なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

12月度その20 オゾン全量シリーズ ➡クールーKOU_LT11時台の磁場極大原因に関するモデル説明その2、と今後の進め方!

前回、LT11時台におけるKOU北方磁場強度の増大について、粒子数と磁化率に関する考察から、酸素原子が酸素分子に影響を与え北方へ整列させるモデルを提案した

 

今回はそれをまとめると共に今後の進め方について述べます

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

まず、要求仕様を再度確認します

図1:KOUの北方磁場強度の変化は:

であり、直近の中央値は26,530nT程度、その時の波形は、

図2:

であって、増大分は約100nTと見て、

変化率は:

100/26530 = +3.77x10^-3

となる(要求仕様)

 

 

酸素分子の磁化率を1とし、高度30kmにおける酸素分子数を1x10^21個とし、酸素原子数の30kmにおける個数はオゾン分子数と同じとすれば3x10^16個程度であり、これが酸素原子の磁化率のみによって3.77x10^-3倍の磁場増加に寄与しているとすれば、酸酸素原子の磁化率をMag(本来はχで示すが)として:

(10^21 + Magx3x10^16) / 10^21 = 1.00377 であり、これを解くと

Mag = 126 となり、

酸素原子の磁化率が酸素分子の磁化率より126倍大きければ成立する、となる

しかし実際にはMag=2であり、酸素原子の磁化率のみの寄与では説明が付かない

 

[常磁性 - Wikipedia] より、常磁性粒子が小さな磁石であるとは

図3:常磁性粒子は小さな磁石である

ランダムに並んでいる状態に外部から磁場がかかればその方向に揃う、のである

夜間、酸素分子のみが地球磁力線に沿って並んでいるが、昼間LT11時台には2倍磁化率の高い酸素原子が加わり、より磁化率の強い酸素原子に引かれて酸素分子はより磁力線方向に整列し、KOUの磁場強度を0.377%増加させるのである

図4:KOU磁力線パターンは、

であり、この磁力線パスには地磁気磁場と夜間は酸素分子の磁化率による磁場が加わって強度26,530nTを形成しているのであるが、LT11時台には磁化率2倍の酸素原子が加わり100nT増加するのであるが、その増加分は酸素原子のみの効果では説明が付かず酸素分子も酸素原子に引かれてより整列し磁場強度を0.377%増加させているのである

そのイメージは、

図6:磁場強度0.377%増加のイメージ図

シアンがKOU磁力線上の夜間の磁場強度で、オレンジがLT11時台の磁場強度となる

LT11時台に酸素分子が増えて磁場強度が増加するのではなく、酸素原子の出現と酸素原子の影響でより北方向0°に揃ってKOU磁場が増加するのである

 

 

ここで問題点が二つあり:

問題点1:オゾン分子数と酸素原子数は1:1か1:2か?

図7:改変されたチャップマン機構

前回バージョンから反応ステージをひとつにまとめる改変をしている

反応ステージ2を見た時、オゾン分子数と酸素原子数の比は1:1か1:2か、という問題である

LT11時台における磁力線パス上の磁化率は酸素分子の126倍が要求されており、酸素原子数がオゾン数と等しければ2倍しか満たさない、が上の説明であったが、酸素原子数がオゾン数の2倍であれば4倍まで満たす、という事になる

いずれにせよ126倍を酸素原子のみで説明する事は出来ない、に変わりはないのだが、気に掛かっている部分なのです

 

問題点2:酸素原子にも励起状態はある!

酸素分子の励起状態である一重項酸素は不対電子がなく常磁性は失われる、であったが、酸素原子にも励起状態はあって、これは不対電子はそのまま保持しているように見える

酸素分子が紫外線を受けて二つの酸素原子に分解する時は高エネルギー状態であろうから、励起状態にある事は充分考えられる

励起された酸素原子の磁化率は増大するか?だが等価的に半径が増大するので磁化率も増大するのではないか、と思われる

増加しても2➡3程度であろうから大勢に影響はないのだが、励起状態の酸素原子は緑色の光を発光して基底状態に戻るのである

そして、この緑色の光とは、何とオーロラ光なのである!

図8:By Tarja Mitrovic

フィンランドで観測された緑色のオーロラ

 

今後の進め方:

1.KOUにおける定量的分析はこれ以上追わない

酸素原子とそれに引きずられた酸素分子の磁気モーメント整列がLT11時台の極大値を構成している、で終わりである

今後はKOUにおけるオゾン全量と磁場強度最大値-最小値の相関の測定に集中します

 

2.オーロラが発生する高緯度は外しても、中緯度高部オタワOTTの酸素原子は赤道からオゾンと共に運ばれて来るモノだけなのであろうか?

OTTでは赤道直下のような強力紫外線は期待できないが、磁力線に巻き付いて降ってくる電子や陽子のプラズマ粒子は在って、これが酸素分子を酸素原子2個に解離している可能性はある

するとオゾンは赤道直下だけでなく高緯度・中緯度では磁力線に巻き付いて降下するプラズマ流によっても生成される事になり、高緯度・中緯度のオゾン全量が極めて多い事の説明にもなる

従って、今後の定量解析はOTTへ移るとしよう

勿論、オゾン全量と最大値-最小値の相関グラフは取ります、OTTはもっとも季節依存性の高い振動をしているからです

 

 

コメントバック

リオ同志(id:ballooon)!

コメントありがとう御座います、グリーンスターまで・・・!

感謝です

 

>図3を見て、常磁性粒子というものがやっとピンと・・・

良かったです

>このランダムな粒子、例えば酸素分子がきれいに並ぶんですね?

仰る通りです、外部磁場(地球磁場)があれば綺麗に並びます

温度が高ければ並び方にはランダム性が出て、甘くなります

>そうすると大きな磁石になる?で合ってますか?

合ってます、ひとつひとつが加算されますので、

粒子数に着眼し、これを求める必要があったのです

 

>それと『ここでO2の磁化率χを1、Oを2、O3を0、に』・・・

はい、修正致しました!

 

>そしてなんと!酸素原子が励起状態から基底状態になる時の光とは
>オーロラでしたか!とてもきれいな光を発するのですね?

そうなのです、緑のオーロラは酸素原子の励起状態からの遷移でした

私も、あッと思いました

来年になりますが、オタワOTTの解析が面白くなります

 

>面白かったです(*^^)

良かったです〜、ありがとう御座います

そして、メリークリスマスです

良いお年をお迎え下さい

 

以上でした

コメバック終わり

 

 

以上、お付き合い頂きありがとう御座いました

感謝です