なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その13 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はミーノックMEAです

MEAは北緯54.6°と中緯度ですが高緯度との境界に近く、磁力線高度も4,132kmと非常に高いです(バンアレン内帯を超える高さです)

このように磁力線高度が高いので、高度300km程度かつ磁気赤道南北に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示するのを止めました(今後、foF2値マップは対象を絞ります)

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

 

 

2.ミーノックMEA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

緯度が高くなるほど変動幅が広がります

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「ピーク数=2+1」は:

第1ピークはシアンでかつその他1つあり、第2ピークはマジェンダ1ヶ所のみである、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

先月3月の結果でMEAピーク数は1+1でした!今回2+1になった事になります

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

MEAでは、シアンがゼロになる時間帯はないのですが、マジェンダがゼロになる時間帯が2時間、シアン第1ピーク検出時とその次の時間に連続しています⬅この原因は、第2ピークマジェンダがLT15.4時台に出現している事も含め、これからの考察です

MEA磁力線高度は4,132kmであり、大半がバンアレン内帯を飛行しており、昼間バンアレン内帯のプラズマ粒子によるジャイロ運動が磁場強度を減衰させて、夜間も同様で、その中間にバンアレン内帯の密度が薄くなる時間帯が2ヶ所出現しシアンを下げています(しかしシアンがゼロにならない所が地球を取り巻くバンアレン内帯_ジャイロ運動の特徴だろう、と考えています)

いずれにせよ、シアンの動きから、12h振動成分が強く出ます

 

 

3.ミーノックMEAとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

ミーノックMEAがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図5:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

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MEAオレンジ波形は大きく乱れています、特に1日目マイナス側へのアンダーシュートが著しく、夜間にバンアレン内帯の外側にあるプラズマシートからプラズマ粒子の直撃を受けてジャイロ運動している様子を伺わせます

又、このMEAオレンジ波形を見ると、2日目と3日目はLT15時頃に最大値ピークを付けています、これが図4の第2ピークマジェンダのLT15.4時台でしょう

 

図5の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図6:

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G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

低緯度の特徴と同じなのです

 

一方、図5の波形よりミーノックMEAのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7:

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12h成分が極めて強く出ました、72h/24hともに弱いです

 

 

中間のまとめ:

1.ピーク数が先月の第1ピークシアンで1+1から2+1になりましたが、12h振動成分が支配的である事に変わりはありません

この原因はバンアレン内帯の昼間側と夜間側でプラズマが磁力線に巻き付き磁場強度を減衰させているからです

地球を取り巻くバンアレン内帯の構造図を探してみます

2.上記1の結果ですが、オタワOTTの北緯45.4°磁力線高度3,070km(MEAは北緯54.6°、磁力線高度4,132km)では:

ピーク数=1+2

ですが、

12h成分が最強である事に変わりはありません

3.中緯度で12h成分が強いのは地球を取り巻くバンアレン内帯で説明が付くと予想しています

4.中緯度における最大値マジェンダ振動の原因をより詳細に追いたい、と考えています

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!