11月度その20 オゾン全量シリーズ➡オゾン層におけるOとO2とO3の生成と消滅のメカニズム:チャップマン機構を考察する!
オゾン全量シリーズなるものを立ち上げています
お付き合い頂ければ幸いです
まず、オゾン層を確認します
図1:大気の構造 [気象庁 | オゾン層とは]
太陽紫外線が酸素分子からオゾンを生成するので、昼間赤道上でオゾンは大量に生成され急速に南北中緯度へ移動している [ブリューワー・ドブソン循環 - Wikipedia]
従って赤道上のオゾン全量は常に少なく、中緯度のオゾン全量は常に大きい(高緯度でオゾン層はまた別の動きをする)
チャップマン機構とは
ここで赤道上空オゾン層における化学反応をまとめると [Chapman Reactions]
反応1.O2 + UV(<242nm) -> O + O (比較的遅い反応)
反応2.O + O2 + M -> O3 + M (高速反応で下の3と同時に起きる)
反応3.O3 + UV/visible -> O + O2 (高速反応で上の2と同時に起きる)
反応4.O3 + O -> O2 + O2 (比較的遅い反応)
UV(<242nm)は波長242nm以下の紫外光、visibleは青色可視光まで含む、の意味である
MはO/O2/O3以外の第3の粒子(窒素とか、何でも良い)
反応2と3は平衡状態となり、結果この2式範囲内において、OとO3の粒子数は常に等しくなる [オゾン層 - Wikipedia]
反応2と3を合わせて、O + O2 <-> O3 と書く場合もある
これをチャップマン機構と称し、1930年チャップマン(英国)によって提唱されたのである
大気中のオゾンは、その90%以上が成層圏に存在し、オゾン層では濃度は2〜8 ppmと、地表の0.03 ppmと比較すれば非常に高い
チャップマン機構の各ステージを考えてみる
ステージとは状態の事である
ここでO2の磁化率χを1、Oを2、O3を0、に簡素化して考察する
チャップマン機構の各ステージは以下のごとくと理解される
図2:チャップマン機構の各ステージ
O3単独のステージは状態として捉えず、ステージ2に吸収させてしまう
反応2と3は極めて高速であるから、吸収させるとしていいだろう
結局、チャップマン機構の入力は2個のO2、出力も2個のO2、である
昼間、紫外光が照射されるステージ2におけるχは5となる
対応する夜間におけるχは2である
この昼間χ / 夜間χ = 5 / 2 の比率が最大値-最小値の基本原因である
加えて、チャップマン機構の特徴はステージ2にあり、紫外線が強ければ(O2が枯渇しない限り)ステージ2の2個のOは生成され続け、最大値-最長値の差はより大となる
反応2と3においてO3とOは同数であるから、反応1を考えれば、ステージ2におけるOの個数はオゾン全数O3の2倍となり、O3の個数は観測されたオゾン全量の90%(オゾン層において)と考えればよいだろう
クールーKOUにおける昼間の紫外線量が分かれば定量的な検証は大いに進むのだけれども、それは見当たらない
気象庁さんのサイトを見ると那覇における紫外線量の月平均観測はあるが、クールーKOUには使えないだろう(KOUはやはり黒点数で代替か?)
と、ここまで考えて、今月は終わりに致します
来月の後半までに何を思い付くか?となります
コメントバック
リオ同志(id:ballooon)!
コメントありがとう御座います、感謝です
>何が起きているかよくわかりました(^^)v
えッ!それは凄い、良かったです!
>カイχを簡素化して説明してもらったので、なるほど!
簡素化しても実態と大して変わりません
OのχはO2の約2倍ですし、O3のχはO2の1/1000ですのでホトンド0ですから
来月は単位体積辺りの粒子数に着目して計算なり考察を進めます
来月もよろすく、です
以上でした
コメバック終わり
以上、お付き合い頂きありがとう御座いました
感謝です