4月度その23 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAのマジェンダ24h振動原因を探る!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ グアムGUAのマジェンダ24h振動原因を探る!
世界まとめマップの報告です
全体をまとめたモデル2022_04をアップしましたが、このモデルの問題点に着眼し、より考察を深め、時間をかけて次のモデル構築に進めます
私は、磁場強度の増加(マジェンダの発生)は「磁気濃縮」によって起こり、かつ、「磁気濃縮」によってのみ起こる、と考えております(他に原因はない、という事です)
地表に一番近い磁力線高度をもつグアムGUAにおいて、この点を分析してみました
ので、ご報告です
お付き合い頂ければ幸いです
まず、電離圏とバンアレン帯です
図a:電離圏とfoF2とは「電離層(Isonosphere)について解説」さんより:
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
ここから本文です
1.観測点と磁力線高度とグアム24hカウント統計です
図1:世界各観測点の位置関係です
図2:世界各観測点の磁気赤道上の磁力線高度です
図3:グアムGUAの24hカウント統計グラフです
第1ピークto第2ピークは、LT10.7時➡18.7時で間隔8h
どのような磁気濃縮により、高度24.3km磁力線に関しマジェンダピークが発生するのか?を考察するものです
2.高度24.3kmは成層圏オゾン層である
[オゾン層 - Wikipedia] より
図4:高度(縦軸:km)とオゾン濃度(横軸:ドブソン単位)
Stratopauseは成層圏境界、Tropopauseは対流圏境界
成層圏では酸素分子からオゾンが生成され、再び酸素分子に分解(チャップマン機構)しており、大気中のオゾンはその90%以上が成層圏に存在する
- 生成反応
- 分解反応
酸素分子の密度は、空気の密度に比例するので高度が高くなるほど低くなる。他方、酸素分子が吸収する紫外線は、太陽入射光の強度に比例するため高度が高いほど強い。オゾン生成はこれら高さと共に増大する量と減少する量の両方に依存するので、オゾン密度はある高度で極大となり、成層圏中部の20〜30 km付近がそれにあたる
のである
図4のオゾン濃度が右側に張り出している様子(高度20〜30km)は、驚くほど電離圏F2層(高度約300km)のグラフと似ている(図a)
赤道上空で生成されたオゾンは高緯度の両極に向かって成層圏下部にて大気循環しており [ブリューワー・ドブソン循環 - Wikipedia ]
図5:ブリューワー・ドブソン循環
黒線は大気循環方向を示し、色はオゾン濃度で等高線数値はオゾン大気圧力を示す、マイナス緯度は南緯、Nimbus7は衛星名
赤道付近でより上空(24km以上)でオゾンは生成され、両極に移動するにつれ高度を下げて、オゾン濃度そのものは赤道上空より高緯度の方が高い様子(溜まる様子)が分かる
3.酸素原子・酸素分子は常磁性なのである!
[常磁性 - Wikipedia] によれば、
常磁性とは、外部磁場が無いときには磁化を持たず、磁場を印加するとその方向に弱く磁化する磁性を指す。熱ゆらぎによるスピンの乱れが強く、自発的な配向が無い状態である。
常磁性の物質の磁化率(帯磁率)は温度に反比例する。これをキュリーの法則と呼ぶ。
【酸素の常磁性】強い磁力にひかれます | 自由研究におすすめ!家庭でできる科学実験シリーズ「試してフシギ」| NGKサイエンスサイト | 日本ガイシ株式会社 さんサイトによれば、常温で酸素スプレー缶から吹き出したシャボン玉は磁石に引かれるのである!
図6:
ここで [反磁性 - Wikipedia] より
量子力学によれば、不対電子が存在しない物質は弱い反磁性となり、不対電子によるスピンが存在する物質は常磁性や強磁性などの性質が顕著になる。
とあって、酸素原子と酸素分子は不対電子を有する(常磁性)事は確認できたが、オゾンについては最終確認できなかった、分子の(オゾンは分子)電子軌道上における電子の局所化(の理解)はそれほど簡単ではなく(私にとって)、ここではオゾンも不対電子を有する(常磁性である)として考察を続ける
即ち、酸素原子・酸素分子・オゾン分子など常磁性物質は、
図7:外部磁場の無い場合はランダム状態であるが、
外部磁場が存在する場合は、磁力線方向に並ぶのである
これが赤道付近では海面からの強い上昇気流と上空からの強い太陽光圧により高度20〜30km付近で圧縮され、磁気濃縮され磁束密度が増大しマジェンダとなるのである
昼間太陽により暖めら海水面から上昇する上昇気流は24h振動するものと考えられ、結果として、グアムGUAでマジェンダは24h振動するのである
注意しなければいけないのは地上における大気潮汐による気圧の12h振動で、これは低緯度ほど強い、気象庁さん [気象庁|過去の気象データ検索] より、
図8:4月1日から3日まで那覇における気圧変化観測:明らかに12h振動している
この大気振動は地上観測であり、対流圏には少なくとも酸素分子(常磁性)は存在しているが、低緯度における北方磁場強度の変動でマジェンダ12h振動は全く観測されていない、24h振動なのである
これは赤道付近では海面からの上昇気流が非常に強く、高度20〜30km付近にて24h周期で下から強く押し上げる圧力が支配的だからである、と考えられる
まとめ:
1.グアムGUAの磁力線高度24.3kmはプラズマ状態ではなく、何故マジェンダ24h振動をするのか、今ひとつ原因が不明でした
それが成層圏では酸素原子・酸素分子・オゾンの常磁性物質が磁力線方向に並び、赤道上空20〜30kmでは強い海面からの上昇気流に圧迫されて磁気濃縮を起こし、磁束密度が増加するからである、と結論付けられます
2.但し、オゾン分子が不対電子を有する常磁性物質か、については追って調査確認する必要があります
3.次はクールーKOUです
KOUは磁力線高度148kmと、成層圏は突き抜けて電離圏下部に達するのですが、何故こうも綺麗なマジェンダ24h振動をするのだろう、という原因を探ります
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!