なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

4月度その28 北方磁場強度シリーズ ➡ ランダムな柿岡KAK北方磁場12日間の観測にて異常波形を追う!

柿岡KAKでは本年2月1日から3日にかけて36h成分が異様に強い波形が観測されました

その後、36h成分が異様に強い3日間波形は観測されず、そこで12日間に渡る波形をランダムに取り上げて、異常な波形があるかどうかを調べる方法に切り替えました

今回は、4月7日から18日(UT)の12日間の観測です

 

お付き合い頂ければ幸いです

 

 

 

図1:KAK:4月7日から18日(UT)まで12日間波形

第4日(4月10日)の中央手前付近に異常ダウンシュートが見られます(発生時刻はKAK19時LT頃です)

KAKはLT10.8時に最小値(ダウンシュート)を観測する場所で、縦黒線がLT10,8時KAKです、それを超えて異様にダウンシュートしています

 

そこで図1波形のスペクトルを調べます

図2:図1のスペクトル

何と12h成分が最強と出ました、8h成分がそれに続きます

24h成分もそれなりにあるだろうと思いましたが、それほど強くは出ませんでした

36h成分も表示しましたが、24hより弱かったです

 

そこで、図1より4月9日から11日の3日間にウィンドウを絞って波形を取ります

ここで4月10日の異常ダウンシュートが太陽直接起因か(太陽風や太陽光が直接原因となって発生したのか?)を調べる必要があり、G18Wの波形も合わせて載せたくなります

ここで以下の問題が発生します

1.GOESデータは直近7日間のみが公開されておりアーカイブは無い!

2.私がセーブしているデータは1日の最大値と最小値を保存しているのであって、その間のデータは無い

3.元々KAK波形とG18W波形は強度が全く異なるので、両者そのまま同じグラフに載せる事は出来ない、変動分を抽出して重ねて表示する必要がある、しかしG18Wデータは1日の最大最小値のみであり中間データは存在しない

4.そこで最大値と最小値の中間は平均を取って連続する波形を形成させ、その上で変動分を抽出した

 

こうして得られた波形を重ね合わせた3日間波形です

図3:4月9日〜12日の重ね合わせ波形

・薄いグレー縦ラインがUT0時ラインである

・黒の縦ラインがKAKにて最小値を観測するLT10.8時である

・シアン縦ラインがG18WのLT12.0時である

・オレンジ縦ラインがKAKのLT12.0時である

・両者の時差は5.5時間である

日付を無視して、太陽は東から西に向かうからG18Wに正午が来て、その後5.5h後にKAKに正午が来る

図で時間は左から右に流れるから、シアン縦ラインとオレンジ縦ラインに着目し左から右にスキャンすると、まずシアン縦ラインG18W12.0LTに遭遇し、その後5.5h後にオレンジ縦ラインKAK12.0LTに遭遇する、と読むのである

・シアンの上に凸な部分がG18Wの最大値であり60分間続けてある、下に凹の最小値も同じ、凸と凹の中間は平均値であり実際の波形ではない

 

考察その1:

図3をそのまま眺めれば世界同時に起きている波形が観測されている、となる

4月10日のオレンジ異様ダウンシュート時にシアン波形が同時に何か作用している事はない

従って、KAKの異様ダウンシュートは太陽活動が直接作用した結果ではない、と言える

これが重要な結論です

シアン波形上に凸の時にオレンジ波形最大となる傾向が見られるが、これは偶然だろう、両者に因果関係があるとは思えない

 

図3のKAK波形についてスペクトルを取ると、

図4:3日間KAK波形のスペクトル

やはり12h成分が最大で、8hが続く

36hは弱く、24hに至っては非常に弱い

 

考察その2:

4月10日のLT19時頃に観測された異常ダウンシュートの原因は、電離圏に発生したプラズマバブルの可能性が高い(太陽直接起因ではなく)と考える

磁力線強度が弱まる(ダウンシュートする)という事は、電離圏における電子ジャイロ運動が一層増加し背景磁場を一層弱めているからである、と考えられる

プラズマバブルはプラズマ密度を極端に低くするので、通常は背景磁場強度は増加する(減衰ではなく)と考えられる

ここのモデルは、プラズマバブルは夕方に発生し夜間から昼間にかけてゼロになる事はなく蓄積され、ある夕方に再びプラズマバブルが発生しある臨界値を下回るとクラッシュして一気にプラズマ密度が増加し異常ダウンシュートを引き起こす、という仮定です

 

36h異常振動は見つかりませんでしたが、12h異常振動が見つかり約12日程度に一度発生するプラズマバブル・クラッシュではなかろうか、との仮結論です

 

今後もKAKについては月の後半にランダムな12日程度の観測を続けます

 

 

 

コメントバック

リオ同志(id:ballooon)!

お忙しい中でのコメント、ありがとう御座います、感謝です

 

図1の表示を間違えていました、処理は12日で行ったのですが、表示を7日間に絞っておりました

表示も12日に修正したグラフに差し替えてあります(図1)

コメントを頂くと記事を読み直すので、あッ?!というようなミスが見つかります

 

>図3、素晴らしいですね~☆

ありがとう御座います!

コレ、かなり時間がかかりました

それと、図3って見るのがかなり難しいです、慣れが必要です

ポイントは(シツコイようですが)グラフ上で時間は左から右に流れる

太陽は東から昇るので正午のラインは東側から出現する

G18はKAKより東にあるので先に正午縦ラインが出現し、その後5.5時間後にKAK正午縦ラインが出現する

といった見方読み方をします

 

>面白かったです!

良かったです!

この記事が面白い、という方がおられてホッとする次第です

 

以上でした

コメバック終わり

 

 

以上、お付き合い頂きありがとう御座いました

感謝です