6月度その28:北方磁場強度シリーズ ➡ 6月20/21/22日、GOES衛星G18のフーリエパワー・スペクトルを取ってみよう!
GOES衛星について、電子線束/陽子線束/X線量のフーリエパワー・スペクトルを取っておりませんでしたので、ここでG18について取ってみます
お付き合い頂ければ幸いです
観測日付は極めて静穏な6月20/21/22日3日間です
図1: 6月20/21/22日を含む柿岡K-indexグラフ
図2:G16/G18地磁気波形 変動分
図3:G18地磁気波形 絶対値
図4:G18 電子線束グラフ
図4は5分に一回の測定で、恐らく5分の平均値を出しています
図2,図3は1分に一回の測定で、1分の平均値です
図5:G18電子線束 フーリエパワー解析
24h成分がダントツです、12h成分も少しありますが歪による高調波でしょう
図6:G18 陽子線束グラフ
図6も電子線束と同様5分に一回の測定で、恐らく5分の平均値を出しています
図4の電子線束と比べると、電子線束の方が約1,000倍粒子数が大です
電子線束と陽子線束のエネルギー比は、観測日によってバラついているように思います
この観測を継続させバラつきグラフを取る必要がありそうです
図7:G18陽子線束 フーリエパワー解析
電子線束に比べだいぶ乱れています
図8:G18 X線量グラフ
これは1分に一回の測定で、恐らく1分間平均の値です
図9:G18X線量 フーリエパワー解析
周期1.5day成分がエネルギー最大となりました
X線の場合、電子/陽子にくらべ 1-2日早く地球に到達し、乱れが生じやすいという事になります
考察:
1.この3日間最大の考察ポイントは、図4の電子線束グラフが図3の地磁気波形グラフに伝達されている、という事です
この3日間を見ると、陽子線束に比べ約1,000倍粒子数が大である電子線束の大小が、磁力線空間を圧縮伸長させ磁場強度の増減に伝達された、という事です
図4から図3へと、シンプルで美しい関数が存在する事を強く示しています
2.電子線束の大小が磁力線空間を圧縮伸長させるという記述(図解)は見当たりませんでした
また、この太陽風による高エネルギー>=2MeV電子線束がジャイロ運動による背景磁場強度の減衰に関与していない、高さ約3万5千kmにおける高エネルギー電子は高さ3万5千kmにおける地球磁場強度にはジャイロ運動トラップされない、と思われるのですが、この辺りの記述も見当たりませんでした
3.以上のような状況ですが、同様の観測を続けたいと考えています
今回は極めて静穏な3日間の測定、という事でした
お付き合い頂き、誠にありがとう御座いました
感謝です m(_ _)m