なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その3 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 地表上空の磁場強度はどうなっているのだろう?➡東方成分Yを追加しました!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 地表上空の磁場強度はどうなっているのだろう?➡東方成分Yを追加しました!

 

追加:2022/05/05 08:45

全磁力Fと北方成分Xと鉛直成分Zのグラフをアップしておりましたが、東方成分Yを追加しました

追加終わり

 

 

北方磁場強度シリーズの5月を再開する前に、かねがね「上空の磁場強度はどうなっているのだろう?」と思っていました

現在、各観測点の日変動を追っている訳ですが、磁力線パスを考慮して日変動を考察しており、ここで「上空の磁場強度」についてより詳しく知りたい、と思うからです

特に、バンアレン帯の高度における磁場強度に興味があります

国際機関 [IAGA V-MOD Geomagnetic Field Modeling: International Geomagnetic Reference Field IGRF-13] からIGRF13なるモデルが公開されており(Pythonで)これを使って上空における磁場強度のグラフを作ってみました

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸は対数表示である事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.観測点と磁力線高度です

図1:世界各観測点の位置関係です

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図2:世界各観測点の磁気赤道上の磁力線高度です

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図3:地磁気方向の定義です

Z成分は鉛直方向が正で、負は上向きを示します

 

 

2.西経75°にて、南緯30°から北緯30°まで15°ピッチで、高度0kmから3000kmまで250kmピッチで、磁場強度を算出しグラフにしました

西経75°を選んだのはGOES16の経度であるからです

西経75°ライン付近にはオタワOTTからクールーKOUまで並んでおり、かつ、ブラジル磁気異常地域を通過しているからです

IGRF13モデルは日指定で算出されるようになっており、2022年1月1日としました(これを2022.0と表現します)

このモデルは200ヶ所以上の世界観測点結果を元に任意地点と高度の磁場強度を計算するパッケージです

IGRF13モデルはPythonにて公開されており、これを手直しさせて頂いて走行させ、結果をRubyにて集計し、Rにてグラフ化したものです

南緯30°から北緯30°まで、高度0kmから3000kmまでをパラメータとし、全磁力Fと北方成分Xと鉛直成分Zを求め、グラフ化しています

 

図4:全磁力Fのグラフです

地表が最も磁場強度は強く、高度を上げるに従って磁場強度は落ちます

これは間隔250km固定で算出しているのに対し、磁場強度が半径rの3乗に比例して弱まるからです(1/r^3という事)

南緯30°と南緯15°を見ると、地表ではほとんどフラットですが、高度を上げるにつれ底(ボトム)を付けているのが分かります

 

図5:北方成分Xのグラフです

北方成分は、緯度0°から北緯15°までが最大となります

 

図6:東方成分Yのグラフです

南緯24°付近にゼロ領域があります

正が東方向成分ですから、南緯24°を境にそれより北では西方成分となっています

 

図7:鉛直成分Zのグラフです

これは不思議なグラフです、ほとんど線型です、こうなるのですか?

鉛直成分がマイナスとは磁場ベクトルは直上に向かっている事を示しています

南緯11°辺りで鉛直成分がゼロとなりますが、ここに磁気赤道がある事を示します(西経75°においては)

鉛直成分Zを見る限り、ブラジル磁気異常を感じさせる部分はありません

 

 

中間のまとめ:

1.まだグラフを作成したばかりで、まともな考察に至っておりません

2.磁場強度は高度を上げるにつれrの3乗に反比例して減衰する、という事は言えるのでしょう

が、これは全磁力Fと北方成分Xの話で、鉛直成分Zはこれに従っているのかどうか、スグには分かりません

3.最大の疑問は:

ブラジル磁気異常域では磁場強度が弱く、バンアレン内帯は高度200km近くにまで降下している

と言われるのですが、磁場強度が弱いと何故バンアレン内帯(プラズマ)は地表に近くずくのだろう?が分からない事です

 

 

以上、お付き合い下さいまして、誠にありがとう御座いました

感謝です!