なぜ地球磁極は逆転するのか?

太陽黒点数/オゾン全数/エルニーニョ/太陽活動と米国日本の地磁気変動を追います!

6月度その20:北方磁場強度シリーズ ➡ フェアバンクスCMO_LT0時ダウンシュートの謎を追う!

  宇宙の徒然を語るブロガー「マサキリオ」(id:ballooon) さんと、柿岡にて3日連続K-index=4 (1部5を含む) が観測された時のフェアバンクスCMOダウンシュート地磁気波形に関するコメントのやり取りで、

CMO3日目のダウンシュートが遅い、もっと早い時刻にダウンシュートするはず!」

とのコメントを受けました

 

その内容とは、まず柿岡における2024年6月15/16/17日K-indexグラフ(K-indexグラフは8本/Dayなので棒グラフ1本の幅は3h)が

図1:柿岡K-index 6月15/16/17日を含むグラフ

であって、

6/15 ➡ 9:00〜15:00 にK-index=4と5

6/16 ➡ 9:00〜15:00 にK-index=4

6/17 ➡ 3:00〜6:00 にK-index=4

と磁気嵐としては軽いMinor Strom(4)を主体に観測していま

 

この時6月15/16/17日フェアバンクスCMOで観測した波形は、

図2:フェアバンクスCMO_6月15/16/17日地磁気波形

でして、各日のダウンシュート時刻は、

6/15 ➡ LT0時+約2h

6/16 ➡ LT0時+約1h

6/17 ➡ 約LT0時

であって、6/17のダウンシュート時刻が遅すぎる、図1を見ればもっと早くダウンシュートして良いはずなのに、LT0時にダウンシュートしている

というご指摘でした

私はこの時「あ?フェアバンクスCMOは毎日LT0時頃にダウンシュートするクセがあるか???」と思い、調べてみました

 

つきましては結果をご報告致したく

 

 

お付き合い頂けますよう、よろしくお願い致します

 

 

1.電離圏における極域ミラー対称電流

結果はすぐに分かりました!

大気のてっぺん50のなぜ|32.どうして電離圏には電流が流れているの?  より

図3:極域_電離圏におけるミラー対称電流

本文図の説明では、

オーロラの活動が低い時の、極域の電離層電流パターンの例。隣り合う電流間に、1万アンペアの電流が流れています。

とあります

オーロラ活動が低い時、とありますから図1に示すようにK-index=4主体の状況と言えます

尚、他資料によれば、大きな磁気嵐時(即ちオーロラ活動が極めて活発)には電離圏に強い西方電流が流れる、との記載が多く見られ、図3の電流パターンとは全く異なるパターンが形成されるものと思われます

 

図3の電流方向矢印を見て頂ければ、電流周辺部の外側から内側へ流れている事が分かります

従って、この電流パターンが生成する磁力線は下から上へ(地表サイドから上空へ)向かう事が分かります

一方CMOへ着地する磁力線は約5,000km赤道上空から北緯64.9度の極域へ向かって降りてくるわけで、両者磁力線方向は180度逆となります

結果、CMO着地磁力線は弱められ磁場強度は減衰しダウンシュートします

図3より北緯70度辺りでダウンシュートが発生するのはLT0時頃とLT10時頃である事が分かります

 

そこで図2CMO地磁気波形のダウンシュート・ピークにLT(Local Time)を読み取って記入しますと、

図4:ダウンシュートLTを入れたCMO_6月15/16/17日地磁気波形

となり、1日のダウンシュート第1ピークはLT0時頃からLT2時頃、第2ピークはLT10時頃からLT8時頃であり、図3のミラーパターンとドンピシャ一致していると言えます

 

 

2.より詳細な資料を調べる

電気通信大学極域プラズマ対流 ー 基本的な構造と未解明問題の整理 ー

https://mti.nict.go.jp/MTI_symposium/mti-handbook/top/h20/MTI_Handbook_Hosokawa_Ver_1_1.pdf

によれば

図5:低高度衛星によるイオンドリフト観測から導出された極域電離圏ポテンシャルのモデル

上が昼間で下が真夜中(図3と同じ)

モデルを構築する際に用いた衛星による観測は, イオンのドリフト速度のデータであるが,その観測高度(F 領域もしくはそれよりも高い高度)においては, 衝突が充分に小さいため, イオンも電子も E × B ドリフトをしていると考えて良い.

と、このモデルの説明が続きます(F領域とは電離圏F領域の事)

内容はかなり専門的で(直ちに理解するのは困難)モデルは電離圏のみならず磁気圏にまで及びますので、この辺で止めますが、極域プラズマ対流は磁気圏に及ぶかなり大きな壮大モデルである事が分かります

 

 

3.まとめ

A:少なくともK-index=4程度の軽い磁気嵐時には、電離圏で極域ミラー対称電流が形成されている事が確認できました(図3の実証検証がでました!)

B:K-index=6クラスの大きな磁気嵐 Severe storm でも本ミラー対称電流が維持されるのかどうかは、観測してみればスグ分かります

但し、K-index=6クラスはそう頻繁に出現しません、待つしかないでしょう!

C:それでは軽い磁気嵐も観測されないK-index=3(Quiet)の時はどうでしょうか?やはり図3のミラー対称電流は形成されるのでしょうかされないのでしょうか?

測定すればスグに分かります、弱いけれどミラー対称電流は流れるのではないか?と考えています

D:6月15/16/17日は夏至の頃で、フェアバンクスCMO北緯64.9度は白夜かほとんど白夜でしょう

極域におけるミラー対称電流は夏至の時に形成されるのでは?と考えています

冬至の時にも極域電離圏でミラー対称環電流が形成されるかどうかは、観測を続けていれば分かる、現在太陽の黒点活動は盛んな時ですからK-index=4程度の軽い磁気嵐はすぐに発生するでしょう

 

 

以上、お付き合い頂きまして誠にありがとう御座いました

深く感謝です m(_ _)m