２月度その１６ 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、foF2世界マップを取り、GOESと波形3日間を比較！
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、foF2世界マップを取り、GOESと波形3日間を比較！
世界各地の北方磁場強度の観測です、今回の観測点は柿岡KAKです
柿岡KAKでは、日本上空のfoF2値グラフを追加してあります
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a：電離圏とfoF2とは [電離層（Ionosphere）について解説] さんより：
図b： [バンアレン帯 | 天文学辞典] によれば、
Y軸は磁気赤道上空と思われます（但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空を示す）
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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１．世界磁気マップと観測点に着地する磁気赤道上空_磁力線高度
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図１：世界まとめマップ
中央横に走る緑ドットラインが磁気赤道_2021です
磁気双極子を軸とする緯度経度マップはNOAAさん [World Magnetic Model - Maps of Magnetic Elements] より
図２：
縦緑ラインが磁気経度0°、左西経・右東経、横にうねる緑ラインが磁気赤道です
以下は、磁気赤道上における観測点の磁力線高度を示します
京都大学さん地軸座標と磁気座標の変換サイト [Transformation of Coordinate]より、
KAKの地軸座標より ➡ 対応する磁気座標を求め、
➡ 磁気赤道上空の磁力線高度を求めた結果、です
図３：
磁力線高度は700kmで、電離圏F2層を越える高さです（図a）
２．柿岡KAK３年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフ
観測期間は、2019年2月2日から2022年1月31日の3年（365x3日）です
図４：
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
磁場強度は増加ですが驚愕すべきは、有効日数で何と1095日 ⬅ 3年間完璧です！
オタワOTTが一番多かったですが、それでも1014日、あとシャンポンCLFを残しますが、おそらく一番多いでしょう
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図５：
最大値マジェンダと最小値シアンが共にダブルピークを形成しています
合計でピーク数は4となり、これは原因が二つあるから、と考えています
原因が一つであればピーク数は2となる、と考えています、代表例がクールーKOUやグアムGUAなど（低緯度帯）です
2月17日01:30UTのfoF2値マップです、これは柿岡KAKの2月17日10.3+0.5LT（最大ピーク時間帯の中心値）に相当します
図６：KAK_2月17日10.8LTのfoF2値マップ、KAK_cjは共役点
サイトは [https://www.sws.bom.gov.au/HF_Systems/6/5] です
foF2の雲は、右（東）から左（西）へ太陽と伴に移動します
ここで日本の場合は時間軸グラフがあって、
日本上空のfoF2値はNICTさん [現況・トレンド | 電離圏嵐 | 宇宙天気予報] より Feb17 で示されるUTが国際標準時かつ赤線が実測値で、
図７：
南に行くほどfoF2値は微増します（山川は鹿児島）
柿岡は国分寺を見ればよく、国分寺10.8時頃にピーク値約10MHzを迎えています
図６モデルはかなりの精度で図７と合っている、と言えます
ですが、図６から得られるイメージはfoF2値は台形になる、ですが実際にはLT10時〜11時頃にピークを迎えています（凸型という事です）
３．柿岡KAKとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です
柿岡KAKがオレンジ、G17Wがシアンです、3日目は磁気嵐だったようです
図８：2月1日00時00分〜3日23時59分（UT）両観測点の波形
波形はバイアスを除いて変化分のみです
LT10.3時台にピークを迎えていますので、0.5を加えたLT10.8KAK黒縦ラインを入れてあります
磁気嵐があるとGOESと観測点の位相は時差も無視して一致する、という事です
図８のG17WのパワーFFTスペクトルは、
[２月度その９ 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較、foF2世界マップを導入する！ - なぜ地球磁極は逆転するのか？]
にあり、ほとんど周期24h成分にエネルギーが集中してます
一方、図８の波形より柿岡KAKのパワーFFTスペクトルを取ると、
図９：
となります
まとめ：
１．考察の対象を図５のカウントグラフに絞っています
２．図５において、原因がひとつであればピーク数は２、原因がふたつあればピーク数は４、になると考えています
３．何故、LT10〜LT11時台に最大ピークが来るのか？です
LT10時頃にピークを示す柿岡KAKのfoF2値グラフは非常に有効です
４．3日間の波形グラフとFFT結果は、参考です
観測を続けます！
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Radio and Space Services] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です！
