップとは逆になります)
MEAはLT10.4時台に最小値ピークを迎えていますので、0.5を加えたLT10.9MEA黒縦ラインを入れてあります
図7のG17WのパワーFFTスペクトルは、
[2月度その9 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較、foF2世界マップを導入する! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
にあり、ほとんど周期24h成分にエネルギーが集中してます
一方、図7の波形よりミーノックMEAのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
MEAがこれだけ綺麗に周期72hを先頭に減衰するスペクトルカーブを出している事には気が付きませんでした(勿論、この3日間に限った偶然である、可能性はありますが)
綺麗に減衰するスペクトルカーブをもつ波形の特徴とは?で少し調べてみます!⬅ 何か出て来るかもしれません
まとめ:
1.考察の対象を図5のカウントグラフに絞っています
2.考察を進めるには別角度からの分析が必要で、それがfoF2世界マップ図6です
3.3日間の波形グラフとFFT結果は、参考です
観測を続けます!
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Radio and Space Services] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!