11月度その4 エルニーニョ南方振動ELSOを追うシリーズ➡過去48ヶ月の太陽黒点数とエルニーニョ&ラニーニャの相関グラフを取り、ペルー沖の海面温度マップとオゾン全量マップを取る!
気象庁さんからエルニーニョ監視速報が発表されました(11/10)
そこで、エルニーニョ南方振動ELSOと太陽黒点数との相関を調べる目的で、2022年10月の太陽黒点数データからさかのぼること過去48ヶ月間とエルニーニョ・ラニーニャ状態の季節(3ヶ月単位)を合わせてグラフ化しました
赤道海面からの上昇気流がもたらすオゾン分布に興味があり、ペルー沖の海面温度マップと月平均オゾン全量マップも取っています
お付き合い頂ければ幸いです
気象庁さんの発表 11/10 [気象庁 | エルニーニョ監視速報] によれば:
1.11/10現在、まとめとして
とのことです
2.現在の発生確率リスト
予測期間:2022年8月〜2023年2月 が示されていて:
図1:5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)
従って、2022年11月まではラニーニャ100%が確定または確実で、
12月も確率90%でラニーニャ、
1月は確率50%でラニーニャ、平常が確率50%、
2月は確率70%で平常、と予測されています
3.太陽黒点数とエルニーニョ/平常/ラニーニャのグラフ
本ブログでは各月毎に太陽黒点数を出し、エルニーニョであるかラニーニャであるかニュートラルであるかを季節単位でグラフ化しており、黒点数と共にグラフをアップします
エルニーニョ&ラニーニャ・過去データは [エルニーニョ・南方振動 - Wikipedia] を参照しています:
図2:約4年分の最新ELSO状態リスト(Wikiより)
2016年夏 - 2017年春 | ラニーニャ | 北海道を中心とした8月の長期的な大雨・豪雨 1951年に気象庁が統計を取り始めて以来、初めて東北地方の太平洋側に台風が上陸した(平成28年台風第10号) また北日本では平年より7日 - 10日早い初雪・初冠雪を観測し、関東甲信越では2016年11月に初雪・初冠雪を観測した(関東甲信越で11月に初雪・初冠雪が観測されたのは1962年11月以来、54年ぶりとなる) このほか、2017年1月中旬と2月中旬、3月上旬は日本国内(平成29年日本海側豪雪)のみならず、国外の多くで10数年に1度の北半球最大規模の大寒波が襲来した |
2017年秋 - 2018年春 | 日本でこの冬(2017年12月〜2018年2月)の平均気温は約1°C程度低かった。そして冬の積雪は平年よりかなり多く(平成30年豪雪)、全国規模で寒冬となった | |
2018年秋 - 2020年春 | エルニーニョ | 2018年9月4日に近畿地方にかなり台風が接近して危険な暴風となった(平成30年台風第21号)。9月7日〜9月10日は秋雨前線が近づいて西日本では断続的に雨が降り続いた。冬はほぼ全国的に暖冬で、南西諸島は記録的暖冬、西日本や東日本でも顕著な暖冬となり、西日本の日本海側は記録的少雪となった 2019年5月〜7月は北日本を中心に記録的な長期高温・長期日照・長期少雨となった。7月中旬までは冷夏傾向だったが、2019年8月は平年並みか平年より高い夏だった。6月は南米で大量の雹が局地的に降り、欧州で長期的な異常高温になるなど異常気象が発生した 2019年12月から2020年2月にかけて日本では北日本を除き、2006年12月 - 2007年2月当時を凌ぐ記録的な大暖冬となった |
2020年秋 - 2021年春 | ラニーニャ | 2020年初冬より日本国内を中心に、数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し(奄美沖縄を除く)、12月14日から21日までの7日間の総降雪量が200センチ(2メートル)を超えた地点が数地点と、主に東日本と北日本の各日本海側、および山陰地方と九州北部の長崎を中心に記録的な大雪を観測した(令和3年豪雪)。特に2021年1月から2月中旬にかけて日本では北日本、および西日本の各日本海側を中心に、2006年1月 - 2月当時を上回る記録的な大厳冬となった(しかし2月後半は暖冬傾向だった) 2021年1月上旬には日本のみならず、中国や韓国などの東アジアや一部の北米、欧州でも数年に1度の最大規模の大寒波が襲来し、特にスペインの首都マドリードでは半世紀(50年)ぶりの大雪となった |
2021年秋 - | 2022年1月上旬には日本(令和4年豪雪)のみならず、海外のパキスタンでも記録的な大雪となった |
2021年春(3月〜5月)まではラニーニャ状態である、としています
2021年夏(6月〜8月)はニュートラルでした
2021年秋(9月〜11月)は再びラニーニャ状態に入り、その後、現在もラニーニャが継続している
黒点数は [国立天文台 太陽観測科学プロジェクト 三鷹太陽地上観測] さんデータです
図3:黒点数vsELSO各状態グラフ
マジェンダが太陽南半球の黒点数、シアンは太陽北半球の黒点数、で横軸は年月
その上に高さ5固定で、ブルーがラニーニャ状態の月、オレンジがエルニーニョ状態の月を上乗せしています
NOAAさんより直近10月までの黒点数観測結果と今後サイクル25の予測を示せば、
図4:NOAAさん太陽黒点観測と予測
であって、予測より太陽黒点数はかなり多く出ていて太陽活動は予測以上に活発であり、高温東風の貿易風が強く吹き海面に冷海水が上昇しているものと思われます
この異常に活発な太陽黒点活動が続くかぎりラニーニャは収まらないのではないか、と思われますが2023年1月にはラニーニャ50%・平常50%が予測されています
⬆ 2023年1月には黒点数は減少する、となりますが、果して???
4.ペルー沖の海面温度マップと平均オゾン全量マップ
気象庁さん [気象庁 | 海面水温実況図] より、ペルー沖の海面温度マップ11/10を取ると、
図5:海面水温実況図(部分) 2022/11/10(JST)
ペルー赤道沖の海面水温は20°程度と見られ、先月より温かくなっているように思います
気象庁 [気象庁 | 月平均オゾン全量の世界分布図] さんより2022年9月の平均オゾン全量マップを示すと、
図6:2022年9月(これが最新)の平均オゾン全量マップ(m atm-cm)は、
明らかにペルー沖(9月はラニーニャなので海面温度は周囲より低い!)のオゾン全量はより温度の高い上下(南北)に比べ増加しています
これは面白い事になって来ました!
図7:ちなみに2022年8月の平均オゾン全量マップ(m atm-cm)は、
となっています
8月から9月にかけて赤道から南半球側のオゾン全量は増加した、と言えるでしょう
やはりオゾン全量マップは、1年間取らないと全体が見えない状況です!
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
早速のコメントありがとう御座います、感謝です
>図5、ペルー沖の水温あがってると思えますね!
そうです、少し上がって来ました(但し、これは11月10日の観測)
>そして図6のペルー沖もオゾンが増えてきていますね(*^^)
そうなんです、ペルー沖のオゾン全量(9月平均ですが)は正にラニーニャパターンです
これは、1年取らないと分かりません
>一方、日本のオゾンは減りましたね?
はい、北半球のオゾン全量は減少し、南半球は増加しています(9月平均ですが)
>それとGoesは安定した3日間でしたね~
はい、安定していました
で、これから各観測点のグラフ取りに入ります
よろしくお願い致します
コメバック終わり
以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です!