2月度その14 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2世界マップを取り、GOESと波形3日間を比較!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2世界マップを取り、GOESと波形3日間を比較!
世界各地の北方磁場強度の観測です、今回の観測点は南半球キャンベラCNBです
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは [電離層(Ionosphere)について解説] さんより:
図b: [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.世界磁気マップと観測点に着地する磁気赤道上空_磁力線高度
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界まとめマップ
中央横に走る緑ドットラインが磁気赤道_2021です
磁気双極子を軸とする緯度経度マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より
図2:
縦緑ラインが磁気経度0°、左西経・右東経、横にうねる緑ラインが磁気赤道です
以下は、磁気赤道上における観測点の磁力線高度を示します
京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、
CNBの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、
➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です
図3:
磁力線高度は電離層を突き抜けてバンアレン内帯下部に至ります(図a,b参照)
高度1,600kmですが、以前の地軸赤道計算では1,081kmでした
2.キャンベラCNB3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフ
観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年(365x3日)です
図4:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
北方強度は減衰です(BSL,KOU,TUC,HON,CNBが減衰、不思議なことにSJGは微増)
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図5:
僅かながら、最小値ピークの方が最大値ピークを上回っています
2月16日01:30UTのfoF2値マップです、これはキャンベラCNBの2月16日11.0+0.5LT(最大ピーク時間帯の中心値)に相当します(CNBから東経に入りましたので、こうなります)
図6:CNB_2月16日11.5LTのfoF2値マップ、CNB_cjは共役点
サイトは [https://www.sws.bom.gov.au/HF_Systems/6/5] です
foF2の雲は、右(東)から左(西)へ太陽と伴に移動します
磁力線高度は磁気赤道上空で1,600kmですから、頂上は電離圏を抜けてバンアレン内帯に接しています
3.キャンベラCNBとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です
キャンベラCNBがオレンジ、G17Wがシアンです、これでも比較的平穏時3日の波形です
図7:2月1日00時00分〜3日23時59分(UT)両観測点の波形
波形はバイアスを除いて変化分のみです
LT11.0時台にピークを迎えていますので、0.5を加えたLT11.5CNB黒縦ラインを入れてあります
三日目の両波形は見事に揃っています!(三日目は軽い磁気嵐があったと思います)
図7のG17WのパワーFFTスペクトルは、
[2月度その9 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較、foF2世界マップを導入する! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]
にあり、ほとんど周期24h成分にエネルギーが集中してます
一方、図7の波形よりキャンベラCNBのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
となります!
まとめ:
1.考察の対象を図5のカウントグラフに絞っています
2.図6のfoF2値マップの分析がキーとなる、と考えています
・地軸赤道から電離圏に達する上昇気流はどう循環しているか?
・何故、昼間のfoF2値が磁気赤道南北に集中するのか?
がポイントです
3.結果、何故LT10〜LT11時台に最大ピークが来るのか?を解明したいのです(CMOとHONを除いて)
上記2で解明できなければ、別のデータ・グラフ・マップを探す必要があります!
4.3日間の波形グラフとFFT結果は、参考です
観測を続けます!
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Radio and Space Services] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!