なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

6月度その17 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 柿岡KAKの地磁気変動3年間を調べ、GOES-17Wとの波形3日間を比較する!

 

世界各地の北方磁場強度測定、続いて柿岡KAKです

柿岡北緯36.2°磁力線高度720kmは中緯度に位置し、唯一日本の観測点です

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

まず、オゾン層電離圏バンアレン帯です

図a:成層圏オゾン層 [気象庁 | オゾン層とは]さんより

オゾン分布ピークは高度20〜30kmに当ります

 

図b:電離圏 [ユーザーガイド | 電離圏 | 宇宙天気予報] さんより

密度X軸はLogスケールである事に注意!

 

図c:「バンアレン帯 | 天文学辞典」によれば、

f:id:yoshihide-sugiura:20211208090955p:plain

Y軸は磁気赤道上空と思われます(但しブログ追加のGOES衛星は地軸赤道上空)

南緯30度西経60度を中心とするブラジル磁気異常では、地磁気が弱く内帯の端は高度200km程度まで降下しています

これより太陽に向かって上空ですと約9万kmの所に太陽風と地球磁気圏のぶつかり合うバウショック、約38万kmに月、約150万kmのラグランジュL1ポイントではDSCOVER衛星が太陽風を観測しています

 

図d:英文Wikiバンアレン帯に図cを埋め込むと

Wikiには「内帯には数百keVの電子と100MeV以上の陽子が存在」とあります

 

 

ここから本文です

1.世界観測点マップと磁気赤道上の磁力線高度マップです

まず、世界まとめマップから全体の位置関係の把握です

図1:世界観測点マップ

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中央横の緑ドットラインが、磁気赤道_2021です

 

図2:各観測点の磁気赤道上の磁力線高度マップ

陽子ベルト・電子ベルトの幅500kmは私の推測で変更の可能性大です

 

 

2.柿岡KAK3年間の北方地磁気変動と最大値最小値カウントグラフとfoF2値マップです

観測期間は、2019年6月2日から2022年5月31日の3年(365x3日)です

図3

Y軸はピッチ100nT、縦幅全体で500nTに揃えています

相変わらず有効日1,095日と100点満点です

 

このグラフに表示された有効日データのみを使って24時間の最小値・最大値出現時刻と回数の統計グラフをとると、

図4:

凡例にあります「ピーク数=1+2」は:

第1ピークはシアンでこの1ヶ所のみ、第2ピークはマジェンダで他にもう1ヶ所(合計でピーク数は3)

ピーク定義は、平均値を少なくとも2h連続して超えるパターンであって、かつ1hでも平均値を下回ればそのピークは脱出した、としています

柿岡の動きは:

夜明け前に前日のF2層は完全に姿を消し、従ってLT6.3時台にシアンゼロを観測する

柿岡は中緯度であり、オゾン層は常にそれなりの濃度で存在する(従ってマジェンダゼロ時間は観測されない)

夜明けと共に柿岡上空で発生したオゾンは濃度を増しマジェンダは増加する

しかし、発達するF2層は電子ジャイロ運動でオゾン分子磁気モーメントを押さえ込みシアンピークを作る(LT10.3時台)

この間、マジェンダ勢力とシアン勢力は共存競合しているのでどの時間帯でも両者はゼロにならない

正午を過ぎるとF2層は急速に収縮し勢力は衰える、しかし赤道から中緯度に移動したオゾンも加えたオゾン層は濃度を維持しており、LT14.0時台にもピークを作る

やがて午後遅くになると柿岡上空でのオゾン発生は減衰し、赤道から供給されるオゾンも減り、マジェンダは減衰する

となります

 

気象庁 [気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図] さんより2022年4月の世界オゾン全量分布を示すと、

図5−1:2022年4月の平均オゾン全量(m atm-cm)と柿岡磁力線パターン

オゾン全量とは、ある地点の上空に存在するオゾンの総量のことで、単位のm atm-cm(ミリアトムセンチメートル)は、その総量を仮に0℃、1気圧の地表に集めたときの厚さを表しています。(例:オゾン全量300m atm-cmは、厚さ3mmに相当。)

柿岡はそれなりにオゾン全量は多いですが、共役点では少ないです

柿岡は世界で最もオゾン全量の密度傾斜が激しい所である事が分かりますが、これはあまり関係なさそうです

しかし、オゾン全量の赤道ベルトの位置依存性(インド洋〜大西洋の赤道帯では平均全量が多い)は興味深いです

 

 

続いて図4より第1シアンピークLT10.3時台中央値LT10.8時のfoF2値マップを示すと、

図5−2:柿岡-LT10.8時のfoF2値マップ(6月15日01:30UT)

典型的な第1シアンピークのマップです、即ち昼前の時間foF2値がそれなりに成長した段階でシアンはピークを付けます、決してfoF2値最大時ではありません

 

 

3.柿岡KAKとG17Wの波形3日間とFFT結果です

柿岡KAKがオレンジ、G17Wはシアンです

図6

逆相です、第1ピークがシアンの場合、こうなります、中緯度の特徴です

シアン原因であるダウンシュートのあと、右側に持ち上がるのが第2ピーク・マジェンダ原因です

 

図6の波形よりG17WのパワーFFTスペクトルを取ると、

図7:

GOESでは常に24h成分が強力に強く出ます、GOESの24hカウントグラフで第1ピークがマジェンダなので凡例にを示します

 

図6より柿岡KAKのパワーFFTスペクトルを取ると、

図8:

12h成分が強く、強度比は 12h>24h>8h>72h です

12h成分が強いという事は、12h潮汐振動の結果ではなく、単にマジェンダピークがシアンに食われて分裂した結果である、と思われます

 

中間のまとめ:

1.中緯度柿岡の課題は、ダウンシュート後に現れる凸が赤道から高速に移動して来たフレッシュオゾン効果なのか、F2層に圧迫され逆方向に並んでいたオゾン分子磁気モーメントが一気に順方向に並びを変える効果なのか、他観測点を含めて世界まとめマップで分析します

観測を続けます

 

 

コメントバック:

Rio同志(id:ballooon)

分析コメント誠にありがとう御座います、感謝です

>柿岡は、どちらかというとベイセント&ツーソンに似ているように感じます。

この辺りの分析ですが、昨日同志のGUA分析から、低緯度・中緯度・高緯度に分けてグラフ化する(世界まとめマップで)事と致しました

全体をまとめるとかえって分からなくなる、似たもの同志は一緒にして差異を抽出した方が良いのだ、という事に気がついた次第です

ありがとう御座いましたです

>ただFFTは12hがダントツなのは同じですが、柿岡は24hも強く出てますもんね?

ここは難しい所なのです

まず第1に波形は3日間のデータであり、統計は3年間のデータ解析である事(取り上げた3日間データが3年間統計が示すピークに必ずジャストミートするとは限らない)

>柿岡は他とは違う柿岡スタイルとなるのでしょうか?

実は私もそれを今思っている所なのです

OTT/FRD/BSL/TUC/MEA/VICは中緯度で経度がそれなりに揃ったグループです

それに対しKAKはCNBと似た経度グループに属します

この両グループでは特徴が異なるのではないか?経度依存で動作が違って来るのではないか?と考えています

キッカケはGOESです、G16E(西経75.2°)とG17W(西経137.2°)は経度で62°、時差で4時間ありますが:

図9:G16E統計分布(有効日233日)

G16のピーク値レシオは2.36で、

図10:G17W(有効日231日)

G17のピーク値レシオは1.16と、ジャスト2倍違うのです

何故同じ緯度0°・高度35,786km・経度差62°で2倍も違うのだろうか?という事です

太陽が地球経度を意識しているハズはなく、原因は地球側にあります

図1を見て頂ければ、G16Eは磁気赤道が急変する凹部分に接しており、G17Wは磁気赤道がなだらかな部分に接しています

恐らく、これが原因です では何故?は、分かりません

そしてこれは中緯度磁力線パターンの経度グループにも同じ影響を与えている可能性があります

長くなりました!

以上です

コメバック終わり

 

 

 

尚、地磁気データはINTERMAGNETさん [The INTERMAGNET Vision and Mission] 経由で各地磁気データを世界の各観測点さんからダウンロード、

GOESデータはNOAAさん [GOES Magnetometer | NOAA / NWS Space Weather Prediction Center] からダウンロード、

foF2世界マップはオーストラリア政府Space Weather Serviceさん [SWS - Global HF - Ionospheric Map] からスクショしています

ここに皆々さま方に深く感謝申し上げます

 

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です!