なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

5月度その16 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNBの地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ キャンベラCNB地磁気変動3年間を調べ、foF2値マップを取り、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定です、今回はキャンベラCNBで、唯一の南半球観測点です

中央値が300km付近にあるfoF2値マップは磁力線高度2,000km以下の地点についてのみ示しています、CNBの高度1,890kmは該当します

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸はLogスケールである事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

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Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

高度300kmにF2層、高度2,000kmにバンアレン内帯陽子ベルト、3,000kmに電子ベルト(図cより)

 

 

2.キャンベラCNB3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年5月2日から2022年4月30日の3年(365x3日)です

図3:

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンで1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダでもう1ヶ所ある(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

CNBではシアンゼロ検出時間が1hあります、従ってシアンは24h振動していると見なします(第1ピーク以外に、少しシアンが膨らんでいるヶ所がありますが)

この場合、シアン原因は電離圏F2層となりますが、高度1,890kmからしてバンアレン内帯陽子ベルトも含まれる可能性があります

一方、マジェンダはダブルピーク特性を示し、明らかに12h/8h潮汐振動しています

CNB高度1,890kmでマジェンダ要因は成層圏オゾン層と考えられますから、CNBの南緯35.2°ではオゾン循環で溜まったオゾン層が帯を形成し12h/8h潮汐振動している、可能性が大きいです

 

 

foF2値マップです

図5:CNB第1ピーク11.0時台中央値11.5時のUT表示01:30時です

 

図6:CNB第2ピーク8.0時台中央値8.5時のUT表示22:30です

図6でLT8.5時にマジェンダピーク(これが第2)を示した後、シアンに食われ図5ではLT11.5時にシアンピーク(これが第1)となる様子が分かります

 

 

3.キャンベラCNBとG17Wの波形3日間とFFT結果です

キャンベラCNBがオレンジ、G17Wがシアンです

図7

時差がありますので注意して見て頂ければ(シアンとオレンジの縦ラインを重ねる)逆相である事が分かります、これは図4の統計分布結果と一致しています

 

図7の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図8:

GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例にを示します

 

図7よりキャンベラCNBのパワーFFTスペクトルを取ると、

図9:

24h>12h>72hとなり、図4と比べて妥当な結果です

 

 

中間のまとめ:

1.キャンベラCNBは強い24h振動を示し、第1ピークはシアンでかつシアンゼロ検出時間が1hありますから、12h/8h潮汐振動しない電離圏F2層がシアンの主たる原因である、と考えられます

しかし高度1,890kmというとバンアレン内帯陽子ベルトも含むだろうと考えられます

シアン原因は電離圏F2層と陽子ベルトと考えていますが、この両者を識別する事は難しいです(出来ません)

2.一方マジェンダですが、図9の12h振動はマジェンダであろうと考えられ、その場合はキャンベラCNB磁力線パスの緯度(南緯35.2°と北緯51.0°)という比較的高緯度な中緯度観測点における溜まったオゾン層が昼夜で帯を成し12h潮汐振動している、と考えられます

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!