なぜ地球磁極は逆転するのか?

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4月度その21 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 磁気濃縮型爆薬発電機の原理「磁気濃縮」を知り、プラズマ「ジャイロ運動」との競合を考察する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡  磁気濃縮型爆薬発電機の原理「磁気濃縮」を知り、プラズマ「ジャイロ運動」との競合を考察する

 

北方磁場強度シリーズ世界まとめマップに入る前に、何点か物理的なポイントを抑えておきたい、と考えております

その第1が、磁気濃縮型爆薬発電機で、「磁気濃縮」なる事象が起きた時に発生する現象で磁場強度の増加であって、人工的には爆薬を使って濃縮する手法です

これが太陽光圧によって発生し磁場強度を増加させている、と考えております

またプラズマ「ジャイロ運動」は磁場強度の減少に作用し、これら「磁気濃縮(増加)」と「ジャイロ運動(減衰)」が北方磁場強度の増減に作用する二大要因となる、と考えております

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、電離圏バンアレン帯です

図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより

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図b:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.[磁気濃縮型爆薬発電機 - Wikipedia] より

磁気濃縮型爆薬発電機とは高性能爆薬を使って磁束を圧縮することによって強力なパルス電流を発生させる、爆薬発電機の一種である。 

であって、その原理である「磁気濃縮」とは:

 

閉ループリング内に9本の磁力線があったとする

図1:元の磁力線 by Croquant (ループ内に9本の磁力線)

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これが外部からの圧力により圧縮されると、

図2:輪の直径が縮小した後の構造 by Croquant (リングの中は5本となる)

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5本となるのだが、磁力線は元の磁束密度の状態を維持しようとするから、磁力線を増加させる方向に閉ループリングに電流が流れ、

図3:圧縮後の磁力線 by Croquant 、リング内の磁力線は元の9本となり、

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磁束密度は増大する(磁場強度は増加する)、のである

発電機ではこの原理で電流を取り出している

 

 

2.磁気濃縮はどこで起きているのか?

Wikiによれば、

同様の現象はプラズマ等の十分に導電性の高い流体でも起こり、磁場の凍結と呼ばれている。 

磁場の凍結は磁気濃縮である、と言っている(プラズマは流体なのである)

 

本ブログに関する領域で磁気濃縮は太陽光圧起因であり、発生する場所は:

● GOES衛星の高度約3万5千kmレベル(図b)

● 対流圏から電離圏E層まで高度約150km以下のレベル(図a)で顕著に現れ、地軸低緯度であれば高度約660kmまで現れる

 

図4:GOES衛星高度の場合

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中央値ピークtoピークは、LT11.5時➡21.5時で間隔10h

 

図5:高度約150km以下の場合

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中央値ピークtoピークは、LT11.0時➡21.0時でやはり間隔10h

 

昼間の磁気濃縮による磁場強度増加は地軸低緯度で支配的であり、たとえ150km以上であっても地軸低緯度であれば最大値マジェンダが第1ピークとなる

図6:

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3.反対(磁場減衰)勢力が存在する!

ジャイロ運動とは、プラズマ粒子が磁力線に巻き付き、磁場強度を減衰させる現象である、[ジャイロ運動 | 天文学辞典] によれば、

荷電粒子が磁場に巻きつきながら移動する運動。強さ B の一様磁場の場合、 この運動は磁場方向に自由に運動し、磁場と垂直な面では周波数 \Omega_c=eB/mcの円運動となる。 この周波数をジャイロ周波数といい、円運動の半径 r_g=v_\bot/\Omega_c をジャイロ半径という。 正の電荷を持つイオンは磁場方向から見て時計回り(右巻き)、電子は反時計回り(左巻き)に運動し、それによってつくられる電流は背景磁場を弱める 方向となる

プラズマであればイオンでも電子でも起こし得るのであるが、どちらにしても常に磁場強度を減衰させる、のである

発生する場所は:

● 電離圏F2層の高度約300kmを中心とし約600kmまでの電離圏(図a)

 

太陽光圧が高い時には、約300km中心のジャイロ運動と約150km以下の磁気濃縮が競合し、ジャイロ運動が勝つ(ピークを奪う)

図7:この領域ではマジェンダピークがシアンに食われる

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図8:やはりマジェンダピークがシアンに食われている

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この結果、低緯度ではLT10-11時台にマジェンダピークを付けていたのが、中緯度に入ると同じLT10時-11時台にシアンピークが取って替わる

 

4.バンアレン内帯は太陽光圧により12h潮汐振動し、ここで再び磁気濃縮とジャイロ運動が起きる

図9:バンアレン内帯における太陽光圧による潮汐運動

この結果、陽子ベルトは磁気濃縮により磁場強度増加、電子ベルトはジャイロ運動による磁場強度減衰に至る

 

これによって、中緯度の上部では増加と減衰が12h振動し始める

図10:陽子ベルトの12h振動(増加)が現れる始める高度約3,000km

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磁力線高度が2,000kmを大幅に上回ると、陽子ベルトの磁気濃縮潮汐によりマジェンダ12h振動が現れる

 

図11:電子ベルトの12h振動(減衰)が現れる始める高度約4,000km

磁力線高度が3,000kmを大幅に上回ると、電子ベルトのジャイロ運動潮汐によりシアン12h振動が現れる

 

 

まとめ:モデル2022_04

1.データを取ってグラフ化する作業を続けるだけでは意味はなさそうなので、全体を説明するモデルを考えてみた、という事です

今後の変更もありますので、モデル2022_04としました

2.高度300kmを中心とする電離圏F2層におけるジャイロ運動では電子・イオンどちらもジャイロ運動して減衰に寄与している、と思われますが、裏付けは未だです

3.バンアレン内帯では内側の陽子ベルトが磁気濃縮に、外側の電子ベルトがジャイロ運動(磁気減衰)に寄与する、というモデルですが、それは観測結果を説明するのに都合が良いからで、質量の重い陽子は磁気濃縮、軽い電子はジャイロ運動、である物理的説明が付くのかどうかは、これからです

4.フェアバンクス・カレッジCMOの動作やホノルルHONのマジェンダピークが13.5時台に来る動作についての考察は、これからです

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!