なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その15 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMOの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクス・カレッジCMO地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はフェアバンクス・カレッジCMOです

CMOは北緯64.9°と観測点の中では唯一高緯度に属し、従って磁力線高度は5,100kmとバンアレン内帯を突き抜ける高さです

このように磁力線高度が高い観測点では、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示するのを止めています

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.フェアバンクス・カレッジCMO3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

変動幅が大きくバラけるのが高緯度CMOの特徴です

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「 ピーク数=1+2」は:

第1ピークはマジェンダでマジェンダピークは1ヶ所のみ、第2ピークはシアンでシアンピークはもう1ヶ所ある、を意味しています(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

CMOでは、マジェンダがゼロになる時間帯はないのですが、シアンがゼロになる時間帯が2ヶ所連続しています(シアンは第1ピークではなく、第2ピークであるにも関わらず、シアンゼロが2時間連続するのは驚きです)

高緯度は中緯度と異なる動きをしています

 

 

3.フェアバンクス・カレッジCMOとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

フェアバンクス・カレッジCMOがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図5−1:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

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変動幅はかなり大きく、1日単位で異なった波形を示しています(やはり高緯度は不安定です)

図5−2:ちなみに、先月2月28日から3月2日の波形は、

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と安定していたのですが

 

図5−1の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図6:

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G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

 

一方、図5−1の波形よりフェアバンクス・カレッジCMOのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7−1:

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何と24h成分が極めて強く出ます

図7−2:ここで、先月2月28日から3月2日のスペクトルは、

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であって、分散しており、3者の中で一番強い振動は12h振動に出ています

 

中間のまとめ:

1.フェアバンクス・カレッジCMOの図3:変動グラフと図5−1:波形動作は不安定を示していますが、図4のカウント分布は安定したダブルピークを示しています

2.図4のカウント分布は安定したダブルピークでありながら、図7−1パワーFFTスペクトルで24h振動が一番強いのは変動が不安定だからである、と言えますが、図4において第1ピークがマジェンダとなる原因を追う必要があります(ここには未だ言及していません)

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!