なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その10 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUCの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ツーソンTUC地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はツーソンTUCです

5月11日11:00AM現在、エルニーニョ速報が開示されていませんので、北方磁場強度シリーズを続けます、開示されましたら割込ます

foF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、ツーソンTUC高度1,380kmはこれに該当します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸はLogスケールである事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)

 

 

2.ツーソンTUC3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です

図3:

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

TUCは北方磁場強度が激減する観測点なのです

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

凡例にあります「ピーク数=2+2」は:

第1ピークはシアンで他にも1ヶ所、第2ピークはマジェンダでこれも他に1ヶ所(合計でピーク数は4)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

先月3月の結果は「ピーク数=2+4」でしたから、(ギリギリであった)マジェンダピーク数が2減った事になります、フェードアウトした2019年4月データに原因があった、と思われます、この程度の変動は当然有り得ます

TUCはシアンとマジェンダがバッティングする(競合する)観測点です

シアン原因は電離圏F2層の電子ジャイロ運動による減衰効果、マジェンダは成層圏におけるオゾン分子の自己整列・磁気濃縮による増大効果、と見ています

 

 

5月10日UTにおけるfoF2値マップを示します、まずシアン第1ピーク

図5:第1ピークシアンのLT8.6時台中央値LT9.1時に相当する16.5UT

 

図6:第2ピークマジェンダのLT15.6時台中央値LT16.1時に相当する23.5UT

 

 

3.G17WとツーソンTUCの波形3日間とFFT結果です

ツーソンTUCがオレンジ、G17Wはシアンです

図7

逆相です、図4の統計グラフと一致しています

 

図7の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図8:

GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例にを示します

 

図7よりツーソンTUCのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

乱れます、idx=10は周期=8hです、24h>8h>12h>72hとなっています

現在、12h成分や8h成分が強く出る場合には12h潮汐振動や8h潮汐振動が出ているからではないか?と考え始めております

電離圏F/F2層から成層圏オゾン層か、これから考えますが、シアンはゼロ検出時間帯が3hも連続してある事から、オゾン層が12hまたは8h潮汐振動しているのではないか?と考えています

但し、図4を見て頂ければ分かるように、単にマジェンダがシアン第1ピークのLT8.6時台に食われ、生き残ったマジェンダがLT15.6時台に第2ピークを付けて、それが12hまたは8h振動となって現れただけである、とも考えられます この場合は潮汐振動とは言わんでしょう

 

 

中間のまとめ:

1.ツーソンTUCは北緯32.2°と、中緯度とは申しましても低緯度に近い観測点で、低緯度から中緯度へ移る過渡的な状況を示している、と考えております

2.過渡的な中で12h成分とか8h成分が強く出る事は重要で、12hもしくは8h潮汐振動と考えており、その原因を考察中です

但し、単にマジェンダがシアンに食われて、生き残りマジェンダが12hまたは8h振動しているだけで、潮汐振動ではない、とも考えられます

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!