なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その16 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ホノルルHONの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ホノルルHONの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、低緯度に戻って今回はホノルルHONです

HONは北緯21.3°、磁力線高度は370kmと低く、高度300km程度かつ磁気赤道南北_昼間に高濃度で出現する電子密度を示すfoF2値マップを提示します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

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高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン陽子帯、3,000kmに電子帯(図bより)

foF2値マップは、CNB/BSL/TUCを含む、より磁力線高度が低い観測点について提示致します

 

 

2.ホノルルHON3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年4月2日から2022年3月31日の3年(365x3日)です

図3:

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Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

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凡例にあります「 ピーク数=1+1」は:

第1ピークはマジェンダでマジェンダピークは1ヶ所のみ、第2ピークはシアンでシアンピークも1ヶ所のみ、を意味しています(合計でピーク数は2)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

今回、カウントグラフではZeroカウント位置を示しています

HONでは、シアンがゼロになる時間帯はないのですが、マジェンダがゼロになる時間帯が3ヶ所飛び飛びに存在します

マジェンダとシアンのピーク数は各々1で合計2で、24h振動が主となる事を示唆しています(これが低緯度の特徴でもあります)

HONではマジェンダ第1ピークの時間帯にもシアンが存在します、これはクールーKOUでは見られなかった事です(KOUではマジェンダ第1ピークの時間帯にシアンゼロが検出される)

これは磁場強度の減衰を示すシアンの原因を現在はバンアレン内帯のプラズマによるジャイロ運動としていますが、これにfoF2雲における電離プラズマによるジャイロ運動も追加する事を検討する必要がある事を示しています

 

図5:ホノルルHON第1ピーク観測時間LT13.5台の中央値LT14.0時に相当するUT0.5時(4月13日)のfoF2値マップ

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図6:ホノルルHON第2ピーク観測時間LT21.5台の中央値LT22.0時に相当するUT8.5時(4月13日)のfoF2値マップ

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ゼロ観測はマジェンダで3ヶ所ありますが、中央値を取れば、

図7:ホノルルHONのマジェンダゼロ観測時LT19.5台の中央値LT20.0時に相当するUT6.5時(4月13日)のfoF2値マップ

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3.ホノルルHONとGOES17Wの波形3日間とFFT結果です

ホノルルHONがオレンジ、G17Wがシアンです、平穏時3日間の波形です

図8:4月2日00時00分〜4日23時59分(UT)両観測点の波形

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と、見事に同相となっています

 

図8の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

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G16EでもG17Wでも、ほとんどのエネルギーが周期24hに集中します

 

一方、図8の波形よりホノルルHONのパワーFFTスペクトルを取ると、

図10:

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予想通り、24h成分が極めて強く出ました

 

中間のまとめ:

1.低緯度ホノルルHONは図4でマジェンダとシアンでピーク数2であり、従って24h振動が主であると予想でき、実際に図10で24h振動が最も強い事を確認できます

2.低緯度は説明が付くようになりつつあるか、と思われますが、ホノルルHONでLT13.5時台に第1ピークが来る事を説明できません(中緯度も含めてLT10-11時台に第1ピークが来る事が多いのです)

3.foF2値マップですが、ホノルルHONでシアン原因にfoF2層の電離プラズマによるジャイロ運動を加えるのであれば、必要なマップとなります

ですが、電離層プラズマのジャイロ運動を加えると12h振動成分が強く出るので、この辺りの判断が難しいのです

他の低緯度観測点を見てみる必要があります

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!