4月度その14 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ビクトリアVICの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ビクトリアVICの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定です、今回はビクトリアVICです
VICは北緯48.5°と中緯度ど真ん中より少し上、磁力線高度は2,940kmと高くバンアレン内帯の電子ベルトに達しています
このように磁力線高度が高い観測点では、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示するのを止めています(磁力線高度が1,000kmを大きく超える観測点では電離圏foF2層の影響は出ない、と考えています)
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより:
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)
foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します
2.ビクトリアVIC3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です
図3:
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはシアンでシアンピークは1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダでマジェンダピークはもう1ヶ所ある、を意味しています(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています
VICでは、マジェンダがゼロになる時間帯はないのですが、シアンがゼロになる時間帯が1ヶ所です
しかし、シアン・マジェンダともに綺麗なダブルピークを示しており、これですと、12h振動成分が強く出ます
3.ビクトリアVICとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です
ビクトリアVICがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です
図5:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形
VICのLT10.3時に最小値を付けているのがよく分かります
最大値がVICのLT15時頃に出る様子も伺えます
図5の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図6:
G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します
GOESの高度では12h振動成分は出ない、のです、ここが低緯度と同じなのです
一方、図5の波形よりビクトリアVICのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
12h成分が極めて強く出ます、中緯度の特徴です
中間のまとめ:
1.ビクトリアVICは中緯度の典型(実に綺麗なグラフ)である、と考えています
12h振動成分が強く出るのは中緯度の特徴です
最小値シアンは、地球を取り巻くバンアレン内帯におけるプラズマ・ジャイロ運動によって昼間と夜間で12h振動しています
2.しかし、最大値マジェンダを見ると、前回のミーノックMEAではシングルピークだったのですが、ビクトリアVICではダブルピークを付けています
この中緯度における最大値マジェンダの動き(原因)を追う必要があります
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!