5月度その23 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 線積分ではダメで、面積分でもダメで、体積分でした!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 線積分ではダメで、面積分でもダメで、体積分でした!
世界まとめマップ5月バージョンを終えて、磁力線パターンの線積分を考えたのですが、線積分ではダメで、面積分でもダメで、体積分が必要でした
という短い考察記事です、これは少し時間がかかりそうです
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
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1.線積分 ➡ 面積分 ➡ 体積分 でした!
[線積分 - Wikipedia] から行きますと、
図1:線積分 by Lucas Vieira
線の経路に沿って値が決定される数値の総和を求める、というものです
foF2値マップに磁力線パターン(経路)を置いて、その経路における全電子密度を求めよう、といった場合が考えられますが、これは不完全です
何故なら各観測点で観測している磁場強度は、円筒のパイプを通過する磁力線の強度なり変動を測定している訳で、円の単位面積辺りの強度なり変動です
ここで円の単位面積で既に2次元の面となる訳ですが、面でも足りない
観測点の単位面積に集まるのは磁力線パターン空間の体積であって、それはスイカの皮の端でスイカ中央の変動を含めて全体を観測するのに似ています
図2:スイカの皮の端部に地上観測点があるの図
観測点の単位面積にはスイカ中央部の変動がすべて集まって来るのです
これを数学的にどう表現すれば良いのかが分からない(私には)
加えて実際にはスイカ(球体)ではなく、磁力線が形成する体積で、これを球体近似する訳にはいかない
図3:ビクトリアVICにおける磁力線パターン図の例
シアンラインがスイカの皮の1次元表現で、VIC位置における単位面積(1cm^2としましょう)に集まる磁力線空間は、例えば高度2,870kmではどの程度の広がりを持つのか?を計算しなければならない
加えて観測点表示は地軸_緯度経度_表現ですが、図3のシアンラインは磁気_経度緯度_表現なのです、これはスイカの皮の模様を地軸経度に例えれば、
図4:スイカを地球とした場合の図(縦模様が地軸経度)
図3のシアンラインはスイカ縦模様と並行ではなく、これを斜めに横切っており、その変換をしなければならない、とかなり複雑です(他にもありますが、この辺で止めます!)
2.太鼓のドラマーは太陽である!
しかし、グッドニュースもあります
本ブログでは磁場強度の変動に着眼しています
図3の磁力線パターン上で発生した変動は、観測点とその共役点に伝搬します、我々はこれを観測しているのです
ホイッスラー波というのがあって [プラズマ物理 - Wikipedia] より
これ(ホイッスラー波)は南半球で発生した雷の信号を地磁気の磁力線に沿ってホイスル(笛)状の雑音として北半球にまで伝える波として有名である。
南半球の共役点近くで発生した雷の電磁波信号(変動)が磁力線に沿って伝搬し北半球にまで届き「ヒュ〜イ」という笛音として聞こえる(アンプを通して)、という代物です
ホイッスラー波は数kHz(1秒間に数千回のサイクル変動)で、ここで着目している変動は24hとか12hとか8hに1回のサイクル変動で、桁が10の7乗くらい違いますが、同じ電磁波です
では誰が変動を起こしているのでしょうか?
誰が太鼓を叩いているのでしょうか?
それは太陽です!
赤道帯を中心に太陽が太鼓(成層圏・電離圏・バンアレン内帯)を叩いており、その振動を世界各地で観測しているのです
そしてドラマーにはもう一人いる事も分かって来ました
それは夜間プラズマシートです!
フェアバンクス・カレッジCMOでLT23時台にマジェンダ第1ピークを付けるのは、夜間にプラズマシートから飛来する凍結された磁力線です
現時点のまとめ
状況はかなり複雑である事が分かります
焦ってもダメで、ゆっくり進める事と致します
やはり当面は太鼓の主振動である昼間に観測される太陽光起因24h振動、帯が形成されると観測される12h/8h潮汐振動、夜間に観測されるプラズマシート起因24h振動、に着眼し観測事例なり分析を進めてゆく事に致します
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!