11月度その19 オゾン全量シリーズ➡酸素問題が発覚したッ!
オゾン全量シリーズなるものを立ち上げています
お付き合い頂ければ幸いです
オゾン全量に係数を掛ければ、最大値-最小値の磁場変動が算出できる
前回、最大値-最小値 = Coef * オゾン全量
を図1の マジェンダ = Coef*オレンジ に適用しCoefを算出平均すると(但し、2022_03/04は対象から外す)、Coef = 0.22673797(nT/m atm-cm)となりました
そして、図1にグリン = 0.22673797*オレンジ にてグリン線を重ねました
図1:
2022_03/04を除けば、グリン線はマジェンダ線をよく予測しており(と考え)、次はCoefからオゾン分子の個数(単位体積当り、従って密度)を算出し、オゾン分子密度が妥当な数字か?を検証する最終ステージに入る、という目論見でした
オゾン分子の磁化率χ(カイと読む)を調べる
外部から磁場Hが掛けられると磁性体には磁化Mが生じ、
M = χH
比例係数χが体積磁化率で、物質の磁化Mは単位体積当りの磁気双極子モーメントとなる
オゾン分子のχは:
+6.7・10^-6 cm^3/mol [Ozone - Wikipedia]
molは分かりにくいのでgに直すと、
+1.4・10^-7 cm^3/g [Online calculator: Convert grams to moles and moles to grams]
となる
オゾン分子のχは+なので、常磁性である
酸素分子のχも調べる
χを調べていると酸素分子のχも出てくる(酸素分子は常磁性としてよく知られる)、それは:
+1.07・10^-4 cm^3/g [磁化率 - Wikipedia]
な、なんと酸素分子のχはオゾン分子の約1,000倍である!
これは酸素分子はオゾン分子より1,000倍強い磁石である(常磁性分子は小さな磁石と思ってよい)と言っているのである
何が問題か、と言って
図2:大気の構造 [気象庁 | オゾン層とは]
太陽紫外線が酸素分子からオゾンを生成するので、昼間赤道上でオゾンは生成され急速に南北中緯度へ移動しているのである(従って赤道上のオゾン全量は常に低い)
ここで、クールーKOUに至る磁力線パスを拡大すると、
図3:
磁気経度と緯度で示してあるが、大半の領域はオゾン層に含まれている
問題1:
昼間、成層圏の酸素は大半がオゾンに変換されるとしても、夜間にオゾンは生成されない(紫外線がないから)
従って夜間成層圏は酸素で満ち溢れているハズである
地球の大気の99.9%は窒素(78%),酸素(21%),アルゴン(0.93%)で占められていて、これらの濃度比率は高度約100kmまでは地球上のどこへ行っても一定です [日本地球化学会] とある
では、何故χが1,000倍も強い酸素が夜間に磁場強度増大に作用しないのか?
図4:
KOUの夜間LT20.5時台に最小値を最も多く検出しているが、常磁性分子である酸素は作用しないのか?
問題2:
そもそも常磁性オゾン分子の磁気モーメントが磁力線に沿って並ぶので昼間KOUの磁場を強くする、というモデルが間違っているのか?
問題3:
オゾン分子のχは英文Wikipedia1カ所に出ているのみで、他には見当たらない(現在の所)
果してこの数値は正しいのか?
オゾンは不対電子を持たないので反磁性である、という記述すら見つかる(但し反磁性の数値は見当たらない)
χは温度・気圧の関数であり、酸素分子の場合(20°C,0.209atm)と明記されているが、オゾン分子では明記がない ➡ この辺りをもう少し調べる必要がある
といった所です
少し考えてみます
コメントバック:
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>濃度が一定ではなくて比率が一定ですよね?
あ、仰る通りです!
濃度比率が一定、です
で、酸素問題ですが:
1.夜間、成層圏で酸素がなくなる事は有り得ない
酸素は常磁性で、χが +1.07・10^-4 cm^3/g である事も正しいだろう
従って、夜間に常磁性の酸素が磁場を増幅させて図4のKOUのLT20.5時台に最小値を付けているのである
2.という事は、
オゾンのχが +1.4 ・ 10^-7 cm^3/g というのは間違いで、これより1,000を大きく超えた値である
もしくは、
オゾンはオゾン層で紫外線照射により酸素分子より生成され [Ozone layer - Wikipedia] 、
O2 + uv -> 2O(uvは紫外光)
O + O2 <-> O3(双方向の反応で、常にOとO2とO3が存在する)
ここで酸素原子Oは2個の不対電子を有する常磁性物質である(酸素分子も同じ2個の不対電子を有する常磁性物質である)
ここで酸素原子Oのχが酸素分子O2のχより大きければ、オゾンが発生する昼間に磁場強度が増大する説明が付く
・・・
で、調べましたら酸素原子のχが見つかりました [Oxygen - Wikipedia]
3.449・10^-3 cm^3/mol との事で、これをgramに変換すると、
2.159・10^-4 cm^3/g となります
従って、酸素原子Oのχは酸素分子O2のχより2.02倍大きい(磁化しやすい)となります
3.上に示した式 O + O2 <-> O3 よりオゾン分子O3と酸素原子Oは常に同数存在するとしてよいので、成層圏におけるオゾン分子濃度はそのまま酸素原子濃度と考えてよく、それは酸素分子より2倍大きなχを持ち、従ってKOUでは昼間磁場強度が増大する、となります
以上です
コメバック終わり
以上、お付き合い頂きありがとう御座いました
感謝です