6月度その12 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ビクトリアVICの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界の北方磁場強度シリーズ ➡ ビクトリアVICの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!
世界各地の北方磁場強度測定、続いてビクトリアVICです
VIC北緯48.5°磁力線高度2,870kmは中緯度中央の少し上です
現在、モデル詳細が揺れ動いておりましてご迷惑をお掛けしております
まだピタッとは来ないのです!
現時点でのGOESを除く地上観測の暫定的なモデルでは:
1.磁場強度増加(マジェンダ)要因はオゾン層のみであると思われる
2.中緯度波形に見られる鋭いアンダーシュートの右側に現れる凸(マジェンダとなる)原因は:
a. その日赤道で発生したフレッシュオゾンが時速1,000km程度で到達するのでマジェンダ凸を作る
b. アンダーシュートは減衰であり強力な電子や陽子ジャイロ運動による減衰(逆方向)作用はオゾン磁気モーメントの順方向整列を押さえ込み、アンダーシュートが終えた後にオゾン分子は解放され反発して強いマジェンダ凸を作る
の二つが考えられ、両者同時成立の可能性もある
3.以前電子ベルトは磁気濃縮を起こしマジェンダ要因としてたが、これは間違いだとして、電子ベルトもジャイロ運動による逆方向減衰(シアン効果)として作用している、と考えている
従ってバンアレン内帯はジャイロ運動をする事になるが、ここで問題が生じて、それは:
何故、バンアレン内帯のジャイロ運動が昼間に強くなる?という疑問である
太陽光圧によって昼間に圧縮され、磁気濃縮ではなくジャイロ運動を起こす説明が必要なのである!
まだまだ暫定モデルであり、コロコロ変わって申し訳ありません m(_ _)m
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層と電離圏とバンアレン帯です
図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより
オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります
図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより:
密度X軸はLogスケールである事に注意!
Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)
南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています
これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています
Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります
ここから本文です
1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです
まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です
図1:世界観測点マップ
中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です
図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ
陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性大です
2.ビクトリアVIC3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです
観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年(365x3日)です
図3
Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています
VICは1,000日を超える有効日があります
このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、
図4:
凡例にあります「● ピーク数=1+2」は:
第1ピークはシアンでこの1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダで他にもう1ヶ所(合計でピーク数は3)
ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています
ピーク数は1+2ですが、マジェンダ・シアン共にダブル凸を示しています(凸は上に凸分布の事で、ピーク要件を満たしていない場合を含む時は凸を使うようにしています)
マジェンダ・ダブルピークの方が説明が簡単なので、こちらから行きますと、右側LT14.8時台のピークはVIC北緯48.5°は赤道からの距離約5,396kmでありフレッシュオゾンが時速1,000kmで移動したとして約5.4時間後であり、14.8-5.4=LT9.4時台となり、赤道でVICのLT9.4時台に発生したフレッシュオゾンはLT14.8時台に到着する、となり許容範囲でしょう
またマジェンダLT23.8時台のピークはLT14.8時台ピーク後9時間後であり12h/8h潮汐振動の結果である、として説明が付きます
一方、VIC高度2,870kmにおけるシアンダブル凸の説明は極めて困難です、右側のLT9.8ピークですが電離圏F2層が朝日と共に生成され電子ジャイロ運動の減衰効果によりシアンピークを付ける、は良いのです
が、この高度ですと完全に陽子ベルトを包含しているのですが、バンアレン内帯陽子ベルトが朝日と共に太陽光圧または太陽風圧力によってジャイロ運動を増して減衰効果を増加させる、となります
これは本当だろうか?実はGOES高度35,786kmでは第1ピークはマジェンダであり、その原因を太陽光圧または太陽風圧による圧縮により磁気濃縮が起こり磁力線凍結によって磁場強度が増大する、が現在のモデルなのです
同じ太陽光圧または太陽風圧による圧縮が原因で、片やジャイロ運動が増加し片や磁力線凍結が起きる、を説明できなければなりません
ここが現在分からない所なのです
しかしオゾン層とF2層はどちらも深く関与していると思えますので、今後両方のマップを上げて行きます
まず、気象庁 [気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図] さんより2022年4月の世界オゾン全量分布を示すと、
図5−1:2022年4月の平均オゾン全量(m atm-cm)とVIC磁力線パターン
オゾン全量とは、ある地点の上空に存在するオゾンの総量のことで、単位のm atm-cm(ミリアトムセンチメートル)は、その総量を仮に0℃、1気圧の地表に集めたときの厚さを表しています。(例:オゾン全量300m atm-cmは、厚さ3mmに相当。)
図5−1よりオゾンは北半球に多く蓄積される、と言えそうです、原因があるのか?調べてみます
続いて図4よりシアン第1ピークLT9.8時台中央値LT10.3時のfoF2値マップを示すと、
図5−2:VIC-LT10.3時のfoF2値マップ(6月10日17:30UT)
LT9.8時台の第1シアンピークという事で、お昼前の時間帯にF2層電子ジャイロ運動が最大となる、となっております
foF2値は完全に赤道蛇行しているのですが、図5−1オゾン層は赤道蛇行がありません、これは原因を追う必要があります
3.ビクトリアVICとG17Wの波形3日間とFFT結果です
ビクトリアVICがオレンジ、G17Wはシアンです
図6:
ダウンシュート後の跳ね上がりはミーノックMEAほど強烈ではありませんが、ダウンシュート後右側の跳ね上がりがLT14.8時台マジェンダピークの原因です
右側跳ね上がりをフレッシュオゾン到着原因と見るかオゾン磁気モーメントの反発原因と見るか、両方と見るか、難しい所です
図6の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、
図7:
GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例に●を示します
図6よりビクトリアVICのパワーFFTスペクトルを取ると、
図8:
24h成分がトップ強度です、強度比は 24h>12h>>8h>72h でミーノックMEAと同じになっています
中間のまとめ:
1.図4のシアンピーク右側のマジェンダピーク観測LT時刻は世界まとめマップでまとめます
高緯度に行くほど遅延が出て、時速1,000kmの移動時間で説明が付くのか?です
2.図4のシアンダブル凸の原因は考えなければなりません
同じ太陽光圧または太陽風圧による圧縮が原因で、片やジャイロ運動が増加し(バンアレン内帯)片や磁力線凍結が起きる(GOES高度レベルのプラズマ空間)、を説明できるか?です
コメントバック:
Rio同志(id:ballooon)!
風の記事のアップ、ありがとう御座いました!
⬆ これ非常に面白かったです!
図aにはオゾン層における気圧がありませんが、調べればスグ分かります
そこからフレッシュオゾン分子が時速1,000kmで赤道から中高緯度へ移動可能かどうか分かるだろう、と思います
>これはオゾンホールについてでした(^^;)
そうなんです、オゾンホールは極地そのもので今回のモデル対象からは外しています、別世界である、と考えています
>今探しているところ
ありがとう御座います、でも上記記事で充分です、のでご無理なさらないで下さいね?
>foF2やヴァンアレン帯は難しいですね・・
あ、でも何とかなりますので、ご安心を!
以上でした
コメバック終わり
尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、
GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、
foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています
ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!