世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ミーノックMEAの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定、続いてミーノックMEAです
MEA北緯54.6°は中緯度の最上部です
foF2値マップは磁力線高度2,000km以下かつ高度100km以上の地点についてのみ示します、MEA4,132kmは該当しません
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性大です
2.ミーノックMEA3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年(365x3日)です
図3
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
最大値と最小値はバラけて不安定な動きをしていますが、次の図4:24h統計グラフを取ると綺麗な曲線グラフとなるのは驚きです
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=2+1」は:
第1ピークはシアンで他にも1ヶ所ある、第2ピークはマジェンダ1ヶ所のみ(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
第1ピークのシアンは実に美しいダブルピークを示し、ピークtoピークの時間差は9時間であり、かつシアンゼロ時間帯はありません、常に最小値を作る磁場減衰作用が効いています
一方、第2ピークのマジェンダはほとんどシングルピークであり、かつマジェンダゼロ時間帯が2時間連続してあります
シアン原因は電離圏F/F2層(電子ジャイロ運動)と陽子ベルト(陽子ジャイロ運動)を考えています、ダブルピークを示すのはF層は帯となり地球を取り巻き陽子ベルトも取り巻いており、12h潮汐振動によってダブルピークとなる、と考えています
一方、マジェンダ原因は問題です!即ち、LT10.4時台とLT11.4時台にマジェンダゼロを観測しているのです、観測日が927日もあるのに!
次の次の図6波形を見ますと、正確にLT10.4時台に極めて強くアンダーシュートするので最大値マジェンダを観測する事がない!と見えます
こうなりますとマジェンダ原因はオゾン層のみ、の可能性が出て来ます
電子ベルトによる磁力線凍結_磁場増加が関与していればLT10.4時台とLT11.4時台にマジェンダゼロとなるハズがない、と考えられるからです
これは今まで気が付きませんでした!
そこで、気象庁 [気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図] さんより2022年4月の世界オゾン全量分布を示すと、
図5:2022年4月の平均オゾン全量(m atm-cm)
オゾン全量とは、ある地点の上空に存在するオゾンの総量のことで、単位のm atm-cm(ミリアトムセンチメートル)は、その総量を仮に0℃、1気圧の地表に集めたときの厚さを表しています。(例:オゾン全量300m atm-cmは、厚さ3mmに相当。)
との事です、以前に出たDU(Dobson Unit)単位と同じです
MEA北緯54.6°西経113.3°のポイントは370-400m atm-cm程度、になります
3.ミーノックMEAとG17Wの波形3日間とFFT結果です
ミーノックMEAがオレンジ、G17Wはシアンです
図6:
ダウンシュート後の跳ね上がりが強烈で、ダウンシュートが927日間正確にLT10.4時台に発生すればマジェンダはLT10.4〜LT11.4時台には観測されずLT15.4時台にマジェンダピークを付ける、と説明できます
図6の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図6よりミーノックMEAのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
24h成分がトップ強度です、強度比は 24h>12h>>8h>72h です
中間のまとめ:
1.マジェンダ原因はオゾン層のみで電子ベルトによる磁力線凍結の磁場強度増大は無い(従って電子ベルトも電子ジャイロ運動による磁場強度減衰に作用する)は、新しいモデルです
これにて考察を進める事にします(何回か観測点を周回して、やっと気が付く事もあるんですね、段々とモデル精度が上がってゆく事でしょう)
図4の統計グラフと図6の波形グラフを同時解析する事により気が付いた事です
2.電離圏foF2値マップ、問題はありますがオゾン層マップ、と世界マップは見つかりました ➡ 何とか粒子密度が算出できると思います
次はバンアレン内帯の陽子&電子密度です ➡ マップがなければ推測で数値を出す事になります ⬅ 恐らく、こうなります
コメントバック:
Rio同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>マジェンダゼロが10時、11時にあり、オタワも確認したらやはり12時にあります。
そうでしたか!
>これらはオゾン層が関係していると。
はい、高度4,132kmを飛行する磁力線ですから高度3,000kmの電子ベルト中心は完全に含まれています
そして電子ベルトがマジェンダ要因の一つであれば、LT10.4、LT11.4時台にマジェンダゼロにはならないだろう、と考えています ➡ 従ってオゾン層のみがマジェンダ要因となる、という推測です
>赤道で作られたオゾンが押し寄せてくるのが、15時くらいということでしょうか?
そういう解釈も成り立ちますが、違うと思います ⬅ 以前、そのような説明も致しましたが、申し訳ありません
MEAは中緯度上部ですからオゾン層は既に帯を形成していると思います
そこで図6のアンダーシュートしてから右側LT15.4時台に強烈に跳ね上がる原因ですが:
ひとつは、同志の言われるように(以前申し上げたように)LT15.4時台にその日のフレッシュなオゾンが赤道から供給される
もうひとつが、オゾン層はマジェンダ要因として磁気モーメントを順方向に向けたいのだが、シアン原因のF2層が作り出す強力なジャイロ運動により逆方向に強制的に並べられてしまっている
やがてお昼が過ぎてF2層の力が弱まって来ると、オゾン層は反発して一気に順方向へ磁気モーメントを向ける ➡ 従ってアンダーシュートの右側LT15.4時台に反動して跳ね上がった凸部を作る ➡ これがマジェンダピークとなる
というモデルです
このモデルですとバンアレン内帯の作用は少ない、とも解釈出来まして、ほとんどがオゾン層と電離圏F/F2層で決まる、となります
>何しろ電子ベルトの磁場凍結によるものではないということですね?
>11時は太陽がばっちりのぼってますし・・。
そうです
>この解釈で合ってますか?
Rioモデルの方が(以前のモデルの傍が)正しい可能性があります
私のモデルはまだ流動的でして、まとめるには今しばらく時間がかかります
以上です
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!