なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

12月度その15 世界の北方磁場強度シリーズ ➡ 2021年11月4日の挙動を世界レベルで追う!

北方磁場強度_変動と太陽黒点数_変動の相関を追っています

宇宙の徒然を語るブロガー「リオマサキ(id:ballooon)」同志から、1年前の私のサイト記事に2021/11/04に磁気嵐があった事が偶然にも載っている、とのご指摘を受けました

あッ?という事で調べました所、NICTさんのK-indexとNOAAさんのGOES波形を載せておりました!

という訳で、私としてみっともないお話で恐縮ですが、その時のグラフを載せてまとめさせて頂きたく

リオ同志の鋭いご指摘は、いつもながら天才的な所がありますです、はい!

 

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

暫定版で流しているのでタイトルにNAが出ます

図1:VIC3年間の磁場強度変化は、

 であって、2021年11月に最小値シアンが17800nT辺りに付けています

 

図2:VIC磁場最大最小と黒点数最大と最小の関係は、

となり、ここで2021年11月にVIC最小値は鋭くダウンシュートし、その時の黒点数は急減している事が分かります

 

そこで2021年11月に絞ってX軸を分単位で表示するように精度を上げたグラフを作成しました

磁場強度は分単位のデータですので、これが最大精度です

図3:2021年11月一月の磁場強度と黒点数(X軸は分単位)

2021年11月4日に磁場は鋭くダウンシュートしている事が分かりました

ですが、黒点数はすこし下げているだけでした

 

地球磁場は、太陽コロナ質量放出(CME)や太陽フレアの影響を受けて増減するのですが、黒点数の増減だけではこれらCME等の発生を直接関連付けられない、という事だと思います

そこで動作確認のため、11月3-5日の3日間について拡大してみました

図4:2021年11月3-5日

う〜む、これ典型的な磁気嵐時の地上観測点の動作なのでしょうか?

 

[地磁気観測所|基礎知識|磁気嵐] によれば、

図5:初相/主相/回復相に分かれる磁気嵐による地磁気変化

なのですが、VIC_図4が磁気嵐時の応答_図5に相当するのでしょか?

 

ここで1年前の自分の記事:

[11月度その4 世界の北方磁場強度シリーズ➡オタワの地磁気変動3年間を調べ、GOES-16Eと準リアルタイム波形3日間を比較する!追記あり! - なぜ地球磁極は逆転するのか?]

を見てみますと、何と2021/11/04のK-index(NICT)をアップしていました!

図6:2021/10/30-11/05の磁気嵐を示すK-Index@柿岡

11/04にMajor stormを観測しているので磁気嵐があった事で間違いありません!

この時、太陽風プロトン流が大量に飛来していることがGOES16で観測されており、

図7:GOES-16が観測した太陽風プロトン

その時のGOES波形(NOAA)もアップしていました

図8:2021/11/3-4に掛けてのGOES16/17波形

GOES波形がダウンシュートせず上に凸ですと、KOUはどうであったのか?が気になります

そこでKOUの3日間を調べます

図9:2021/11/03-05におけるKOUの立ち振舞

Y軸は高さ700nT、図4と揃えてあります

これはGOES波形図8と相似形(同相)である、と言えるでしょう

 

 

 

まとめ:

1.磁気嵐があった時、飛来する電子流やプロトン流がバンアレン帯電離圏を乱し、観測点の地磁気磁場強度が急減する(図4と図5)

急増でなく急減するのは、電子やプロトンのプラズマ流は磁場中で反磁性のジャイロ運動をするので、その時その場の磁場を弱める働きをするからである

従って、バンアレン帯電離圏における飛行距離の長い高緯度(OTT=VIC>KAK)ほどダウンシュートが深くなる(下図参照)

図9:各観測点磁力線高度とバンアレン帯,電離圏,オゾン層の高度

 

2.ここでKOUに磁気嵐の影響が現れないのは、KOU磁力線高度29.5kmは電離圏まで届かずオゾン層(成層圏)以下で閉じているからである

従って磁気嵐の影響は、赤道直下の観測点には影響を及ぼさない

もし仮に紫外線嵐といったものがあるとすればKOUの磁場強度は急増するだろう

KOUの場合は年々黒点数の増加に伴い紫外線強度は増加しているだろうから、それに伴ってKOU磁場強度が増大している、に留まる

 

3.最後に図8でGOESでは磁気嵐時に磁場強度が増大している事に着目すべきである

この原因は、今スグには分からない(私には)

GOES高度35,786kmはバンアレン帯を遠く外れており、どのようなプラズマ環境にあるのか考察する必要がある

何しろ面白いのは、GOES高度35,786kmとKOU高度29.5kmはいつも同じ動きをする所にある!

 

 

コメントバック:

リオ同志(id:ballooon)!

おはよう御座います

コメントありがとう御座いました、感謝です

 

>ただ磁気嵐について、当時わからなかったことがだいぶ解明された感じです

良かったです

 

>図8の真ん中付近20~22時頃に増加していますが、同じ頃プロトン流も増加していますね?

はい、図8はGOES波形ですから、その時GOES北方磁場強度が増大した、です

太陽風プロトン流とは

プロトンは陽子の事です、ので太陽風に含まれている陽子プラズマ流、の事です

太陽風は電子流も含むのですが、何故ここで電子流の記載がないのかは分かりません

 

以上でした

コマバック終わり

 

 

以上、お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました

感謝です