4月度その4 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 高度100kmにおける大気の気圧振動は、どうなのだろう?
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 高度100kmにおける大気の気圧振動は、どうなのだろう?
前回、地表における「大気潮汐」を那覇データ3日間にて解析し、12h振動が基本となる気圧振動を確認し、その原因を考察しました
それでは地表ではなく、高度100km(電離圏下層のE層に当たる)辺りにおける気圧振動はどうなるのだろうか、やはり12h成分が主なのか、それとも24h成分なのか、という疑問が湧いて来ます
本当は100kmに限らず、より上層の気圧振動も知りたいのですが、記事が見つかったのが100kmですので、それを短くご紹介(解読)致します
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより:
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.[大気潮汐 - Wikipedia] によれば
この図は一度アップした事があるのですが、
図1:高度100kmにおける大気潮汐 by Jensob
高度100kmというと対流圏・成層圏・中間圏を越えて電離圏下層のE層に相当します(図a参照)
図1のgifを止めて解析したいのですが、止められません
図1は24hの動きを示していて、左上にUT時間が表示されています
赤は高温低圧領域で風(⬅)が吹き込んでいます⬅の長さは風速53m/sです
青は低温高圧領域で風(➡)が吹き出ています
赤の温度は30°K、青の温度は−30°K、と出ていますが、マイナスK°という表記はないハズです(ここは分かりません)
で、ここからは目を凝らして見つめ取るしかないのですが、
南米大陸上に現れる赤領域をみると、
約UT12時頃に一回出現する
だけなのです(クリックで拡大できます)
従いまして、高度100kmでの気圧振動は24h振動が主であり、12h振動は極めて少ない、と見て取れます
これは前回示した地表における気圧振動の構造とは全く異なります!
図2:地表大気圧が12h振動する原因(シアンが赤道面)
地表では12h振動する気圧振動ですが、高度100kmの電離圏下層では24h振動となる、となります
何故、気圧振動にこだわっているのか?と言うと、圧力が磁場強度(磁束密度)を左右する要因の一つである、と考えているからです
グラフが二つでは寂しいので、気象庁さんデータより
図3:高度vs気圧グラフ
を取りました
時間は09:00または21:00の固定であり、高度30km程度までの気圧が公開されています
鹿児島でのデータですが、高度30kmで気圧10hPaでした(09:00データ)
09:00データと21:00データではほとんど差が現れません(21:00データは途中まで公開されていました)
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!